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#ハッピーエンド
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『質量、つまりマスだ! くふふ、昔仲間達の魔力を集めて他ならぬ我を切り裂いたコユキの刃はマスカット、バアルに対して振るった際はシャインマスカット、なーんて呼んでいたなぁ、懐かしいっ!』
「は、はあ、そうなんですね?」
『ああ、懐かしいぞ! そして効果効率を高めるもう一つの要素、それが速度、アクセラレーション、加速度なのだ』
「かそく? えっ、あ、アクセル? って何です?」
今正にオケイ? とか聞かれていたらレイブは即座に答えた事だろう、ノットオケイ、と……
それ位ハテナの度合いを強めていると言うのに、アスタロトは興奮気味に自論を展開してしまう、レイブなんかもうとっくに置き去りだ……
『ああ、アクセルもコユキの代名詞だったなぁ~、『風よ』を操る兄弟、オルモラですら到達不可の超速度でなぁ~、おっと! 話がそれちゃったな、要は質量掛ける加速度が効果効率を示す力になる、つまりフォースはマスにアクセラレーションを乗算する事で高められるって事だぞ』
「…………」
レイブ君、チンプンカンプンの巻、って所である……
アスタロトの講釈は留まる所を知らない。
『結果であるフォースの頭文字はF、それを産み出すマスとアクセラレーションの頭文字はMとA、魔力とはMA力の事だと思えば良い訳なんだよ、無論南洋の島由来のマナから置き換えられた魔力って言葉もあるがそれだって大差無い、自然の中に存在する未知の生命力をマ、それらを齎す精霊の存在をナと表現しているだけだからな、同じ事を言っているんだぞ? む? どうしたレイブ?』
「すみません………… 全く判りません…… ご、ごめんなさい……」
レイブの前で燃えていた焚き付けは、もうすっかり燃え尽きて黒い煤と化していた。
カサカサと風に飛ばされるさっきまで炎だった物に視線を移しながらアスタロトは確認だ。
『判らない? 全く、か?』
レイブは即答。
「ええ、全然! 皆目! 全く! さっぱり! まるで! てんで…… 判りません………… ぐすっ」
『あーそんなに、か…… えっとな…… ああ、そうかっ!』
恐らくだが、何が判らないかが判っていないレベルのレイブに対して、数千年ぶりに復活を果たしたアスタ先生が何やら突破口を見つけることに成功したらしい。
思えば皆さんの時代、令和に顕現した魔神の兄弟、アスタロトとバアルは他者に教える事に長けていた気がする。
学者肌と言うかなんと言うか…… まあ、悪魔といった存在自体が人々の無知に知性の光明を照らす存在だと言ってしまえばそれまでなのだろうがぁ…… うんっ、悪魔って親切なんだな!