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2人は葬儀場の裏手に回り、
人目につかないように腰を下ろした。
冬橋にイヤホンを渡され、片耳に装着する。
…それから少し経つと、
どうやら海江田さんが夏海さんの旦那さんに接触したようだった。
海江田「ーーところで…奥様は生前」
「何か大事なものを旦那様に託してたりは、してませんでしたか?」
早瀬「…いえ…何でそんなことを?」
海江田「実は…奥様に弊社の大事な書類を…お預けしたままなんですけれども」
「それが見付からないままでして…」
早瀬「そうなんですね…」
「…いえ、特に思い当たることはないですね。」
海江田「…もしも何か奥様の仕事関連の書類が出てきた時は、」
「ご連絡頂ければ…助かります」
早瀬「わかりました」
海江田「こんな時にお願いことをしてしまい、申し訳ございません」
「失礼致します…」
…会話を聞く限り、
旦那さんは何も知らないようだった。
…横から海江田さんの気配を感じ取り、
音を遮っていたイヤホンを外す。
海江田「聞いた通りや、まぁ無駄足やったな。犯人は儀堂で決まりや」
そう言って軽く笑い、
小型マイクを冬橋に放り投げた。
『…』
儀堂
霧矢が待つ車に戻ろうと表へ出たとき。
葬儀場の前に佇み、
微動だにせずその建物へ視線を注ぐ、見覚えのある人物の姿があった。
『…冬橋』
冬橋「…」
2人は一度足を止め、私は冬橋に顔を向けるが
懲りずにこちらを見向きもせず無言のまま足を動かし
″彼女,,に近づいた。
冬橋を追いかけ…
隣に並んだと同時、
冬橋が彼女に声を掛ける。
冬橋「どうして一香さんがここに?」
一香「…私の前任だった人なんでしょ?」
「顔くらい見ておこうと思って」
…一香さんは、冬橋と私を一瞥して、
それだけを言い残し、静かに 葬儀場に入っていった。