TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

月夜に姫は

一覧ページ

「月夜に姫は」のメインビジュアル

月夜に姫は

7 - 第7話

♥

41

2024年12月11日

シェアするシェアする
報告する




戸惑いを隠せない帝へ、中将は、隠し持っていた包みを開けて言った。


「ご無礼は、承知。帝、時が御座いませぬ!」


言うには、摩訶不思議な話の真相を、帝自ら問われるべきだと。


中将は、帝からの文を携え姫の元へ向かっているが、初めは、側仕えが受け取っていたそれを、今は、姫君自らが応じている。時には、待ち遠しかったと、呟くこともあると帝へお伝えした。


「姫君は、帝をお待ちになられておるのです!ならば!」


文にしたためられない事情があるはず、何か、特別な訳があるはず。


中将は、熱く語った。いや、帝を、説得していた。


もはや、お二人は、離れられない仲ではないのか。


仲将の、きつく、それでいて、心からの言葉に、帝も、お気づきになられた。


──姫の一大事、なれば、この身は、姫の側にあるべきと。


「|大国《おおくに》よ。そなたの、知恵を借りたい」


「はい!お会いになって、語られるのが一番。つきましては……」


時は、夕暮れ。


宮中に仕える者は、帰路につき始めている。


その人混みに紛れて、抜け出せば良い。


宵になれば、人の出入りは、無い。宿直《とのい》の役目に、すぐ気がつかれてしまう。


「大変不躾と私も心苦しいのですが、どうか、暫く、この大国の従者として、ご辛抱願いませんでしょうか」


差し出していたのは、位低き者の束帯。


これに着替えて、中将の供になり、ここから抜け出す。皆、帝のお顔など、知りもせぬ。衣を変えれば、夕刻の帰宅時のどさくさに紛れて、表へ出ることができるであろう。


中将は、言い切った。


帝も、なるほどと、感心なされ、同時に、やはり、自分には、姫しかいないのだと、思われたのだった。

この作品はいかがでしたか?

41

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