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君と僕のユートピア【奥様は魔女編】

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君と僕のユートピア【奥様は魔女編】

15 - 第十五章 契約は静かに〜映らない青

♥

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2026年02月15日

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第十五章 契約は静かに〜映らない青



翔太📩「うまうまっ」


美味しそうなパスタの写真とともに、見切れた三分の一ほどの翔太の姿が、〝いつもの〟彼を思い起こさせる。

空っぽに平らげた、お皿に残るケチャップの赤が、なんだか不自然だ。


蓮📩「お顔ちゃんと見せてよ?」


翔太📩「そっちだって……早く……会いたい」



・・・



翔太📩「ごめん今のは無し」


〝今時間ある?ビデオ通話する?〟返事を待つより先に掛かってきたビデオ通話。

インカメになっていないのか、翔太の姿は見当たらず、彼らしい天然ぶりにクスッと笑うと〝おーいれーん〟と無人の映像に翔太の可愛い声だけが響いた。

向こうは俺が見えているらしい。


「インカメにしな翔太」


「やってるよ!」


デジタルに弱い翔太……相変わらずで、少しだけ安心した

……可愛いんだが


「真っ暗だぞ〜カメラに手が掛かってるんじゃないの?」


ようやく繋がった気がした。

画面が一瞬明るくなって、翔太が慌てているような気配だけが伝わってくる。


「ずっとインカメだったのに……」


そう言われて、俺は深く考えずに笑った。

何はともあれ、話せている。それでいい。

表情まではよく分からないけど、声が弾んでいた。

画面の向こうで、きっとにっこりと満面の笑みで笑ったんだと思う。

近況報告を交えて話をすると、嬉しそうな声で、へぇー、凄いなー。見てみたいなぁ撮影。などと言って、ファンの子がきゃあきゃあはしゃぐような声に、ついつい笑顔が溢れた。


「元気そうだね」


「翔太も」


顔は確認できないけれど、見えてるフリして答えた。

一拍遅れて〝うん〟と元気よく返事した翔太に少し違和感を感じた。無理しているように聞こえた。

俺の話ばかりを聞いて、翔太はほとんど近況を話さなかった。話すようなことがないのか……話せないのか。


「次またいつ話せる?」


慣れない海外での撮影。スケジュール通りに行かないことがほとんどだ。安易に翔太に約束はできない。

それを察してか


「ごめん今のも無し」


そう言った翔太の顔はきっと、涙を堪えて、悲しい表情をしている……そんな気がした。

現地スタッフに呼ばれて、別れを告げると〝さようなら〟と言った翔太のことが気になって仕方がなかった。

胸に引っ掛かった小さな小骨を、取り除く方法も、気休めの優しさも言えない俺は、目の前の現実を言い訳にして、少しの違和感に蓋をした。



翔太 side

瞼を閉じた。

蓮の声。優しい笑顔。翔太と呼んだ唇。

そのどれも忘れないように、脳裏に焼き付ける。

自然と流れた涙はご愛嬌。

いつだって泣き虫だから……

「早く会いたい」だなんて、蓮を困らせる言葉を、放ってしまい、咄嗟に繕った取り消しの呪文は、効かなかった。

握りしめたスマホを覗き込む。カメラに映し出されたのは暗闇で、俺の顔は映っていない。

壊れた……?

スマホをテーブルの上に伏せた。

明日、康二に聞いてみるか……こういうのは苦手だ。

――食欲がない。

ゴミ箱に捨てられたナポリタン。

真っ赤に色づいた、真っ白なお皿…

溜まった洗い物。


「ごめんね君達は悪くないんだ」


肩を震わせ泣いた夜。また今夜も隅っこ暮らし――

床に腰を下ろすと、右手に冷たい硬い物が触れた。

恐る恐る握りしめたその感触に覚えがあった。

蓮の指輪だった――

不思議と怖くなかった。

少しだけ大きな蓮の指輪は俺の中指にピッタリ嵌った。

月夜に照らしてみた。

お揃いの指輪のはずなのに、俺の指輪は蓮のものほど光放ってはいない。

最初から分かっていたのかもしれない。

夢じゃないって。

匂いに、温もり、触れられた感触。

そのどれも俺は知っている。


「とうとう本当に……魔女になっちゃった」


――なんてね――――


会いに行ける魔法なら、好きに行かせてくれよ、なんて悪態をつきながら、自由にとはいかないこの変な魔法を、すんなり受け入れた。


蓮に会えるならどんな代償だって


厭わない――


だって


会いたいし


愛してる


君と僕のユートピア【奥様は魔女編】

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コメント

6

ユーザー
ユーザー

なんで、映らないんだろう😱😱声は聞こえるのに😶‍🌫️😶‍🌫️

ユーザー

すんごく真剣に読んでたけど、途中のすみっこぐらし、でつい、クスッと笑っちゃった。可愛いなあ、しょっぴー、本当に可愛い💙

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