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VDC選抜メンバーに選ばれなかったけどオンボロ寮で合宿を行うと聞いて皆の近くで応援出来る嬉しさと
「皆が泊まれる部屋見繕わなきゃ」
エースとデュースが泊まりに来るのではないトップモデルのヴィル先輩に大富豪の息子のカリム先輩といった決して特別な事がなければオンボロ寮の敷地に足を踏み入れることが無いメンツばかりである
腐って床が抜ける部屋なんて宛てがったらグリムを置いて自分は朝日を拝めない…なんて自体になりかねない
泊まりに来る初日までゴースト達とこの部屋が良いか?あの部屋が良いか?なんて相談を徹夜でした
「部屋早いもんがちなーーーー!!」
合宿初日に部屋割りの紙を出そうとした瞬間エースが言った一言に飛び出しては
「一番でかい部屋取る気だろ!!」とデュースが飛び出し「なんだなんだ?面白そうだな!」とカリム先輩も飛び出してはソレを当然のように追いかけるジャミル先輩がオンボロ寮内を我先にと部屋を物色しに行ってしまった
「部屋割り…したのに」「あ……ごめんね監督生君」「まったく遊びで来てるんじゃないのに。…アタシも自分の部屋は自分で決めるから」「お邪魔させてもらうよ。最上階の部屋が空いていればいいけれど」膝をつく自分にエペル君が慰めてくれるがヴィル先輩もヴィル先輩の荷物を持っているルーク先輩も入っていってしまう
「多分住める場所を皆上手く見つけるよ」「それなら良いんだけど」
ため息を吐いても止められる事は難しくエペル君に案内しようと寮内に足を入れた
「うわーーーー!!めっちゃレアもんじゃん!!」エースの声が聞こえてはそちらに足を進めてはある部屋からエースの声が聞こえた入ってみればエースは両手にカウボーイの人形を手にしている
「監督生!この人形どこで手に入れたんだよ!」「え?元からこの部屋にあったかな」「はぁ?前の部屋の持ち主の忘れ物とか?いやいや有り得ないでしょ。この人形今すっごいレアだし」「何騒いでるんだ?」
騒ぎを聞きつけたデュースが部屋に入ってきては目を輝かせる「懐かしいな!僕この宇宙飛行士の人形持ってた!」床に転がっている宇宙飛行士の人形を拾い上げては懐かしそうに見つめている「てかこの部屋おもちゃ多くね?まさか遊んでたり?」エースがニヤニヤとしながら言ってくる。
そうこの部屋はおもちゃ箱と呼んでいるぐらいにおもちゃが多いカウボーイの人形、宇宙飛行士の人形を始め恐竜の人形や目や鼻、各パーツが取れる人形に豚の貯金箱、着せ替え人形や胴体がバネになっている犬のおもちゃピンクのくまのぬいぐるみや羊飼い風の女の子が添えられているランプラジコンカーにマトリョーシカ他にもたくさんのおもちゃがある
「住む前からあるんだ。ここだけの話この部屋のおもちゃ動くんだよ」「え?ゴーストのイタズラでか?」少し驚きながらデュースが問いかけてくる
「以前住んでいた人が自分たちの代でオンボロ寮は人がいなくなるからって卒業の時にその人たちのユニーク魔法が掛かってるんだって。でこの部屋はおもちゃが自由に動けるユニーク魔法が掛かってるらしいよ」「らしい…って実際見たことないの?」「恥ずかしいのか分かんないけど見たことないなぁ。グリムは何回か見たことあるみたい」「最初はゴースト達のせいかと思って追い掛け回したりしちまったんだぞ」グリムが申し訳なさそうに言っている事に頭を撫でてやる
「わぁ!懐かしい!」騒ぎを聞きつけたのかエペル君が部屋に来れば目を輝かせピンクのクマのぬいぐるみに駆け寄っては抱きしめる「こればぁちゃんの家にあったんだ。行く度にだっこしてた」ぎゅうと抱きしめる姿に本当に男子高校生かと疑いたくなってしまった「僕この部屋でも良いかな?」「え?あぁ良いよ。エースじゃ何か取りそうだし」「俺でもダチのもんオークションに出したりしねぇし」
そっぽを向いては自分の部屋探しを再開し出すエースとデュースの後を歩けば
「見ろよ!ジャミル!海の中だ!」
