テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜ーー
部屋の鍵が閉まる音。
💙(今しかない…)
渡辺はそっとドアノブに手をかける。
——やはり開かない。
窓へ走る。
カーテンを開ける。
高層階。
逃げ道はない。
💙「くそ……」
部屋を見渡す。
テーブルの上に、俺のスマホが置いてある。
💙「……?」
ネットニュースをタップする。
《〇〇企業 社員行方不明》
💙「……は?」
そこには俺の名前。
「社内機密情報に関与か」
「不正データ持ち出しの可能性」
💙「……これって」
スクロールする。
《裏組織との資金流出問題》
《関係者の口封じか》
手が震える。
💙「……!!」
思い出す。
俺は、たしかに見た。
深夜、会社に忘れ物を取りに戻ったときだった。
デスクのパソコンに、不自然なUSBが差し込まれていた。
胸騒ぎがして、俺はそっと中身を確認した。
そこにあったのは――
明らかにおかしな送金記録
そのとき――物音がした。
俺は反射的にUSBを抜き、急いで会社を後にした。
そして、その日の夜の記憶がない。
💙「まさか……」
その瞬間——
背後から声。
🖤「言ったでしょ」
ゆっくり振り向く。
🖤「君は今、危険な状況なんだよ」
💙「……まじかよ」
🖤「君は偶然見ちゃいけないものを見た」
💙「それだけで誘拐!?」
🖤「誘拐じゃない」
目が鋭くなる。
🖤「これは保護だ」
💙「保護?手錠かけたくせに?」
🖤「……最初は信用されないと思ったから」
💙「最低だな」
🖤「自覚してる」
💙「なんで……俺を守るんだ」
🖤「……」
目黒は一瞬、視線を逸らす。
🖤「放っておけなかった」
💙「は?」
🖤「それ以上は、まだ言えない」
💙「何なんだよ、お前……」
🖤「君が思ってるより、状況は悪い」
🖤「外に出たら」
🖤「本当に消される」
低い声。
冗談じゃない。
💙「……」
🖤「ここにいれば俺が守る」
💙「信用できるかよ」
🖤「じゃあ逃げる?」
一歩近づく。
🖤「俺は止めないよ」
💙「……」
心臓がうるさい。
怖い。
でも——
なぜか、
この人が嘘をついているようには見えない。
🖤「どうする?」
💙「……」
拳を握る。
💙「……全部話せ」
目黒の口元が、わずかに緩んだ。
🖤「やっと、聞く気になった?」
——つづく。