テラーノベル
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静かな部屋。
テーブル越しに向き合う二人。
🖤「君が見たUSBの中身」
🖤「海外送金のデータ、気づいたでしょ」
💙「ああ…」
💙「確かにあれは、不自然だった」
💙「前々からこの会社…怪しいと思ってたんだ…」
🖤「あれは裏組織への資金」
空気が重くなる。
💙「……ドラマかよ」
🖤「現実だ」
💙「じゃあお前は何者なんだよ」
目黒は視線を落とす。
🖤「元・そっち側」
💙「は?」
🖤「俺は情報屋だ…」
💙「……犯罪者じゃん」
🖤「否定はしない」
💙「なんで裏切った?」
🖤「君が標的になったから」
💙「意味わかんねぇ」
🖤「君は“見ただけ”だ」
🖤「それで消されるのはおかしい」
💙「でも俺…そのUSBを…」
🖤「今は俺が持っている」
🖤「俺がなんとかする」
男は一歩近づく。
💙「……おい近い」
🖤「前から君のことは知っていた」
💙「は?」
🖤「同じビル、同じ時間帯」
🖤「エレベーターで何度も君と会っていた」
💙「……」
💙「全然気づかなかった」
🖤「知ってる」
少し笑う。
💙「だから守るって?」
🖤「ああ」
💙「信じられるかよ…」
🖤「昔、守れなかった人がいてな…」
その声だけが、少し低い。
💙「……」
💙「俺は、その“償い”か?」
🖤「違う」
🖤「君は君」
🖤「とにかく外に出たら本当に危ない」
🖤「昨日、君の自宅近くに車が止まってた」
💙「……っ」
🖤「ナンバーは消されていた」
💙「……」
🖤「俺がここに連れてこなきゃ君は…」
💙「……なんでそこまでして」
小さな声。
心臓がうるさい。
怖いはずなのに。
この男の目から、目を逸らせない。
🖤「まだ信じてくれなくてもいい」
🖤「でもここにいる限り、俺が守る」
💙「……お願いがある」
🖤「何」
💙「もう手錠はなし」
🖤「わかった」
💙「部屋の鍵も、かけるな」
🖤「それは無理」
💙「なんでだよ!」
🖤「俺がいないときに何かあったら困る」
💙「……」
🖤「でも」
少しだけ、柔らかくなる。
🖤「信じてもらえるよう努力する」
💙「……」
完全に拒絶はできない。
💙「飯、冷めてる」
🖤「あ、ほんとだ」
一瞬だけ空気が緩む。
その小さな日常が、
二人の距離を、ほんの少し縮めた。
——つづく。
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