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???「雨花はこれから妖怪や天使にさらに狙われることになるだろう」???「そうでしょうね……」
ここは、死神組本拠地。雨花が『無法地帯』の町の町長を倒したことで、妖怪と天使に対する対応を考えることになった。
そして今会議が開かれている。「兎白」はその会議のリーダーとして参加していた。「瑠璃人」も参加している。
???「わたしが前に話した通り、『無法地帯』にはあと三つの町があって、その人たちも私が連れてきた妖怪たちと同じように貧困層で暮らしてるよ」
兎白「雨花……怪我は……大丈夫じゃなそうだな」
会議に参加してきたのは、ガーゼに包帯、松葉杖で腕にギブスを付けている。どこからどうみても重傷である。
雨花「いやぁ〜橙ちゃんと桃時ちゃんにごっさ怒られたわ〜めっちゃ恐かった〜あはは!」
瑠璃人「お前少しはこっちの心配する身にもなれよ……」
兎白「お前自分で爆発起こして、それに自分も犠牲になるという前提で爆発を起こしたんだろう?自分を巻き込むんじゃない」
雨花「はいはい〜」
兎白・瑠璃人「…………」
雨花「ひっ……橙ちゃんの同じ目……!本当に気をつけます!!」
兎白「本当に気をつけるのか……?はぁ……」
雨花「まぁその話は良いじゃん!とにかくわたしはもう『無法地帯』の区画覚えたから、後は実際に行って案内するよ!」
瑠璃人「え!?お前連れてくの!?ダメだろ?!あんな危険な場所に連れてくなんて……!」
雨花「でもわたし実際に行かないと説明できないし……」
兎白「……まぁ仕方ない……でも絶対無理するなよ?お前のことは俺たちが守るから」
雨花「…………そんなのいらないけどね」
兎白「いらないわけないだろ。そんな怪我して……」
雨花「……あはは!本当に大丈夫だよ!じゃあ作戦考えなきゃね!」
果たして、雨花たちは『無法地帯』に住んでいる町人を助け、町長と妖怪の長、そして、「堕天」を倒すことができるのか……
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雨花「うぅ……まだ頬が痛い……」
???「当たり前です!私たちの渾身のパンチなんですから!」
???「アタシはもうちょっと力を出したかったわね。」
ここは、橙の家。雨花は頬をかゆかゆと掻いている。「不山橙」は雨花のためにリンゴを剥いている。「桃時」はスマホをみている。
雨花「それ兎白くんがお見舞いとして持ってきてくれたリンゴだよね!美味しそうだなぁ〜!」
桃時「アタシは少し貰っていくわ。最近、少し太ってきたからリンゴとか色々果物入れてミックスジュースにして飲もうと想って」
橙「あなたの一体どこが太ってるんですか!?あなたはもっとお肉を付けた方が良いですよ?」
桃時「だって三kgも太ったのよ?絶対痩せなきゃ」
雨花「自分の体重だし、人によって自分の理想体重は違うから好きにして良いと想うけど、健康に支障の出ないようにね?自分の体大切にして欲しいし!」
橙・桃時「あなた・あんたが言うな」
雨花「え?」
橙「全くもうせっかく少しずつ治ってきたのに、今回の怪我であなた全治一年になりましたよ?」
桃時「全治一年!?確かあんた自分を犠牲にしてまで爆発起こしたんでしょ?何でそんな無茶なことを……!」
雨花「試したかったんだよね。前にさ!化茶が来た時、わたしドアあいつに突き破って壊したじゃん?その時、あいつ妖術を使ってドアから出ようとしてたんだけど、あのドアはかなり経年劣化してたから爆発は起きなかったけど、何か力が疼いているような気配があった。その頃くらいから神通力と妖術は、お互いぶつかり合うと齟齬が生まれて爆発が起こる。ぶつかり合う神通力と妖術の力が強いほど爆発も大規模なものになるし、比率が合えば合うほど一つの爆発の破壊力も強くなる……って想ってたって訳!それを確かめたくてあいつは良い実験材料になったよ〜あはは!」
橙「実験材料……」
桃時「…………」
雨花さんは
雨花は
妖怪に対して味方でもあるような
敵でもあるような
どっちつかずな対応の仕方をする
妖怪にどんな感情を向けているのだろう
雨花「……実験材料っていう言い方が良くなかった?妖怪は神や人間のことを格下だって思ってる者も多い。自分たちの生き方を間違ってるとは想ってない。だからね……」
「「つい、ぐしゃぐしゃにしたくなる」」
雨花はハイライトの消えた暗い瞳で少し悪い顔をして言った。
橙・桃時「!」
雨花「自分たちの生き方を貫いた先に、絶望を置いてやって息もつけなくさせてみたい。あっでもその生き方は羨ましくもあるんだけどね。あはは!」
空気が氷の発する音のようにキシキシと言っている。
橙「で、でも、雨花さんは、妖怪の町を一つ救ったじゃないですか 」
雨花「あの人たちを少しでも助ければ、わたしの大嫌いな「堕天」も悔しがると想ってやっただけ〜自分の自己満足のためにやってるだけだよ〜」
桃時「それでも助けたことに変わりはない。あんたはあんたが思ってるほど悪いやつじゃないわ」
雨花「……本当にそうだと良いのにね」
橙「……さぁ!リンゴ食べましょうか?」
桃時「そうね」
雨花「ねぇうさちゃんの形にして切ってよ!」
桃時「アタシもそれが良いわ!」
橙「はいはい分かりましたからちょっと待って下さいね!結構難しいんですよ?意外と」
橙と桃時は、雨花をみる。せめて今はこの穏やかな時間が変わりませんようにと祈って。