「ヤクザの親分と友達? それは手ごわいな。ちなみに誰?」 「極星会の山鹿雄大会長。名前を聞いても知らないだろうけど、本当に恐ろしい人よ。敵に回して生きてる人はいないと聞いたわ」
それは嘘だ。宣戦布告した上で雄大の自宅を襲撃した余がこうして生きているわけだからな。
余があまり怖がらないのを見て、瑠奈はさらに畳みかけてきた。
「不良ごっこしてるなら知ってるでしょ。関東を制圧した横浜デビルという不良グループがあることを。メンバーは五千人を超えるそうよ。その総長というのが悪魔のように強い上に血も涙もない男で、山鹿会長はそんな恐ろしい男まで舎弟にしてるそうよ」
デタラメすぎて思わず笑ってしまった。北関東は手つかずだから関東を制圧したとは言えない。ただしメンバーは五千人の倍の一万人を超えている。悪魔のように強くて血も涙もないというのは事実だが、横浜デビル総長は男ではなく女だ。余は今もゴスロリドレスを着ているが、ゴスロリを着た悪魔という余の通り名は知らないようだ。
「その男は雄大の友達なのか。それが本当なら、余がその男を殺したら雄大のメンツをつぶしたことになるな。分かった。その男を殺すのは雄大から許可をもらってからにする。真琴、雄大を呼べ!」
「はっ」
「音露、何をさせているの? 山鹿会長があなたの言うことなんて聞くわけないでしょ」
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