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12 - 第12話

♥

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2022年10月03日

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めめside


蓮「康二、ごめん」


こんなに思い悩ませていたんだと自覚して、ちゃんと話し合えばよかったと後悔する。

抱きしめた康二の身体は少し震えていて、この話を出すのが怖かったんだろうと思うと申し訳なさが募っていく。

俺だって番いたくない訳ではないし、むしろ番いたいと思っている。でも、


蓮「…怖いんだ」


番うことが、怖い。


蓮「康二を傷つけてしまったら、って思って」


後天性Ωが番う時にはリスクが伴う。場合によっては一生モノの障害を負うこともある。

そうなったら活動もできない、康二の人生さえ変えてしまうことになる。それが怖かった。


康二「…ええよ」

蓮「え…?」


何が、と言おうとした瞬間康二が顔を上げて。


康二「めめになら、何されてもええよ」


さっきまで泣きそうだったのが嘘のように微笑むから。なんで、と言う間もなく康二が口を開く。


康二「番にならんかったらさ、」


一生重い発情期、毎回苦しんで耐えて。子供だって作れない。


康二「…てことも、あるんやけど」


そう言って少し困ったように眉を下げて笑う。


康二「…ほんまは、番になってめめを縛り付けたいって思う、おれの独占欲なんかもしらん」


ごめんな?と謝る康二。

”独占欲”という響きが胸にすとんと落ちて。


蓮「俺も、かも」

康二「え?」


きっと俺も、縛り付けたい。康二を守るのは俺がいいし、支えるのも俺だけがいい。そう思ってたんだと思う。


蓮「多分、俺も康二を独占したいって思ってる、…と思う」


何故か少し恥ずかしくて、最後を濁す。康二になんやそれ、と笑われてしまった。


康二「…じゃあ、お互い様やな」


少し赤くなった目で笑う康二が愛しくてもう一度強く抱きしめる。苦しい苦しい、と笑いながら康二が背中を叩く。そんなに強く抱きしめてないんだけど。

しょうがないから少し力を緩めてあげた。


蓮「…所で、次の発情期はいつでしょうか」


がっついてると思われるかな、と思いつつ早くしたいのは事実なので抱きしめたまま聞いてみる。


康二「多分来週ぐらい…やけど」


早ない?と言ってくる康二。確かにそうだけどこれ以上は俺がもちそうにない。


蓮「…嫌?」


そう言うとずるい、と言われてしまった。嫌って言わないだろうなと思って言ったから仕方ない。


康二「嫌じゃない、ねんけど…心の準備というか、なんと言うか…」


何やらもごもごと言っている康二。やっぱり康二も怖いのかな、と思って怖い?と聞いてみる。


康二「いや、怖い…んかもしらん…」


ん〜〜と言いながらおれの肩に頭をぐりぐりと押し付けてくる。どっちなんだ。


康二「めめを縛り付けたい、って思ってる」


けど、と続ける康二。


康二「…それが怖いって言うか、後悔させてしもたらどうしよって思ってるん…よね」


下を向いたままそう言った。

後悔…か。


蓮「後悔、するかもしれない」


予想外だったのかえっ、と康二が言う。


蓮「もし番ったことで康二になんかあったら、後悔するかもしれない」


それが怖いから手出せなかったんだし、むしろ後悔させてしまうかも知れないって思ってる。


蓮「でもさっきの康二の気持ち聞いて、それでもいいって思った」


何されてもいいよって言った康二の顔はいつもと少し違って、本心なんだろうなって思わせた。


蓮「…あと、もう俺待てない」


やっとなれる、と思った反動からかもう待ちきれないぐらいで。


康二「…絶対最後のが本心やな」


違うけど違わない。好きな人とひとつになりたいって思うのは誰でもそうだと思うんだけど。


康二「でも、それでもええよ」


なんか、悩んでるのがあほらしなってきたわ、と笑う。


康二「ひとつになりたい、それだけで理由はあるもんな」


そう言って笑う康二が愛しくて、儚くて。何故か泣きたくなったのは、秘密。

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