pn
「ッぐすヾ」
「う゛ぐ ッッ ….」
pn「ん゛ …….. 、 ?」
rd「ッ … !!」
pn「らっらぁ ….、?」
rd「ッごめん … ッ」
小さいけど存在感のある泣き声が耳に入って目が覚めた。
右隣で寝ているはずの彼が泣いていた。
俺が起きたことに気づくと彼は謝って部屋から出ていこうとした。
けどその後ろ姿はやけに寂しそうで俺は引き止めざるを得なかった。
pn「らだぁ … ? どこいくの 、」
彼の袖をきゅっと握って寝起きの回らない頭でそう彼に声を発した。
らっだぁは振り返ってこちらを見た。
暗闇で顔がよく見えないけどいつもの優しく温厚な彼とは違うのは分かっていた。
rd「… ちょっと頭冷やしてくるから ッ ..」
そう言って手を振り払おうとしてきたのを感じて逃がすまいと腕にしがみついた。
ここで彼を離してはいけないと本能的に感じた。
pn「ねぇ … 待って ッ … 」
pn「まず1回お風呂入ってきな … ?」
11月の深夜のベランダなんか寒いに決まってる。
何より1回外側から温まって欲しい。
無理やり洗面所に押し込んで、彼がちゃんと出てくるまで扉の前で待っていることにした。
最近たまに夜中に彼が泣いているのを目にしていた。
その度に花粉症だとか、目が痛いだとか言って誤魔化していた。
でも俺だって恋人なんだし、相談してばっかりなのは嫌。彼がいずれ自分からしてくれるだろうと思っていたけどきっと今まで一度もしてこなかったからもう今更しずらいのかもしれない。
彼がこんなことになるまで声をかけられなかった自分が憎くて仕方ない。
彼がないているのも知っていたのに。いつも歩み寄ってくれるのを待つばかり。
自分から行ったことなんてきっと数え切れるくらいしかないだろう。
そんなことを考えていたら彼が洗面所の扉を開けた。
けど目元は赤くて沈んだ表情をしていた。
俺も入ってくるわ、なんて言って本日2回目のシャワーを浴びる。
その間も彼の事が頭から離れなくて、急がなければという気持ちが俺を締め付けた。
軽く全身を温めると、俺はなるべく早く洗面所に戻った。
リビングに彼の様子は見られずベランダの扉を開けると柵に手を付いて都内の夜景を眺めていた。
沢山のビルの光で照らされる彼の横顔からは独特の魅力を感じられた。
rd
がら ッヾ
ベランダに通じる扉を開ける音とともに少し背の低い彼が俺の隣に来た。
いつもあまり密着する距離に来たがらない、俺が言っても嫌々言う彼が珍しくピッタリ俺の横に来て少し困惑した。
でも彼は「どうした?」など俺の心配は一切なく、ただただ夜景を眺めていた。
ビルの光の数々は彼の瞳に反射するとよりキラキラとして見えた。
彼の目に映る景色はどうなっていて、俺のことはどう見えてるのだろう。
pn「夜景綺麗だね~~ …」
pn「久しぶりに見たかも」
夜の肌寒い風が俺らに吹いて彼の髪が揺れた。
その拍子に見えた片目は少し赤みを帯びていてやっぱりオッドアイなのかなぁなんて呑気なことを考えた。
pn「にしても空気澄んでるね」
彼は俺と同じように柵の上に腕を乗せていて、そこに顎を軽く乗せ俺を見つめた。
いつにも増して彼は魅力的でその瞳に吸い込まれそうになった。
俺も深呼吸をすると心の奥に渦を巻いていた何かが少し薄くなったような気がした。
彼に話しても失望されないだろうか。
一度も弱みを見せたことがなかったのに、弱音を吐いてしまえば彼に情けないと思われないだろうか。
大丈夫。彼なら、ぺいんとなら受け止めてくれる。
pn「さむ~ …」
pn「湯冷めしてきちゃった」
rd「あったかい布団入っておいで」
やっぱり言えない。ここまで俺を心配してくれて、心が痛くなる。
寒そうにしてるし、あったかい布団の中で赤ん坊のようにすやすや眠っていてほしい。
俺の事なんか気にせず。
pn「らだぁの気が晴れるまでここにいる」
柵と柵の間に足を通して座る彼。
宙に浮いた足をゆらゆらと揺らしてにこっと笑った。
こんなに小さく可愛い彼女に俺の不安を落ち着けたくない。
rd「俺はもう大丈夫だよ」
rd「だから部屋に_ 」
pn「うそつき」
rd「ん?」
pn「俺もらだぁの悩みちゃんと向き合いたい」
rd「そうは言ってもねぇ … 」
少し悩んで、ぺいんとはこんなことで引き下がるような人ではなかったなぁと思った。
rd「俺さ .. たまに寂しくなるんよね」
pn「うん」
rd「原因はわかんないんだけどさ」
pn「家族とかそういうの?」
rd「んーなんなんだろ」
rd「1人な感じがするっていうかさ」
rd「べつに1人でも大丈夫なんだけど」
pn「1人じゃ大丈夫じゃないんじゃない?」
rd「どういうこと?」
目が合わないのが何となく嫌であぐらをかいて座り込む。
同じくらいの高さに彼の顔があると安心感を感じた。
pn「大丈夫って思い込んでるだけじゃない?」
rd「そんなこと_ 」
pn「じゃあ俺が出ていっても大丈夫?」
rd「… え?」
pn「今同棲して2人暮らしだけどさ」
pn「俺でてったららっだぁは1人だよ?」
rd「…」
pn「それでも寂しくならない?大丈夫?」
rd「それは ッ …」
この家から彼が居なくなったら?
ベッドは広くなるだろうし、冷蔵庫もスカスカになるかな …
消耗品の減りも遅くなるよな。
ご飯食べる時はやけに静かで、椅子はひとつ要らなくなっちゃうなぁ …
一緒に笑ってくれる人も居ないしふざけてくれる人もいない。
こうして話す時間も同じ場所でゲームする時間もない。
一人ぼっち??
pn
rd「いやだ ッ … いやだ行かないで …」
急に彼の顔は青ざめて俺を強く抱き締めた。
小さな子供のように、ただ「行かないで」と。
やっぱり1人が寂しいんじゃん。
他の人と一緒なんだよ。よかった。
彼の寂しさを埋められる存在が俺しか居ないのが嬉しかった。
pn「大丈夫だよ」
pn「俺はそばにいるから」
rd「ほんと?」
pn「うん、だから我慢しないで」
rd「うん ッ ….. ありがとう … ぐすヾ」
pn「よし、じゃあ一緒に寝よっか」
rd「うん、今日はそばにいて」
pn「いつもいるよ」
リクエストお待ちしております
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡1000 💬1
コメント
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初コメ失礼します!もしよければリクエストいいでしょうか?東京スカパラダイスオーケストラさんの曲で紋白蝶と言う曲があるのですが、その曲でらだぺんのホストパロをやって欲しいです!