テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

第十七話「真実の焦げ跡にミルクを」



🔪ミトラの部屋、再び


かつて「現場」と呼ばれた部屋。

今やそこは、嘘の文字が積層された異空間になっていた。


天井には

『私は無実です』

『私は彼を救いたかった』

『誰も、死ななかった』


――そう刻まれた“空間そのものが嘘を信じていた”。


ミトラはペンを持ったまま、窓辺に座っている。

白いスカートの裾はインクで染まり、肌は紙のように薄い。


彼女の髪は静かに揺れるたび、言葉の形に変わる幻影を纏っていた。




🔪スケアリーの実況「嘘の焦げ跡にかけるミルクソース」


「ッは~~~~ッッッハハハッハアアア!!!!」


スケアリーは、ミトラが書き捨てたページを

湯煎されたミルクの中に一枚ずつ漬け込みながら舐めていた。


「この焦げ焦げの嘘……

焼き切られた真実の下に、ミルクのような“感情の言い訳”がトロォンと流れ込む!!」


「うん……これ、これよぉ……!

“嘘のプリン”、罪と赦しのコラボレーション!!!!」


「ミトラの筆先から出るのは、もう文字じゃない……

**“砂糖水を吸った言霊”よ!!!!」」




🔪ユリウス、錯覚の地獄へ


「……なんでだ……これ全部、嘘なのに……

俺の頭の中の記憶が、“その通りだった”と錯覚してる……」


ユリウスの瞳孔が揺らぐ。

足元の死体は――もう存在しない。


代わりに、折れた椅子。

血痕の代わりに、散らばる紅茶。

ナイフの代わりに、曲がったペン。


現実の記録が、ミトラの書いた“嘘”によって上書きされていく。




🔪スケアリーの食レポ「現実のミスリルコーティング」


「こりゃあ……ヤバイ。これはもう、“記憶の裏漉し”だよぉ……!!」


「罪という材料を砕いて、記憶という裏ごし機で濾しとって、

そこに“感情という甘味”を注ぎ込む……」


「つまり、**“心の舌で食わせるスイーツ”!!!!」」


「ミトラは料理してない。

現実そのものを“お菓子化”してるんだよぉおおお!!!!!」




🔪ミトラの“仕上げ”


ミトラはペンを止めた。


「嘘を書いた後ってね、冷やさないとダメなの。」


彼女はゆっくり立ち上がり、ペンをペロリと舐めた。


「そのままにしておくと、“現実の焦げ”が滲んでくるから――

冷たい言葉で、包んであげなきゃいけないの。」


そして、ラストの一文を紡ぐ。


『彼の死は、なかった。

私たちは、ただ会話しただけだった。』




🔪静寂の完成


ミトラの周囲から、すべての“殺人の痕跡”が消える。

彼女は微笑む。


その笑顔は――“記憶の中にしか存在しない”嘘の証明。




スケアリーの狂気コメント


「これだ……これが“記憶のミルフィーユ”だ……」

「嘘と真実と自己欺瞞と倫理観が、交互に積まれて――」

「そして、全部が“甘い”って錯覚させてくる!!!!!」


「こんなの、食べちゃダメなのに、食べたくなる……」

「うわあああああああああああああ!!!!!」





次回 → 第十八話「証明不能のデザートナイフ」

スケアリーイズム - 完全犯罪のレシピ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

46

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