「…………分かった。私が知っている町長のこと。全て話そう」雨花「!、ありがとうございます!」
『無法地帯』の貧困層に来た「紫雲雨花」。貧困層の原因の一つである「町長」を倒すため、貧困層に住む妖怪の一人である老婆に話を聴き、とうとう町長を倒しに行くことにした。
「…………私が知っているのはこれぐらいよ」
雨花「……なるほど。とても参考になりました」
老婆から話を聴き、分かったこと。
町長は町の中心地にある五重塔のような建物の最上階に住んでいること。そこに行き着くまでには沢山の妖怪が待ち受けていること。
雨花「とりあえず行ってきます」
「ちょっと!本当にあんた単独で行くつもりかい?!」
雨花「もちろん、ここにわたしの仲間はいませんから。」
「無茶をお言いでないよ!あんた馬鹿じゃないのかい?」
雨花「馬鹿なのは否定しません。でも……」
「「できることなら馬鹿は馬鹿でも優しい馬鹿になりたいので。」」
「まぁこんなこと言ってる時点で私は優しくないですけどね?」と雨花は笑う。
「……あんたどうしてそこまで……」
雨花「わたしも……絶望を知っているつもりです。そして、ここにいる子供たちと似たような経験があるだけですよ。」
「…………」
雨花「では、行ってきますね」
雨花は塔に向かった。
「ばあちゃん、あの人は?」
「もう行ったよ」
「……言うか迷ったんだけど、実は……」
「!」
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雨花「ここが門か。それ以外は塀で囲まれてるね」
雨花は塔の門の前に来ていた。
雨花「(妖術で作った爆薬で……!)」
ドッッッッカーン!!!!
「何事だ!何が起きている!?」
「早く火を消せ!」
「何者かの襲撃だ!」
「門に集まれ!!」
雨花「ぐっふ。じゃあね〜」
門の前で騒ぎが起きているうちに雨花は塀から登って、塔の敷地内に入ることが出来たのだった。
雨花「…………」
「何奴だ!」
「皆の者かかれ〜」
「クソ!灯りを消されて誰なのか分からない」
「早く倒せ!!」
雨花は、兵士たちの頭上でバク転しながら、斬撃を入れ、兵士たちの集団を空中から通り越す頃には兵士たちは全員倒れていた。
雨花「大丈夫だよ〜致命傷は外してる」
「な、情けをかけたのか……」
雨花「いや?あなたたちに話してもらわなくちゃいけないものが沢山あるから生かしてるだけ〜あはは!」
「その笑い方……まさかお前……!」
雨花「さぁっ!早く町長倒さなきゃ!」
「おい……」
「おい!!!!待て!!!!」
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雨花「よしこっから最上階まで一気に走り抜けながら攻撃しよ」
「来たぞ!!」
「早く倒せ!!」
雨花は兵士たちの間を攻撃を躱しながら、すり抜けていき、攻撃を仕掛ける。
雨花「よし、あと一階!ここまで一回も怪我しなかったなぁ。意外とわたしなまってない?」
雨花は一気に階段を登り、最上階に着いた。すると、
「さすが噂に聴くほどの実力の持ち主だな」
雨花「!」
前には闘牛の頭に体は筋肉質な男性のような妖怪が立っていた。
「ここまで来るのに全て強行突破と来たか。頭は悪いようだが、相当な戦闘力がないとそんな芸当できまい」
雨花「わたし作戦とか考えるの苦手なもんで〜」
「で、」
雨花「この感覚……あなたが町長でしょ?」
「その触感の強さ……噂以上かもしれぬ」
雨花「わたしはあなたを倒さないといけない。でも、本当に一応聴くけど、大人しく付いてきてくれない?」
「その答えは今お前が考えているものと一緒だ」
雨花「あぁやっぱりそうだよね〜じゃa」
バッッッッゴオーン
「瞬発力もあるのか……手強い」
雨花「そのいかにも強者です!みたいな喋り方何とかならないの……?」
妖怪は、先端に一つの刃が付いた槍を振り回していった。
雨花は天井にあった柱に足をひっかけて、ぶら下がっていた。
「はぁぁぁぁ!!!!」
雨花「あっそういうこと言うのアニメの世界だけかと想った」
「お前……舐めているのか?」
雨花「いや。別に。想ったことを言っただけ」
「やぁぁぁぁ!!!!」
雨花「また言ったウケる」
「舐めているなぁ!?!?」
雨花「えぇ〜」
雨花はひょいひょい攻撃を避けていく。雨花からは攻撃しないため、それもあって舐められていると想ったのだろう。
「こうなったら……はっ!」
雨花「あら」
雨花は壁に磔にされた。
「ふん。散々避けていた割にはこれは避けられなかったんだな」
雨花「……よいっしょ……!」
「逃がすものか!」
雨花の手足は、さらに強い妖術で作られた手枷と足枷で固定された。
雨花「…………」
「さっきまでの煽りはどうした!!!!怖気付いたのか!?!?」
雨花「いやね。わたしの妖術じゃあもう抵抗できないのね?だからもう諦めようかな〜って!」
「口ほどにもない奴だな。さっきの言葉は撤回させて頂こう」
雨花「…………」
「さぁトドメだ!お前を倒せば「堕天」の奴らもそして、妖怪の長様も喜んでくれるだろうなぁ!!」
雨花はみぞおちに刃を突き刺した、
雨花「うっ……」
「ふん、この刃をさらに強く押し込んでやる。そして、天使共に魂を浄化されて終いだ!」
そして、とうとう刃が深く突き刺さる瞬間、
雨花「……ニヤッ」
「!」
ドッバァァァァン!!!!
