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「…何これ」

遺跡…?だろうか。恐ろしく巨きい。

私の通うアークトゥルス学園を容易に包括出来るほどだろう。…あれでも王国最大の魔術学園なのだが。

助かるという期待を裏切られた感情より、その建造物の威容への感動の方が大きかった。

遺跡の石板には苔が生えついていて、石より苔の方が多くの面積を占めている。

中心部には半球状の建造物が建っており、それの同心円状、半球を何層にも囲むように色々な建物が並べられている。

祭壇にしては奇異な形状だ。言葉には表せない異様さを感じる。

何百年、いや、何千年前に作られたものだろうか。

圧巻だ。何か高位の神を祀るものだろうか。あるいは神話上の邪神を。

そう思わせるだけの威格が、それにはあった。


一部を除き、祭壇や遺跡は何かを外の事象から守るために創造される。宝や遺物、魔生物、天使や神。

建造物自体の罠や形状は、外敵をそれに触れされないために作るものだ。中には、外敵を駆除するための魔生物を生み出すものもある。

(大きく分けて、塔型、地下層型、地上遺跡型の3つ)

それが「ダンジョン」である。


「…でも」

これほど巨大な遺跡、明らかに”イレギュラー”。

『祭壇や遺跡は何かを外の事象から守るために創造される』

ダンジョンは守るものによって、形状を変える。

真珠の遺物を守るダンジョンなら、海を象ったダンジョンに、ダンジョン内には水が生まれ、生まれる魔生物も水生系となる。


ダンジョンの形が守る物の”性質”だとしたら、

半球を抑え込むように囲うこの異様なダンジョンは、”何”を守っているのだろうか。


体が震えた。


危険なのは分かっていた。せっかく助かった命を、また危険に晒すかもしれない。

助けを待って、学園に戻ってからでもいい。

仲間と合流して 出来る限りの 準備をしてから。


気分の高揚とは裏腹に、震えが止まる。

体が言うことを聞かなかった。



少女は前に進んだ。

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