あられ

ほんのり酸っぱい特別な あられ

俺はこの あられ に人生を変えられた。

誰にも邪魔されない、俺だけの人生。

酸っぱくて、甘くて、しょっぱい。

美味しい俺のオカシな人生。

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上京して2年、やっと仕事に慣れてきた。

「向井さーん！これやっといてー！」

分厚い会社のリングファイルを、次々とデスクの上に置かれた。

社内、社外関係なく営業スマイルを欠かさないでいたのが原因で、

［向井くんは何しても怒らないから大丈夫］

というレッテルをいつしか貼られていた。

はじめは、関西から上京してきた愛くるしい地方民。

を演じて、好かれようとゴマスリもして…

それが悪かった。

いろんなことに使われて

都合のいい男になって…

いつのまにか関西弁を封印してしまっていた。

「…俺やって色々辛いん……やで……」

時刻は夜の9時すぎ。

俺だけまた残業や。

肩が痛い、首も痛い。目もしぱしぱする。

もうちょっとだけ。ぼちぼちがんばろっか。

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登場人物

・向井康二

関西出身 ごく普通の会社員

・みっちゃん（あなた）

康二の幼なじみ 実家が老舗の駄菓子屋

・大樹（だいき）

康二 みっちゃんの幼なじみ 都会で起業し大成功した

年齢は25〜30

時系列 2024（現代）

ご本人様には関係ありません