「グッハァ!!!!」
雨花「お〜初めてやったけど上手くいった!あはは!」
「な……何を……したんだ!?」
「あの子が「黒い彼岸花」?」
「そうなんだよ!本来なら妖怪と天使の敵のはずなのに俺たちをあの人は助けようとしてくれるんだよ!でも、町長に叶うとは想えない!」
「…………どうしてそう思うんだい?」
「だって俺たちなんかに簡単に財布盗られてたし……」
「…………あの子はね……」
雨花「知ってる?妖術と神通力の相性……」
「確実に……」
雨花「この組み合わせは……」
「神の中の……」
「「「「後に「天災」となるだろうさ!!!!」」」」
「頂点になれるよ」
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妖術と────神通力の相性
通常、妖術に神通力は効かない。妖術が神通力に効かないように。しかし、神通力と妖術をぶつけ合うと力の齟齬が生まれ、エネルギーによる大爆発が起こる。それが雨花と妖怪との闘いで起こったのだ。
雨花「あぁあ、もう気絶してる。あなたが撤回すべきだった言葉は「さぁトドメだ!」と……」
「「天使共に魂を浄化されて終いだ!」だね。」
「お前体中から血がめっちゃ出てるじゃん!!」
雨花「あはは!……また橙ちゃんに怒られちゃうな。」
「……あんた無茶したね…………」
雨花「約束は果たさないと!」
「よし、じゃあ……」
「「死神組に行きましょう!!!!」」
ここからは、瑠璃人の視点になる。
雨花が血だらけで、死神組の前に現れて、ロープでぐるぐる巻きにされた闘牛?みたいな妖怪がいて、なんと単独で『無法地帯』に潜入し、町をひとつ闇から助け出したと町のリーダーである妖怪の婆さんが言ってた。雨花は一通り説明を終えるとバタりと倒れた。平気そうに振舞っていたが、意識不明の重体で、雫さんが急いで治癒してくれたけど、前の怪我もあったのか中々目を覚まさなかった。橙と桃時は、「目が覚めたら何発か殴る」と意気込んでいる。雨花大変なことしなぁ。まぁあいつらしいか。あいつ「天使」のこと本当に嫌いだもんな。そんな奴らに辛い想いされてる奴がいたらそりゃあ怒るわな。でも!今回は勝手に任務でもなんでもないのに、単独で行った雨花は少し周りを心配させない努力をするべきだと想う!あっそれから雨花が連れてきた闘牛みたいな妖怪に吐かせた情報によると、婆さんたちみたいな妖怪が、まだ残りの三つの町に住んでるみたいでスラム街のようになっているようだ。そして、今回雨花が町長を倒したことで、雨花が狙われる可能性が出てきた。ただでさえ天使のこと倒したりしてるのに、あいつ……大丈夫なんだろうか。
雨花が目を覚ましたら雨花から『無法地帯』の形態を教えて貰って、死神組総出で『無法地帯』で闘いを挑む。
あの婆さんみたいな人を減らすために。
妖怪が人を傷つけないようにするために。
そして────天使が自分たちの行っていることを正答だという思い込みを治すために。
もし、それが出来ないなら……
オレたちは
殺してしまうしかないのだろうか
その答えは
誰にも分からないのだろうか
こうして、雨花と町長との闘いはひとまず幕を下ろした。
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