テラーノベル
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小刀を隠した巫女服の胸元はとても重く感じた。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、耐えきれなくなってきた。
🌸「………もう、分からなくなっちゃったよ……ッ」
ポロッと胸の奥に閉じ込めていた本音と涙がこぼれ落ちる。
村のみんなからの期待、お師匠様が言ってた言葉、そして目の前にいる優しい鬼。
その重圧に潰されそうになり俯く私に、琥珀は慌てることもなく優しく肩をぽんと置き、そっと優しい言葉をかけた。
🍁「分からない時は、無理に答えを出さなくて良いよ」
🌸「え………?」
顔を上げると、琥珀は私を安心させるようにふわりと微笑んでいた。
🍁「多分桜ちゃんは村のみんなのためにずっと頑張ってきたんでしょ?それってすごく優しい心なんだよ。僕の優しさと桜ちゃんの優しさで形は違っても守りたいって気持ちは同じだと思うんだ。だから、お揃いでしょ?」
🌸「お揃い……」
その一言で私の胸の中に溜まってた黒いもやもやが少しづつ薄れていくのを感じた。彼の瞳は私と同じ不吉な黒い瞳のはずなのに、見ているだけで不思議と心がポカポカに温まっていく。
🌸(そうか…。お揃いって言葉は、私を慰めてくれる魔法の言葉だったんだ……)
同じ背丈。同じ不吉な黒い瞳。同じ嫌われ者。そして、形は違っても誰かを守りたいという同じ心。
お揃いがあるだけで私は怖いものが無くなった。
私は巫女服から小刀を取り出した。キラリと光る鋭い刃を見つめ、私は近くの茂みに投げ捨てた。
🌸(もうこんなものを使う用事はこの山に無い。それが私の答えだから)
🌸「ありがとう琥珀。おかげで私の黒いもやもやは消えたよ」
🍁「良かった!桜ちゃんの笑顔、とっても可愛くなったよ!」
無邪気に琥珀は笑う。とっても優しい温かい笑顔だった。
🌸「琥珀、明日から村の人たちに内緒で会いに行くよ 」
🍁「えっ良いの!?やったぁぁあ!!!」
琥珀は両手を上げてぴょんぴょん跳ねてまるで子供のように喜んでた。
🌸「誰にも見つからないように琥珀も気をつけてね。約束だよ?」
🍁「うん、約束!僕も他の鬼にバレないように気をつける!」
青空の下で、私達は笑い合った。心の底から笑えた気がした。
この時から、2人だけの秘密の時間が始まった。
To be continued
コメント
3件
ああ、もう……!「お揃い」って言葉、本当に素敵ですね。桜ちゃんが小刀を隠して胸を重く感じていたのが、琥珀の優しい一言でふわりと軽くなっていく。同じ黒い瞳、同じ孤独の感覚を「お揃い」と肯定してもらえるって、どんな救いだろうって思いました。最後の2人の笑顔、青空の下で心から笑えたんだなってじんわりしました。続き、絶対読みたいです🌷
れお(1週間猫化)
320
#ギャグ時々シリアス??
꒰ঌソラ໒꒱
10
#恋愛
もな
224