はしゃぐカリム先輩の声が聞こえてはそちらにエースたちと足を運ぶ
部屋を覗けば壁一面が珊瑚礁の海の中が反映されている部屋色んな魚がゆったりと泳いでいる姿
「凄いな…リアルタイムで反映されているのか?あぁ上に魔法具があるみたいだな」感心したように壁を触っているジャミル先輩と魚をキラキラとした目で見ているカリム先輩「はーすっご。水族館みたいじゃん。これも前に住んでた人の趣味?」「みたいだよ。結構お気に入りなんだ」
「おっなぁジャミルこれカクレクマノミってだっけ?親子で泳いでて可愛いなぁ」「壁一面事に違う海みたいだな。海亀が近づいてきてるな」「あっ!監督生俺達この部屋でも良いか!?見てて飽きないし海も俺達あんまり見たことないから凄い楽しいな!」
「ふなっ!?俺達のお楽しみ部屋の一つなんだぞ!」「グリム一生じゃないんだから。大丈夫ですよ」「助かるよ。こらカリムベッドから降りろ。どこからか俺用のベッドを持ってこないとな」
ベッドの配置を考えながらも「こっちならばこの海が見れるのか」と呟いてるジャミル先輩もお気に召したようでホッとした
[newpage]部屋を出れば階段を下りてくるルーク先輩にもう部屋が決まったのかと驚いてしまった「もう決まったんですか?!」「あぁ!とても良い展望台を私の仮宿にさせてもらったよ!」「えぇ?!俺たちにもちょっと見せてください!」
早い者勝ちと言ったのは誰なのか、もうおもしろ部屋探検になってしまっている「あぁいいとも!でも残念だが気に入っても変えることは遠慮願いたいね」
意気揚々と階段を上がっていく最上階には部屋が一つしかない扉を開いてエースが真っ先に入っていく「くっ熊!?!?」エースの声にビクリとしてはデュースも部屋へと入るその部屋には大きな熊の剥製が大きな前足を広げ立っていた周りはとある国の文化財のようなタペストリーや武器が置いてあるゴーストからはある国の唯一の出身者で変身薬作りが上手かった人と聞いている
「きっと以前住んでいた人も私と趣味があったのかもしれないよ。熊狩りが趣味の様だ」剥製や床の絨毯、木彫りの熊に熊だらけの部屋。熊狩りよりも熊が好きなのかと思うけれど「凄いな…こんな部屋もあるだなんて」「いろんな人がいたみたいだよ」
「うわっ!なら早く部屋決めないと!」良い部屋は早く埋まってしまうと焦り始めた二人が足早に階段を下りていく「この部屋は本当に見晴らしが良いね。一国の王が国を統治し見渡せる様だよ」ルーク先輩は窓を開けては目を細めては嬉しそうに微笑んでいる「ここ狩りは一応禁止ですからね」「ウィ。心掛けるよ」
エースとデュースを追いかけては扉が空いている部屋が見えては足を止めては
「ちょうど良かった。この部屋借りても良いかしら?」部屋を見定めていたヴィル先輩に声を掛けられ部屋に入る
ヴィル先輩がいたのは壁には幾つもの窪みに火のついていないロウソクが置かれマリーゴールドの花びらが絨毯の様に散っては壁に一筋の道のようになっている
「あっこの部屋…はい大丈夫です。10月じゃなくて良かった」「あら時期によってはダメなの?」「ゴースト達からこの部屋はハロウィンの時にゴースト達の通り道になるみたいなんです。この部屋が一番死者の国とこちらの国の境目が薄くなるとかで」
10月この部屋は一人でにロウソクが灯り花びらが光っているのを思い出す最初はグリムと共にビックリして花びらを燃やそうかとした時にゴースト達に「俺達の道しるべなんだ!やめてくれ!!」と泣きながら懇願された
ゴーストたちが戻ってくるのは宗教等で色んな方法がありその一つみたいだ
「あぁあの国の…今に影響がないならアタシは良いわ。此処が一番まともみたいだし」壁に目を向けるヴィル先輩を見ては同じように見上げる
「この部屋の前の人は結構音楽や舞台が好きなのね。歴代の凄腕のトップスター達のスナップ写真を壁に、しかも額縁に飾ってあるわ」
この世界の有名人を知らなかったがこの写真の人たちは俳優さんだったのかと初めて知ったと呟けば信じられないモノを見る目でヴィル先輩に見られてしまった
