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狸宮はじめ
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第16話 届いていた想い
前日、私はMAちゃんと一緒にうちわを作っていた。
もうすぐ大本命のライブがある。
その準備をしながら、推しの話をたくさんしていた。
そして翌日。
この日もイベントがあった。
本来は屋外で行われる予定だったフリーライブ。
だけど雨予報のため、急遽ライブハウスでの開催に変更になった。
ライブハウスでのイベントはこれで二回目。
少しずつ慣れてきたとはいえ、まだ新鮮だった。
会場にはたくさんの人がいた。
女性アイドルの出演も多かったこともあり、客席は普段とは少し違う雰囲気だった。
前の方が見えなくなることもあった。
それでも、あの女の子は何度も目線を送ってくれた。
人がたくさんいても。
少し離れていても。
ちゃんとこちらを見てくれている気がした。
特典会でそのことを伝えてみた。
すると彼女は笑いながら言った。
「目線送っても気付いてくれる人少ないから、気付いてくれるの嬉しい。」
その言葉が本当に嬉しかった。
私が嬉しかったことを伝えたら、相手も嬉しいと言ってくれた。
そんなことがあるんだと思った。
そして二部はサイレントラプソディだけのステージ。
ライブが始まる。
この日はいつもあまり披露しないバラード曲も歌っていた。
会場の空気が少しずつ変わっていく。
感動的な雰囲気に包まれていく。
隣を見ると、MAちゃんは涙を流していた。
その姿を見ていたら、私まで泣きそうになってしまった。
音楽には人の心を動かす力があるんだなと改めて感じた。
ライブの後は特典会。
この日は後ろ向きで並ぶポーズの写真を撮った。
そして話している時だった。
隼也くんがふと言った。
「身長差の投稿見たよ。」
一瞬、驚いた。
SNSでメンションした投稿。
いいねが付いていたから見てくれていることは知っていた。
それでも直接言われると全然違う。
ちゃんと届いていたんだ。
そう思うと嬉しかった。
さらに偶然、モバイルバッテリーが色違いのおそろいだということも判明した。
そんな小さな出来事まで嬉しく感じてしまう。
振り返ってみれば、この日は嬉しいことばかりだった。
目線が届いていたこと。
投稿が届いていたこと。
応援している気持ちが少しだけ伝わっていたこと。
そんなことを感じられた一日だった。
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読んでいただきありがとうございます!
応援しているつもりだったけれど、この日は自分の気持ちがちゃんと届いていたことを知れた一日でした。
小さな出来事ひとつひとつが、とても嬉しく感じられた思い出です。
そして次回も、新しい思い出のお話が続いていきます。
第17話へ続く。
コメント
1件
うわぁ…16話、めっちゃ尊かったです🥺💕 「目線気付いてくれるの嬉しい」って直接言ってもらえるの、推し活やってる身としてはもう最高の瞬間ですよね…!MAちゃんが涙してる横で自分も泣きそうになる気持ち、すごく分かります。隼也くんが投稿見てたって言ってくれたシーン、心がぎゅってなりました。ちゃんと届いてたんだ…って思えるの、本当に幸せなことだと思います🤍🌙