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「ねえ悠、なかなか出てこないけれど、どうしたの?」
彩香さんの声が聞こえて、ぎくりとする。
「何か疲れているようで、中で寝入っているのだ。しばらく、そのままにしてやった方がいいのだ」
「そんな感じなのですよ」
亜里砂さんと未亜さんが、2人で誤魔化してくれた。
「ふーん、わかった。でも寒くないかな」
「大丈夫な感じなのですよ」
2人の誤魔化しが功を奏した様子で、彩香さんはそれ以上追及しない。
『ありがとう、今の言い訳』
『いや、私達のせいなのですよ、今のは。さてそういう訳で、私も、美洋も、亜里砂も。相手の人格とか考え方を認めた上での初恋だったのですよ』
『初恋は実らない物だと聞いたけれど、何せ読心出来るだけに、結果がわかるのが辛いのだ』
『その分が、マーラウのプリンになってカウントされたのです』
理解した。
何かおこがましいというか、何というか、よくわからないけれど。
『別に、申し訳無いとか思う必要は無いのです』
『私は、少しは思ってもいいと思うのだ』
それでも、何となく済まないとは思う。
どうしようもないのだけれど。
『でもまあ、ここまでぶっちゃけたので、取り敢えずはすっきりしたのだ』
『亜里砂も、なかなか理不尽だと思うのですよ、この度は』
未亜さん、今回はため息が多い。
そのたびに、何か申し訳無いような気になる。
『まあ、悠にとっては理不尽な事を言っているので、申し訳無いなんて思う必要はないのですよ。こっちが心を勝手に読んで、勝手に色々感じているだけなのですから』
『でも、腹が立つので、マーラウのプリンなのだ』
『それは基本的に私の台詞なのです』
でも、何かなあ。
『それに、いきなり告白なんてのも不自然だと思うのです。だから今ここで亜里砂や私が話した事は、取り敢えずノーカウントでお願いなのです。マーラウのプリンも、執行猶予という事にしておくのです』
告白か。
彩香さんは、僕の事を、実際はどう思っているのだろう。
心を読める2人に聞きたい気もする。
でも、きっとそれはルール違反だ。
僕が自分で感じて、考えて、判断するべきだろう。
『それが、きっと正しいのです』
未亜さんが、頷いたような気がした。
『さて、ちょっと証拠隠滅のために、悠には本当に15分ほど寝て貰うのです。ついでに、色々恥ずかしい事も話したので、ちょっとだけ、今の会話を忘れて貰うのです』
そんな未亜さんの台詞と共に、僕の意識は落ちていった。