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「ああ 落ちたのか。」
そういえば今回の探索では、濃霧により視界が悪くなると注意 があったっけ。
リーダーの話はしっかり 耳に入れているつもりだったのだが認識を改める必要がありそうだ。
「…それにしても」
低く見積もっても崖の高さは40mを優に超えている。
あの高さから落ちて体の痛み程度で済んでいるのはこの蔦のおかげだろうか。 さっきは、蔦のせいで 芳しくない状況を 突きつけられたが、どうやらこの蔦がなければ 命を落としていたかもしれない。
…さて どうやって上に上がろうか。上に上がる手段があるとすれば 崖を登るか 崖の上へと続く道を探すことだろうが、あいにく 40m もある 壁を登れるほど体を鍛えてはいない。
かといって崖の上へと続く道を探すにしても 40mの 崖の上へと続く道などそう都合よくあるものではない。
よく考えたら簡単に降りれるような崖であれば 探索 規定外 の地などにはならないはずだ。
考えていても仕方がない。どっちにしろ上に上がれないというのであれば日没までここを探索しようか。
歩いていれば何か 解決策が浮かぶ かもしれないし、新種の生物なども見れるかもしれない。現に私が落ちた 蔦でさえ、新種であろうものだった。
地面に降りてみると 意外と 足場が悪くないことに気がついた。探索規定外の地だと知った時は探索できるような地面ではないと思っていたのだけど。
「!」
10分ほど足を進めていると、木々の隙間から石板の一部のようなものが見えた。
建造物だろうか。もしかしたら、探窟隊の仮拠点かもしれない。助かるかも…。
早足でそれに近づき その全貌を目の当たりにした。
「…何これ」
結果から言うと期待は外れた。
拠点の建造物だと思っていた石板は
巨大な古代遺跡の一部だった。