この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません
「栗橋さん、ここをご存じなんですか?」
だとすると奇妙な一致だ。
N県佐久原市。
新幹線の停まる駅ではあるが、観光名所というわけでもなく、県内で栄えている場所と言うわけでもない。
この地方出身か、ここに縁がなければ降り立たないと言う人も多い土地だろう。
僕の、実家のある場所だ。
「栗橋さん?」
返答がないのが不思議で、思わずきょろきょろとあたりを見回してしまった。
どこから声が聞こえているのかわからないが、なんとなく後ろを確認したり、上を見たりしてしまう。
「栗橋さん?」
耳を澄ますと、静けさの中にくぐもった音がする。
誰かが遠くで咳(せ)き込んでいるような、そんな音だ。
「栗は……」
「ああ。ごめん」
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