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第十六話「綴られた嘘のカラメリゼ」




🔪登場:ミトラの変質


それはまるで、文字で編まれた魔術陣だった。


ミトラの部屋。

天井から床、壁紙に至るまで――すべてに“嘘”が書かれていた。


「わたしは人を殺したことがない」

「彼は事故で死んだ」

「私は誰かのせいで泣いた」

「ここには何もなかった」


すべてが偽り。

けれど――その嘘が、世界を塗り替えていた。




🔪ミトラの見た目


ミトラは、白いブレザーに水色のリボンをつけた少女。

肌は病的に白く、唇は薄く色素がない。

目だけが異様に大きく、どこか“空っぽ”。


その指には、常に万年筆が挟まれている。

文字を書くための“ナイフ”。


「ねぇ、知ってる?

言葉って、“熱”を持つのよ。」




🔪スケアリーの実況「嘘のカラメリゼ」


スケアリーは天井から逆さにぶら下がり、

その文字の雨を舌で舐めていた。


「ふぁあああ……ああ……あああぁぁん……」


「この甘さ……この焦げ目……

“嘘”が真実に変わる瞬間の、“カラメル化”ッ!!!!」


「ウソを連続で塗り重ねて、現実の上に焦がし砂糖を載せるような手口……

これを、なんと言わずして――」


「“脳にかかる焦げ砂糖の呪い”!!!!」




🔪現実が歪む描写


ミトラは文字を一行書く。


『この男は、元から死んでいた』


その瞬間、

地面に倒れた死体の瞳が“濁った水”のように曇った。


ユリウスが絶句する。


「……なにを……した……?」


ミトラは笑わない。ただ書き続ける。


『私は彼を殺していない』


『彼の首を切ったのは事故だった』


現場の血痕が消え、ナイフが“折れたガラス”に変わる。




🔪スケアリーの食レポ「嘘の層仕立て」


「は~~~~~~い!!焼けましたァ~~!!」

スケアリーはクレームブリュレのスプーンを持ちながら実況する。


「第一層、“疑惑”!!

第二層、“罪状のすり替え”!!

第三層、“記憶の再定義”!!」


「これぞ、“三層構造のスイート・ギルト”!!!”」


「ねぇユリウス……

嘘を食べたこと、ある?

飲み込んだら、“現実”が変わるんだよ。」




🔪ユリウスの葛藤


「こんなの……

完全犯罪っていうより、“世界の改ざん”だろ……」


スケアリーはニタリと笑う。


「そう。“調味料”じゃない。これは――主食。」


「この世にひとつしかない、“嘘で煮詰めたフランベ”の中で、

犯人だけが“無傷のデザート”として残るんだよ!!」




🔪ミトラの独白


「わたしは、本当のことが怖い。

真実が、“世界にとって都合が悪い”って知ってるから。」


「だから、ねじまげるの。

だって、そのほうが甘いもん。」





次回 → 第十七話「真実の焦げ跡にミルクを」

スケアリーイズム - 完全犯罪のレシピ

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