テラーノベル
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累はゆっくりと目を開けた。
目の前に立っていたのは、忘れるはずもない笑顔。
「累・・・」
聞き慣れた優しい声が耳に届く。
累は目を見開き、その場で息を呑んだ。
震える唇から、かすれた声が漏れる。
「さ、沙月・・・」
さっきまで必死に堪えていた感情が、一気に溢れ出した。
累は大粒の涙を流しながら、その場に崩れ落ちるように座り込む。
そんな累を見て、沙月は困ったように笑った。
「もう・・・何泣いてんの?」
くすっと笑いながら続ける。
「しばらく見ない間に、泣き虫になっちゃった?」
涙を拭いながら累は笑う。
「バ、バカ言ってんじゃねーよ・・・」
そのやり取りを少し離れた場所で見守っていた信愛は、胸を撫で下ろした。
(良かった・・成功したみたいだね)
安堵の笑みが自然と浮かぶ。
累と沙月が普通に会話している。
それだけで、霊気の結合が無事成功した証だった。
累は沙月を見つめたまま、小さく頭を下げる。
「ごめんな・・・沙月」
震える声で言葉を続ける。
「俺がさっさと告ってりゃ・・・
お前に行動させる事もなかったんだよな」
後悔が胸を締め付ける。
「全部・・全部俺の責任だ・・・」
そして、もう一度。
「ごめんな・・・沙月」
沙月は呆れたように頬を膨らませた。
「バーカ!そんな事思ってないってば」
優しく笑って首を横に振る。
「でも私、ずっと心配してたんだからね?」
累は首を傾げる。
「え? 心配?」
沙月は苦笑しながら肩をすくめた。
「あのタマなんとかって詐欺師だよ!」
思い出したように眉をひそめる。
「もう、累ったらあんなヤツに
ころっと騙されちゃうんだもん
心配しすぎて寿命縮まるかと思ったよ」
そう言ったあと、いたずらっぽく笑う。
「てか、もう寿命ないんだった(笑)」
ぺろっと小さく舌を出す沙月。
累は思わず吹き出した。
「わ、笑えねーよ、バカ(笑)」
#普通
野々さくら
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ありあ
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笑いながらも、その瞳にはまた涙が滲む。
「でも・・・ずっと側に居てくれたんだな」
沙月は穏やかに微笑いた。
「ずっと近くに居たよ」
累はその言葉を胸の奥で噛み締める。
「そうだったんだな・・・」
すると沙月は、急に悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「でもさ? まだ面と向かって
言ってもらえてないんだけどなぁ〜」
累はきょとんとする。
「え?」
沙月は呆れたように笑う。
「『え?』って何とぼけてんの!?」
指を突きつけながら、照れ笑いを浮かべる。
「私にずっと言いたかった言葉があるじゃん!」
「ほら!ほら!言っちゃいなよ!ほら!ほら!」
期待に満ちた表情で、累をじっと見つめる。
その視線に押されるように、累はしばらく黙り込んだ。
やがて深く息を吸い、小さく口を開く。
「ずっと好きだった・・・」
沙月はわざとらしい泣き真似をする。
「え〜ん、過去形になるってる〜」
累は慌てて手を振った。
「あ、いや、その、えっと」
照れ隠しに咳払いをひとつする。
「コ、コホン・・・」
そして今度は、まっすぐ沙月の目を見つめた。
「沙月・・好きだ・・愛してる」
その言葉を聞いた瞬間、沙月は両手で頬を押さえた。
「きゃ〜❤︎愛してるだって〜❤︎きゃ〜❤︎」
満面の笑みを浮かべ、その場で飛び跳ねる。
累は首から下げていたペンダントをそっと握りしめ、優しく微笑んだ。
「沙月はずっと俺の心の支えだよ」
その言葉に、沙月はさらに嬉しそうに目を細める。
「そのペンダント、気に入ってくれた?」
累は迷いなく頷いた。
「ああ、気に入ってるよ」
累はペンダントをそっと握りしめ、穏やかな笑みを浮かべた。
「一生使うからさ、このペンダント」
その言葉に、沙月は嬉しそうに目を細める。
「約束だからね? ずっと使ってよね?」
累は力強く頷いた。
「ああ・・・当たり前だ」
ペンダントを見つめながら、小さく微笑む。
「沙月からのプレゼントだからな」
そして照れ隠しのように笑った。
「千切れても使うよ」
沙月は慌てて両手を振る。
「千切らないでよっ!」
累は苦笑しながら肩をすくめた。
「そういう意味で言ってんじゃねーんだよバカ」
沙月は声を上げて笑う。
「きゃはは、分かってるよ」
ひとしきり笑ったあと、沙月の表情が少しだけ寂しげに変わった。
「じゃあ・・・累」
一度言葉を切り、静かに微笑む。
「そろそろお別れだね」
累は目を見開いた。
「え?」
その時、信愛が静かに口を開く。
「沙月さんが成仏し始めてます・・・」
累は沙月を見つめた。
「成仏・・・」
信愛の言葉どおり、沙月の身体は徐々に透き通り始めていた。
「沙月!」
累は思わず手を伸ばす。
沙月は優しく微笑み返す。
「こうしてまた話せてよかった」
累の声は震えていた。
「沙月・・・ぐすっ」
沙月は涙をこらえるように笑う。
「泣かないの」
そう言いながらも、その瞳には涙が浮かんでいた。
累は苦笑する。
「お前だって泣いてんだろーが」
沙月は涙を拭い、空を見上げた。
「天国で待ってるから」
累は静かに頷く。
「ああ・・・待っててくれ」
拳を握り締め、強く誓う。
「必ず逢いに行くからさ」
沙月は真っ直ぐ累を見つめる。
「絶対だからね?」
そして、もう一つだけ約束を重ねた。
「絶対私を見つけてね?」
累は迷うことなく答える。
「ああ・・見つけるさ」
その瞳には一切の迷いはなかった。
「必ずな!」
沙月は満足そうに微笑む。
「累・・・またね」
そう言うと、そっと累に歩み寄った。
優しく背伸びをし、その唇を累の唇へと重ねる。
一瞬だけ流れた静かな時間。
唇が離れると同時に、沙月の身体は無数の光となって空へ舞い上がった。
まるで夜空へと流れていく天の川のように、美しく、儚く。
累はその光が見えなくなるまで、ただ静かに見つめ続けていた。
コメント
1件
うっ…読んでるこっちも涙腺崩壊しそうだったよ…😭💦 沙月と再会できた累、本当に良かったね…!「愛してる」って言えた瞬間、ずっと待ってたんだなって思うと胸が熱くなったよ。最後のキスと成仏のシーン、美しすぎて切なすぎて言葉にならない…。ペンダントの約束、絶対に逢いに行くって誓った累の言葉、信じてるよ…!次はどんな展開になるんだろう、目が離せないよ〜!✨