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〜おまけ〜梨亜
「あ……緊張した……」
森から少し離れた木陰で、赤花 梨亜は一人、ほっと息をついた。
さっきまでの冷静な顔からは、想像もできない表情。
「たくさん人がいると、やっぱりうまく話せないな……」
「でも、あの夜道くん……強かったな」
ふと、さっき目が合った瞬間を思い出す。
まるで、満月みたいな静かで強い霊力。
……ちょっと、びっくりした。
「……ちゃんとできるかな、私」
ぽつりと、誰にも聞こえない声でつぶやく。
でもすぐに、顔を上げた。
「……がんばろ」
桜色の髪が、そよ風に揺れた。