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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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緑さんからの知らせに、俺は動揺したし、千歳も相当動揺した。
『な、なんで!? ワシ何か安吉さんに悪いことしたか!?』
「千歳ちゃんはなんにも悪くないの! 安吉さん顔のいい人に甘いから、顔のいい朝日くんがあかりちゃんと結婚してくれるかもって舞い上がって、今、朝日くんの要望丸呑みしちゃってるのよ!」
そ、そんなに安吉さん美形に弱いの!?
『なんで朝日さん、こんなにしつこいんだ!?』
「全然わかんないの、でも、安吉さんが各家のコネフル動員して千歳ちゃんへの入金させないようにしてて。組紐、せっかく作ってもらっても、お金払える保証がないから受け取れないの、ごめんなさい、本当にごめんなさい!」
『い、いや、緑さんは悪くないし』
千歳は電話しながら首を横に振った。
「あの、和泉さんとも少し話せる? 今の話、私からちゃんと話したいから」
『う、うん、変わる』
千歳がスマホを俺に渡してくれた。俺はすぐに電話口に出た。
「こんにちは、緑さんの声聞こえてたので大体把握しております」
「あ、すみません大声で……」
緑さんは少し声のトーンを落とした。
「あの、私としては、和泉さんには千歳ちゃんのそばにいてほしいです。なんていうか、和泉さんは千歳ちゃんをいい感じにサポートしてくれてて、いい関係を築けてると思うので」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、事態が衝撃的すぎて嬉しさを感じられないな……。
でも、俺が千歳のそばにいたいのは確かだ。サポートだって、できるだけする。
「私も、そばでサポートし続けたいと思っています」
「よかった! じゃ、千歳ちゃんにまた変わってもらえませんか?」
「はい」
千歳にスマホを返すと、緑さんはまた千歳に詫び、今金策をしていて、もし完成したらある程度のお金は渡せるようになるのを目指しているが、まだ何もかも不透明なので絶対渡せるとは言えない、だから作ってほしいとは言えない、とさらに詫びた。
『う、うん、でも、もうちょっとで完成で、時間置くと調子狂うんだ』
「あーそうか、ごめんなさい……作るなって言ってるんじゃなくて、作ってもらってもお金渡せる保証がない、っていう話なんで、千歳ちゃんがいいなら完成させてくれていいの、ごめんなさい」
『そっか……じゃあ、とりあえず一本は作っとくな』
「ごめんね、本当にごめんなさい」
千歳は電話を終え、俺のことを見た。目がうるうるしている。
『な、なあ、お前、お金なくなっちゃうか? 大丈夫か? ワシに峰家に行ってほしいか? で、でも、ワシ絶対お前から離れないからな、お前のこと絶対祟るからな、お前がどんなに嫌でも祟り続けるからな!』
あ、やば、千歳まだだいぶ動揺してる。
「落ち着いて、あのね、俺、何があっても千歳にいてほしいよ。お金はね、きつくなるのは確かだけど、当座はなんとかなるから安心して」
月五万がなくなると心配なのは確かだが、多少とはいえ貯めてある分があるし。
『そ、そうか? ワシに一人で峰家に行けって言わないか?』
「絶対言わない。二人で峰家に行くならともかく、俺、千歳にそばにいてほしい」
言い切ると、千歳は少し動揺が治まったらしく、大きく息をついた。
とはいえ、なんとかしなくてはいけない。俺は自分のスマホを取り出した。
「とりあえず、南さんにもここ最近のことを相談しとくよ。困った時相談しろって言われてるし」
『そ、そうだな!』
「あと、佐和水香さんにも九さんに言付けを頼んどく」
『え、なんで?』
千歳は首を傾げた。
「前さ、九さん、千歳が俺と一緒なら妙なちょっかいは出さない、って言ってたじゃん? 千歳も俺と一緒じゃなくなるのはよくない、って思ってくれてる人みたいだから、協力してくれるかもしれない」
『あー、なるほど……』
「ちょっと、文章書くの時間かかるから待っててね」
俺は、南さんと水香さんへの説明を文章にまとめ、それぞれに送った。
うーん、改めて文章にして整理してみると、朝日さんの狙いは、千歳を峰家に抱き込むことじゃなくて、千歳と俺を切り離すことなのかな? じゃあ、もしかしたら、金谷さんに求婚したのも、別の狙いがあるのかな? 金谷さんと結婚したいんじゃなくて、別の目的?
金谷さんと朝日さんが結婚したら、狭山さんが金谷さんと結婚できなくなるわけで……。狭山さんに金谷さんと結婚してほしくないとか?
そこまで連想して、俺は、狭山さんに独身でいてほしい人間に、心当たりがあることに気づいた。
え、嘘だろ?
しかし、俺は朝日さんの目元に見覚えがある。あの目元、そうだ、見覚えあっておかしくないんだ、俺が前に狭山さんのTwitterのフォロワーを調べまくった時、マスクで口と鼻を隠した切れ長の目の流し目でエロ女装写真をネットに流しまくっている男性の写真を死ぬほど見た。
狭山さんの熱烈で厄介なファン。
裏垢メス男子。
「嘘だろ……」
でも、それなら、他のことにも説明がつく。
朝日さんが俺に仕事に集中してほしいって言ってたの、狭山さんとの仕事に集中しろってことでは。裏垢メス男子は狭山さんのすべての小説が熱烈に好きだから。
狭山さんは千歳と関わりあるけど、はたから見ると千歳に時間とられて小説書けてないように見えるのかも。今後も狭山さんは千歳に関わるのが確実だし。
俺と狭山さんはつながりがあってそれは小説にも関わるから、だから、千歳を峰家に抱き込んで、俺と千歳のつながりを切ることで、千歳と狭山さんとのつながりを完全に切ろうとした……?
コメント
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うわあああ第301話お疲れ様です!!😭💕 まさか朝日さんが裏垢メス男子だったってオチ……!? あの切れ長の目の伏線ここで回収するのずるすぎる!! しかも千歳ちゃんと和泉くんを切り離そうとしてたってこと? 狭山さんへの独占欲ヤバすぎるでしょ…!!💦 でもそんな中で「二人で峰家に行くならともかく」って和泉くんが千歳ちゃんのそばにいるって言い切ったの、尊すぎて鼻血出るかと思ったよ…🥺💕 九さんや南さんも巻き込んでの団結ムーブ、めっちゃ熱い!!次回もドキドキして待ってます🔥