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教室内が響めき、不安と興奮の声で埋まる。
「まだ初めての授業なのに!?」
「…でも ここで早くから成果を上げれば成績を…。」
「変人って噂は本当だったんだ……。」
「__ねえレイ。大丈夫だよね…?」
「…低ランクなら危険は少ないと思う…多分ね。」
__そうリーニエの懐疑に答えてはみるが、私はダンジョンに対して まだ恐怖が消え去ってはいない。
それ以前に まだ発展的な戦術を習っていないのに、ダンジョンに潜るなど 自殺行為も同然だ。
「心配ならありませんよ。各グループに、一体ずつ形代を追尾させます。
もし生徒に危険が及ぶようなことがあれば、すぐ私達 教師が助けにいくので。」
アークトゥルス学園の教師は 王国の宮廷魔術師にもひけを取らない実力を持つ。
低ランクのダンジョンなら、単独攻略も訳ないことだろう。
生徒からしても、早くから実戦に触れておくのは、成長の面でも成績の面でもプラスになる。
「__頼もしいけど、ちょっと不安だなぁ…。」
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通常の冒険者のパーティでは、
アタッカー 2人(剣士、魔術師)
タンク 1人(盾役)
ヒーラー 1人(回復士)
サポーター 1人(バフ要員)
からなる5人編成が一般的だ。
中ランク〜の敵の場合は、サポーターに、バフ要員に加えてデバフ要員が参加する場合もある。
魔術は、種類によって属性が異なる。
一般的な
炎、水、氷、地、風、の5大属性に加え、
特殊属性として
光、闇、が存在する。
どんな人でも生まれつき適性が存在し、
適性のある魔術は、他の魔術より高レベルに行使できる。
それぞれの適性は1〜5の数値で表される。
が、あくまで適性は示標であり、適性がない属性の魔術も行使はできる。(特殊属性は除く)
魔術師や剣士、サポーターの場合は、どの属性でもなることができるが、
ヒーラーの場合、回復魔法の光属性に適性のある人間でないと、高レベルな回復魔術は行使できない。
光適性はパーティの必需性に対して持つものが極端に少なく、たとえ実力がなくても光適性があれば需要が高い。
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「先生!」
隣に座っていたリーニエが手を挙げる。
「どうした?質問か?」
「あの…先生は4人パーティを作れと仰りましたが、ダンジョン攻略の編成は5人が基盤なのではないのですか?」
「あー…。そうだな。
今回のダンジョン攻略は、生徒のみのパーティ。
攻撃はまだしも、防御に関しては危険が多いため、タンクの枠を設けることができない。
デバフに関する魔術の授業は3年からだし、
ヒーラーの扱う光魔術に関しては、そもそも適正者が少ないでしょ?
そのため 今回の、4人パーティの構成は 必然的に、
アタッカー 2人(剣士、魔術師)
サポーター 1人(バフ要員)
自由枠 1人(ヒーラー、サポーターなど)
となる。
…ややバランスの悪い構成だが、低ランクダンジョンなら危険は大きくない。いざとなれば俺達教師もついていますしね。
__僕は少し席を外すので、パーティはちゃっちゃと決めといて。」
「ガチャ」
「あの先生…ほんと適当だなぁ…」
リーニエが呆けたように言う。
「__まぁ、頑張ろうね。」
「…リーニエと私が組むとして、あと2人か。」