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#普通
野々さくら
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ありあ
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首を傾げる累に信愛は、霊視のメカニズムを解説する。
信愛の説明を聞き終えた累は、小さく頷いた。
「なるほど・・・」
頭の中で内容を整理するように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「霊気っては天から与えられた特別な物じゃなくて
人間なら誰しもが先天的に有してる物で
霊気の量は人によってバラつきがある」
累は頭で言葉を整理しながら言葉を繋ぐ。
「その霊気が微量だと、潜在的に霊圧を
拒否しちまうから霊視が出来ない。そういう事か?」
信愛は静かに微笑んだ。
「その通りです」
そして、自分の胸にそっと手を当てる。
「だから私が霊視を出来るのは
産まれながらに有してる霊気が
人よりも多いからなんです」
累は納得したように息を吐く。
「なるほど・・だから俺と君の霊気を結合して
無理矢理に俺の霊気を底上げしてから
霊視をできるようにするって事か」
「はい・・・」
信愛は静かに頷いた。
そこへ茜が腕を組みながら口を挟む。
「でもさ? 信愛?」
首を傾げる。
「霊気の結合なんて、そんな
魔法みたいな事、本当に出来るわけ?」
信愛は少しだけ困ったように笑った。
「やった事ないけど、出来るかもしれない」
その答えに、さくらが目を丸くする。
「なんでそう思うの?」
信愛は迷いなく答えた。
「千歳の時の事を思い出してみてよ」
「千歳さんの時?」
茜の問いに、信愛は静かに説明を続ける。
「私の霊気は千歳の霊気より少なかったから
千歳を目視する事ができなかった」
だが、と続ける。
「でも佳苗に取り憑いてもらう事で
霊気を底上げして、私は千歳を目視できたの」
焔垂が感心したように頷いた。
「なるほど、霊気を結合して底上げする事自体は
可能だって既に実証済みってわけか」
しかし、その表情はすぐ真剣なものへ変わる。
「けど私は霊じゃないから累さんに取り憑けない」
静かに続けた。
「だから擬似的に私が累さんに
憑依してる状態を作り出すの」
茜は呆れたように肩をすくめる。
「そんな回りくどい事なんてしないでさ
佳苗が累さんに取り憑けばいいんじゃない?」
信愛は首を横に振る。
「私は佳苗と魂で結ばれてる状態だから
佳苗に取り憑かれても無事で済んだけど」
累へ視線を向けた。
「累さんは違うかもしれない」
さくらは納得したように息を漏らす。
「あ、そうだよね!何が起こるか分からないもんね」
「そういう事」
信愛は真っ直ぐ累を見据える。
「ですので今から、霊気結合の儀式を始めます!」
凛とした声が部屋に響いた。
「いいですね?」
累は一瞬だけ目を閉じ、決意を固める。
「ああ・・・分かった」
そして、信愛を真っ直ぐ見返した。
「よろしく頼む」
◇ ◇ ◇
それから、信愛は自宅から持ってきた一本の縄を取り出し、自分の手首と累の手首を静かに結び合わせた。
結び目を丁寧に整えると、累の目を真っ直ぐ見つめる。
「いいですか?累さん」
その瞳には迷いがなかった。
「これが成功したら沙月さんの霊を目視できます」
累は縄で結ばれた手を見下ろし、小さく息を吐く。
「ああ・・・」
信愛はさらに念を押すように言葉を続けた。
「目視できるのは私と縄で繋がっている間だけですから」
「ああ・・・わかった」
「では始めますよ」
累は覚悟を決めたように頷く。
「ああ・・・頼む」
信愛は静かに目を閉じた。
累もその姿にならい、ゆっくりと瞼を閉じる。
周囲は水を打ったような静寂に包まれる。
やがて信愛は、厳かな口調で呪文を唱え始めた。
「霊堂霊冥霊界遊鬼──
眼界共鳴戮力協心──
浄化清明合掌礼拝──
霊気をひとつに──
霊脈を繋ぎて──
霊魂結合」
その瞬間、場の空気が一変した。
累は目を閉じたまま、身体の奥を何かが流れていくような不思議な感覚に包まれる。
やがて信愛が静かに声をかけた。
「累さん・・目を開けてください・・・」
累は息を呑み、ゆっくりと瞼を開いた。
コメント
1件
おお、ついに霊気結合の儀式か!信愛の霊視の仕組み説明がわかりやすくて、世界観がしっかりしてるのが好みだわ。縄で手首を結ぶ儀式の描写に神聖な緊張感があって、呪文の響きもめっちゃかっこよかった。累の「よろしく頼む」の一言に覚悟が滲んでて、次どうなるか気になるー!🔥