相良「?…(何で…??)」
何で俺は、久我の家に呼ばれたんだろうか。
一室のベッドに腰掛けながら、相良は思った。
久我「すみません、殺風景な部屋で」
相良「いや…別にいいけど」
色々と用を済ませ、久我が戻って来た。同じように相良の隣に腰掛ける。
相良「何で、俺をここに呼んだんだ?」
久我「ここなら、俺と貴方しかいませんから」
相良は後悔した。自分の舎弟に、しかも想い人にこんなに気を遣わせてしまったから。
後先がなくなって、相良は全てを話すことにした。
相良「俺な…ずっと前からお前のことが好きだったんだよ。…恥ずかしいけど、お前が色んなことに一生懸命になってるところとか、誰にでも優しく接してるところとか色々見てきて…気付いたら好きになってた」
久我「!!…」
涙が溢れそうになって、相良は思わず下を向いた。
相良「でも、お前にはもう一条の兄貴がいる。だから今更、俺を好きになってほしいとか、付き合ってほしいとか思ってるわけじゃねぇ。
…ただ」
顔を上げて、悲しそうな顔で久我を見つめた。
相良「最後に…一個だけ我儘聞いて」
久我「?…何でしょう…?」
久我がそう言うと、相良はまた下を向いた。
相良「先刻も言ったように…お前にはもう一条の兄貴がいる。だから俺も…早々に身を引こうと思ってた。…でも、そうしようとすればするほど、思いが強くなってくんだ。忘れようって思う度に、俺の体がお前を求めてる。…何度も、駄目だって言ってるのに…!」
両手で肩を抱くようにして、相良は声を震わせた。そんな様子を見て、久我は心配そうに言った。
久我「さ、相良の兄貴、無理しないで…結論だけ話してくれれば大丈夫ですから」
相良「…だから…お願いだ。今日だけでいいから、俺を抱いてほしい」
久我「!!…」
久我が驚いたような表情を見せる。
どうすればいいか分からない。どっちを選んでも、結局どちらかを傷付ける結果になるのだから。
久我「で、でも…そんな」
相良「本当に!…本当に、今日だけって約束するから…だから…!」
顔を上げて、久我を見つめる。その顔は一層悲しそうで、目には涙が溜まっていた。
その顔には到底、久我が逆らえるはずもなかった。
久我「…分かりました」
相良「んっ…!!久我…」
久我「痛くないですか?兄貴…」
久我のモノが少しずつ相良のナカに入っていく。相良の身体を気遣っているのか、妙にゆっくりだ。
相良「は…ぁっ…」
久我「っ!…」
初めのうちは久我も兄貴分の身体に負荷がかからないようにと、注意を払って行為していた。けれど、相良のあまりに綺麗な肌に、その首筋に触れる度に、欲情が増していく。
久我「すみません…っ…もう少しだけ、強くしてもいいですか…!!」
相良「…うん」
相良の返事を確認すると、久我はそのまま奥を一思いに突いた。
相良「あ”ぁっ!//久我…久我ぁっ…!!」
久我「俺は、ここにいますから…!!『相良さん』っ!!」
相良「や”…あ、あ”っ//!ん”っっ、あぁっんんっ//!!」
あれだけ自分で望んだことだが、今こんなに情けない声を久我に聞かれるのだけは嫌だった。
相良は声を堪えるため、反射的に布団を噛もうとした。
久我「!…ちょっと…!!」
相良「あっ…!」
後ろからグイッと手を引っ張られ、噛み損なってしまった。
久我「勿体無いですよ…そんなに可愛い声を隠そうとするなんて」
相良「く…!うぅっ…」
耳元で囁かれ、思わず肩が跳ね上がる。
久我「もっと、よがってもらわないと…っ!」
相良「あ…、はぁぁっ…!!//」
奥を激しく突かれる度に、あまりの快感で目が眩む。
相良「久我っ//も…イキそう…っ!!」
久我「駄目ですよ…俺がイくまで、我慢して下さいっ!」
相良「や、ぁぁっ//あ、駄目っ…!!//」
久我「…!!」
相良「あっあぁっ//!や…!!あっ、はぁんっ//!!」
久我「あ…っ(気持ちいい…もう、イキそう…っ!!)」
相良「や…嫌っ…!//もう、無理っ//!」
久我「っ…、俺も、です…っ!」
相良「く…あ、あ”ぁぁぁっ!!
…はぁっ、あ…んん……っはぁ、っはぁ…」
久我「はぁ……はぁ……」
相良「…久我…」
久我「!…はい」
息を切らしている久我に向かって、相良は言った。
相良「ありがとう…約束、守るからな…」
その言葉が、久我に届いたのかどうかは分からない。
相良の意識はそのまま闇へと落ちた。
相良「…!」
朝になり、相良は目を覚ました。身体を起こしたその隣に、もう久我の姿はなかった。
相良「…ありがとうなぁ…」
その言葉と共に、相良の目から涙が零れる。その雫は、朝日の光で一瞬キラキラと輝くと、白い布団に灰色のしみを付けた。
コメント
6件
マジでありがとうございました!!!!!!
( 'ᵕ' )Good
切ないですが、、最高でした!