その日の夕焼けの約束が、二人の関係に一つの特別な意味を加えた。それから数日が経ち、学校でも仲の良さは変わらずだったけれど、どこか照れくさそうな雰囲気が漂っている。友達にも何となく「二人、最近いい感じだよね」と噂されるようになり、イレブンは少し照れながらも内心で喜びを感じていた。
放課後、セーニャが少し恥ずかしそうにイレブンに声をかけた。「イレブンくん、ちょっとお話があるんですが…放課後に、いつもの場所で待っていていただけますか?」
いつもの場所とは、二人がよく秘密の話をする校庭の裏手にあるベンチだ。イレブンはドキドキしながら頷き、授業が終わるとその場所でセーニャを待っていた。
セーニャが現れると、彼女は少し緊張した表情で、カバンから小さな封筒を取り出した。「これ…よかったら読んでいただけませんか?」
イレブンは不思議そうにその封筒を受け取った。表には、丁寧な字で「イレブンくんへ」と書かれている。手紙の中身が気になるけれど、セーニャの前で読むのも何だか照れくさくて、イレブンはそっとその場でポケットにしまった。
「ありがとう、セーニャ。でも…どうしてわざわざ手紙なんて?」
「ええと…あの、言葉にするのが少し恥ずかしかったものですから。」セーニャは恥ずかしそうに目を伏せた。
「そっか、わかったよ。帰ったらじっくり読むね。」イレブンが優しく微笑むと、セーニャも安心したようにほっと息をついた。
その夜、イレブンは部屋でセーニャからの手紙を開けた。中には、彼女の素直な気持ちが丁寧な言葉で綴られていた。
「イレブンくんへ
いつもそばにいてくれて、ありがとうございます。イレブンくんがいると、どんなときも不思議と安心できて、心が温かくなるのを感じます。先日の約束、私はとても嬉しかったです。そして、これからもずっと一緒にいたいと心から思っています。
あなたがそばにいてくれることで、私は強くなれる気がします。これからも、どうぞよろしくお願いします。
セーニャより」
その手紙を読み終わったイレブンは、胸がいっぱいになり、思わず微笑んでしまった。「これからも一緒に…」というセーニャの言葉が心の中で何度も響いた。
「僕も、ずっと君のそばにいたいよ。」イレブンはそうつぶやきながら、セーニャとの未来に思いを馳せた。
二人の新たな物語が、また一歩進み始めた。