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そんな訳で、今日は朝9時に図書館前に集合。
2階の小さい部屋を借りて、亜里砂さんの宿題特訓を開始する。
「単語の書き取りとか計算問題とかは昨日やっておいたのだ。でも長文翻訳とか文章題、あと理科・社会系統はちょっと手が届かなかったのだ」
努力の跡はうかがえる。
「やりやすい方から行こうか。どの教科から行く?」
「ならば社会からなのだ」
そんな訳で、地理の穴埋め問題からスタート。
「ぱっと見てわからなかった所はチェックしておいた方がいいよ。つまり憶えていないということだから。クラス分けテストの対策にもなるしさ」
「採点は私達でするから、亜里砂はまず問題を解くことに集中して」
そんな感じで、彩香さんと2人で亜里砂さんを見守る。
わからなかったところを確認して、教科書のその部分に付箋を貼って線を引く。
「何か、ただ宿題を解くより面倒なことになっている気がするのだ」
まあ確認や復習もついでにしているから、その通りなのだけれど。
「でも未亜がいたら、もっと面倒だぞ。わからなかった部分の再テストくらいはやらされると思うしさ」
「確かにそうなのだ。美洋もお疲れ様なのだ」
ただ、亜里砂さんも昨年色々特訓したせいか、かなり解けるようにはなっている。
プリント3枚あった地理の穴埋め問題も、空欄と間違いは1割程度。
悪くはない出来だ。
「結構出来ているじゃないか」
「私なりに努力させられているのだ」
努力しているのだ、ではないところに自覚がうかがえる。
次は生物に挑戦。
こっちは地理より不得意らしい。
「何か、名前がややこしいのだ」
とか文句を言いながら、それでも何とかやっている。
ちらっと見てみると、これも9割方合っている様子。
今までの未亜さん流特訓は、結構実を結んでいる模様だ。
例によって10時過ぎには川俣先輩がやってきた。
水筒型の魔法瓶と、何か包みを持ってきている。
「勉強すると脳が甘いものを欲しがるからさ。簡単に作ってきた」
串団子。まわりにあんこがぎっちりついているタイプが、1人2本ずつだ。
「あんこは残念ながら、北海道産の普通の小豆で作ったやつだけれどさ」
魔法瓶の中身はほうじ茶だった。
紙コップに入れて貰ったが、かなり熱い。
僕は猫舌なので、冷めるまで待つことにする。
「何か、月見のようなセットなのだ」
「小豆は居残り組の正月会の余りさ。餅はもう無かったから、白玉粉で団子を作った」
あんこが、すっきりした甘さで美味しい。
「これ、あんこも自作ですか」
「ああ。今回は手抜きレシピ。渋抜きした後、炊飯器で炊いて一晩保温しておくというやつだ」
「でも美味しいのだ。すっきりしていて」
「あんこと砂糖、ちょっとの塩しか入れていないからな」
有り難くいただく。
うん、甘さがしみる。