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鼻血
2,022
43,367
祇恩乃
40
ちょっとキャラほうかいかも???
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コンクリート剥き出しの廃倉庫。取引の現場を強襲され、潔世一は敵の包囲網の真ん中にいた。
立ちはだかるのは、漆黒のロングコートを羽織り、首元に青い薔薇のタトゥーを刻んだ男――敵対組織の若頭、ミヒャエル・カイザーだ。
「おいおい、こんな薄汚い場所に、随分と可愛らしいお姫様(ヨイチ)が迷い込んだもんだな?」
カイザーは手にした拳銃の銃口を潔の顎に添え、フッと残虐に微笑む。
その背後には、彼の忠実な騎士(ボディーガード)である黒名蘭世やネス、冷徹な暗殺者・氷織羊が武器を構えて控えていた。
絶体絶命。しかし、潔の瞳に恐怖はひとかけらもない。むしろ、狂気的な笑みを浮かべる。
「……おい、カイザー。俺の犬たちを怒らせたらどうなるか、教えてやるよ」
その瞬間、倉庫の天井が轟音とともに崩落した。
「――潔から、その汚い手を離せ」
白煙の中から現れたのは、感情の消えた瞳でサバイバルナイフを構えた凪誠士郎だ。人間離れした跳躍から、カイザーの腕を目がけて容赦なく刃を振り下ろす。
「チッ……!」
カイザーは間一髪で飛び退くが、その直後、側面から無数の銃弾が撃ち込まれた。
「我が組織のボスに気安く触れてんじゃねぇよ、クソアマチュアが」
高級スーツを血で汚すことも厭わず、二丁拳銃を狂ったように乱射しながら現れたのは御影玲王だ。
その紫の瞳は、普段の理知的な輝きを失い、潔を脅かされた怒りで完全に血走っている。
「黒名、氷織! カイザーを守れ!」
ネスの命令で、黒名と氷織が前に出る。
組織の精鋭たちの激突――のはずだった。だが、キレた白宝の二人は文字通り「怪物」だった。
「邪魔。潔のところに、行かせて」
凪は黒名の超高速の体術を天才的な反射神経で全ていなし、逆に容赦なく壁へと叩きつける。
「潔を狙った罪、その命で精算してもらうぞ」
玲王は氷織の冷徹な狙撃を読み切り、至近距離からの格闘戦で圧倒。
容赦なく地面に組み伏せた。
あっという間に退路を断たれ、部下を潰されたカイザーの眉間に、玲王の銃口が突きつけられる。
そして、カイザーの背後からは、凪の冷たい刃が首筋に添えられた。
「おい、ヨイチ……お前の犬どもは、ちょっと躾が狂暴すぎやしないか?」
カイザーが冷や汗を流しながら皮肉る。
潔はゆっくりと歩み寄り、カイザーを見下ろして冷酷に言い放った。
「言っただろ、俺の犬だって。……二人とも、そこまでにしとけ。生かして連れて帰るぞ」
その一言で、あれほど狂暴だった二人の殺気がピタッと止まる。
「うん、潔が言うなら」
凪はコテリと首を傾げて武器を収め、玲王もチッと舌打ちをして銃を下ろした。
――その日の夜。オフィスに戻り、返り血を浴びた服を着替えた三人は、組織が裏で支配する最高級ホテルの最上階ラウンジにいた。貸切にされたフロアの窓からは、きらびやかな夜景が一望できる。昼間の血生臭い戦闘が嘘のような、静かで贅沢な空間。
「はぁ……疲れた。ねえ潔、がんばったから、ご褒美ちょうだい」
ソファに座る潔の太ももに、凪がすっかり元の「甘えん坊な大型犬」に戻って頭を乗せてくる。潔は苦笑しながら、凪の白い髪を優しく撫で回した。
「よくやったよ、凪。お前のおかげで助かった」
「えへへ、潔の手、あったかい……」
そこへ、最高級のワイングラスを二つ持った玲王が歩み寄ってくる。玲王は潔の隣に腰掛け、ガラス越しに夜景を映すワインを潔に手渡した。
「今回の件でカイザー組織のルートは完全にうちの支配下に入ったぞ。全部、お前のシナリオ通りだ、世一」
玲王は愛おしそうに潔の肩に腕を回し、その耳元で低く囁く。
「でも、二度とあんな危険な真似はしないでくれ。お前に傷一つでもついたら、俺は本当にこの街ごと奴らを灰にしてしまうところだった」
「おい玲王、潔にばっかりくっつくな。俺も潔の隣がいい」
「うるさい、凪。お前はさっきから潔の膝を独占してんだろ。半分よこせ」
またしても潔を真ん中にして、小競り合いを始める二人。
世界を震撼させる天才暗殺者と、裏社会を牛耳る若き大富豪。
その二人が、自分の両脇で子供のように独占欲を剥き出しにしている。
潔はワインを一口煽ると、不敵で、どこか妖艶な笑みを浮かべて二人を引き寄せた。
「お前ら、夜はこれからだぞ? ほら、もっと俺を楽しませろよ、俺の可愛い猟犬(エゴイスト)ども」
その言葉に、凪と玲王の目が同時に獲物を見つけた肉食獣のように爛々と輝き、ボスをさらに深くベッド(玉座)へと囲い込んでいくのだった――。
コメント
5件
まじで神ですね。凪と玲王が潔の前じゃ性格とか全然違ってまじ好き!潔の最後の「夜はこれからだぞ」も好き! 次も楽しみにしています!!
もう出してくれたんすか?!😭嬉しすぎ😭頑張って下さい!でも体に気を付けてね。゚(゚´ω`゚)゚。
おお、第2話読んだよ!この“潔”がめっちゃカッコいい…!絶体絶命の状況なのに余裕の笑みで「俺の犬たちを怒らせたらどうなるか」って言い放つシーン、痺れたわ。凪と玲王の“普段の甘えん坊”と“戦闘時の怪物”のギャップがすごく良いし、二人の独占欲バトルも可愛い。潔が「夜はこれからだぞ」って二人を引き寄せるラスト、ボス感がエグくて続き気になる!🔥