首輪

あのシャツについた何本ものチェーンの先には

翔太が赤色首輪で繋がれている

どんなに

かっこいいと言われても

どんなに

迫力のある歌声で人を魅了しても

翔太はあの人だけに

見ていて欲しいのだ

♥️翔太はなにをしててもかっこいいから大丈夫

小さい頃から

あの人の心と身体が手に入ればなんだって良かった

その気持ちはステージで活躍する

運命さえ引き寄せた

💙涼太

ステージ裏に帰ると真っ先に向かう

そう恋人の元へ

♥️おつかれさま　今日もかっこ良かったよ

涼太からそう言われた瞬間

翔太は膝から崩れ落ちた

♥️オレが運びます

ハンパない体力を消耗し

半分うつろな目をした翔太は

涼太が側にいることに安心して

目を閉じた

視界がはっきりすると

涼太がずっとこっちを見ていて

思わず

シーツを少し被る

💙おれ　また

♥️はい　水

コップを渡されるのかと思ったら

その水は涼太の口の中で

💙ん？

涼太から口移しで水が入ってくる

💙ん　うっ　んん

♥️大丈夫？

💙ありがと

コップを置いてどこかに行こうとする涼太を翔太は引き止めて　抱っこを要求する

💙りょーた　りょーた　だっこ

♥️はいはい

ギューッとしながら頭を撫でると翔太はふにゃっと笑顔を見せる

さっきまでキャーキャー言われてたのに

このギャップ

涼太も翔太を愛してやまない

💙りょーた

♥️ん？

　

💙一緒にお風呂

♥️はいはい

💙一緒に寝たい

♥️はいはい

💙オレのこと何もしない？

♥️明日もライブだよ？

💙でも

♥️明日終わったら　翔太が泣いちゃうくらい抱かせてもらう

💙りょた　ずるい

ふふ　可愛いなー翔太

ついつい甘やかしちゃうんだよなー

♥️じゃあ　今日はいっぱいキスして寝ようね

結局

一緒にベッドに入ると

どちらともなく火が付いて

♥️翔太　明日にさわるから

💙イヤだ　りょーたが欲しい

翔太は寝息をたて始めた

♥️疲れてんのに　ムリして

腕枕に眠る翔太の頭をポンポンたたく

♥️オレの方が繋がれてるな

帰ったら

用意した指輪と

プロポーズの言葉を

翔太に送ろうかな　

青色首輪は手段を選ばない

（欲しいものは全て掻っ攫う）

赤色首輪は手段を選ばせない

調和の良くとれた首輪の話