[newpage]部屋を出れば一番端っこの部屋を見ているエース達を見つけて駆け寄る
「あーこの部屋は…」「監督生!この部屋は是非僕に譲ってくれ!!!」壁一面に車の写真やマジカルホイールの優勝トロフィーが飾られている部屋元からデュースが気に入るだろうと割り振っていた部屋だった
「ぜーったい言うと思った。こういうの大好きだよなホント」呆れたように言っているエースは元から譲ってあげる気のようだ
「過去の大会のスナップ写真やらビデオまであるじゃないか!!あぁこの部屋にいた人と話が出来たら」キラキラと本棚からアルバムみたいのを取り出しながらゆっとりと呟くデュース車は分かるがマジカルホイールは分からないが昔からレースがあるとなれば歴史が長いんだなぁって感覚だったが好きな人にはやはり堪らないみたいだ
「興奮しすぎて本来の目的忘れんなよ?」「むっ当たり前だ!!練習が支障が出ないようにする!」「はいはい。ってもしかしてあと俺だけ?」
皆部屋が決まっていって気づけば決まっていないのはエースだけだ
「残り物には福があるよ」「監督生の国のコトワザみたいなの?期待しよっかな〜」
廊下を歩きながらつまらなさそうに部屋を覗きまわるエースが足を止めその背中に当たってしまう
「いたたどしたの?」「何この部屋?クローゼットにテーブルと椅子だけ?」
エースが入った部屋はクローゼットとテーブルと椅子だけのシンプルな部屋
「この部屋はダメ」「此処はモンスターが出るんだゾ!」「グリムの部屋?てかモンスターがモンスターにビビるのかよ」
ケラケラと笑いながらグリムを見るエースは信じていないようだ「クローゼットにいるんだよモンスターがさ」「はいはい。どうせ夜遅くまで起きてたらクローゼットからモンスターが出てくる~って話でしょ?小さい頃から聞いてるけど嘘でしょあれ」
この国では有名な話みたいだ「ほんとに毛むくじゃらや一つ目玉のモンスターが現れるんだゾ!」「わかったわかった。グリムちゃんは怖くてオネショしちゃったとか?」「俺様オネショなんかしてねぇんだゾ!」
うん、してないけどビビってベッドに全速力で入ってきて自分の股間に激突してお互い痛い思いしたねグリム
「此処は眠れない時とかにいたいんだ。ごめんね」「あっ面白い部屋だから泊まらせたくないんだろ?決めた!俺ここにするわ!」
まるでおもちゃを見つけた子供みたいだ。プリプリ怒るグリムはクローゼットに近づいては「エースがビビるようなモンスターが来ますように!なんだゾ!」ととんでもない事を祈っていた
[newpage]合宿が何日か過ぎ毎日ヘトヘトになってベッドに倒れこむ日々グリムが言っていたモンスターも来ないし何の変哲も無い部屋に溜息をついたこれなら部屋には最初に入った人の今の心境を反映する部屋にでもすれば良かったと後悔した今更部屋替えなんて出来ないしさっさと寝ちまおうと目を瞑る数時間して何かがいる違和感に目を覚ます。ゴーストかと思えばいいのに何故か背筋がゾワゾワとするカタンっと何かが触れる音にビクッと身体が反射しサッと何かが動いた気がしてマジカルペンを手にしようとベッドを降りようとした時だった
ガタンッと大きくベッドが揺れた。ゴーストじゃないナニカがベッドの下にいる
「grrr,Grrrrrrrr!!!!!!」「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ベッドが持ち上がって現れたそれは月光でシルエットしか見えないが俺より遥かにデカく角があってグリムが言ったように毛むくじゃらのモンスターだった俺はそのまま気を失い、翌朝グリムと監督生に泣きながら部屋を変えてもらう様に頼み込んだ
END
「ふふん!エースのあのビビった顔最高だったんだゾ」「ヴィル先輩に頼んで消音魔法掛けてもらえて良かったね」「この貸しは高いわよ?で…あれは一体なんだったの?」「モンスターですよ。普段は笑わしたり悩みを聞いてくれる優しいモンスターさん達です」