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白川の敵は「無音」だった。無音は音を消し去る術式を操ることで、敵の攻撃を無効化し、隙をついて攻撃を繰り出す恐ろしい存在だった。その姿は静寂に包まれる。
「お前が…無音か。」白川が冷ややかに敵を見つめた。
無音は無言のまま、白川を見据えた。周囲には何の音も響かず、世界から音そのものが消し去られたかのようだった。
「私の術式でお前を倒す…」白川は静かに語る。「そして、これが私の全回復した力の証だ。」
白川は自らの術式「無限拡散」をさらに強化し、その範囲と威力を劇的に拡大していた。無限拡散は、無数の呪力の波を放出し、敵を四方八方から包囲して攻撃する術式であり、敵には逃げ場がない。
「だが、このままではお前の無音の術式には勝てないだろう…」白川は思案しながら、術式の改造に着手していた。
無音の術式は、音と振動を消し去ることで、攻撃を無力化する特性を持っていた。しかし、白川は特性を逆手に取ることを考えた。彼の「無限拡散」に新たな要素を組み込み、音そのものを消し去ることで、無音の術式を無効化する作戦に出た。
「俺の新しい術式…無限拡散・零音。」白川の声が低く響いた。
改造により、白川の攻撃は音や振動を全て取り除いた。これにより、無音の術式は逆に無力化され、その特性を失ってしまう。
無音が一瞬の隙を見せたその瞬間、無限拡散が放たれた。改造された術式は、無音を包囲し、呪力の波が彼を瞬時に襲った。
「…無駄だ。」無音が呟いたが、その声も無に帰していた。
白川の術式が決まった。無音は自らの術式を打ち破られ、呪力に押しつぶされる形で倒れていった。
「これで終わりだ。」白川は冷ややかに言い放ち、倒れた無音の姿を一瞥した。
無音はもはや動くことなく、そのまま静寂の中で消えていった。白川は無音を瞬時に倒し、自らの術式の力を証明した。
無音を倒したことで、白川は自身の力を広げた。しかし、彼は満足していなかった。
無限拡散・零音は確かに強力だったが、彼の中にはさらに高みを目指す欲望が残っていた。
「これで終わりではない…まだ、強くなれる。」白川は独りごちた。
その言葉には、進化を求める意思が込められていた。彼は自身をさらに高め、呪詛の王と幹部たちとの最終決戦に備えていた。