テラーノベル
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⚠️注意事項
・この物語内には実在する人物の名前をそのまま使っています。
・この物語はフィクションです。
・花魁パロディな為センシティブシーンがあります。苦手な方は閲覧をお控えください。
・舘様受けです。苦手な方は閲覧をお控えください。(2度目)
・他キャラもでます。
第1話
夜、静かな通りを抜けたこの街は…一変してとても賑やかで華やかな明かりに包まれる。朝方の地味さと静けさが嘘のように。目眩がするほど色っぽい香の香りが、俺の鼻を刺した。
女郎「そこのお兄さん!寄っていきなよ!」
甲高い声に引き止められるが、俺は振り向かない。金も…権力も…顔も…何でも俺は持っている。が、俺はあいにく女には興味がない。本当なら、こんな所にも来たくなかった。けれど、岩さんがうるさいから。
翔太「ったく…岩さん、呼んでおいてどこいったんだよ……」
岩さんとは、俺の仕事で色々と良くしてくれた大切な人だ。それ故に、無下にも出来ない。岩さんは俺と違って美女が好きだから、ここには結構来るそうだ。
岩さん「お!いたいた、翔太!遅かったなぁ!」
翔太「岩さんがウロウロするから迷子になってたんですよ。で、こんな所に呼び出して何のつもりですか。」
岩さん「ああ、そうそう。実はな?今のこの時代にもお前みたいに女に興味が無い奴がいるだろ?」
翔太「まあそうですね。」
岩さん「だからそんな奴らの為に俺が建てた妓楼があってな?翔太にそこを体験して欲しくてだな!」
翔太「あの、それ本気で言ってます?」
俺は確かに女に興味が無いとは言ったが、男に興味があるとまでは言っていない。はっきり言って
“余計なお世話”だ。
翔太「俺、別に男が好きって訳でも無いんですよ。むしろ女々しい男なんてもってのほか……」
岩さん「まあまあまあまあ?そんな堅苦しいこと言わずに体験してみろ!」
そう言うと岩さんは俺の肩を掴みどんどんと押していく。くそ、こいつ力が強すぎる。俺は流れるように岩さんに連れていかれてしまった。
岩さんが言っていた妓楼は、新しく建てられたばかりだからか柱、屋根、どれも綺麗なものだった。岩さん、金だけはあるんだよな。
岩さん「とりあえず一旦中にでも入れ!おーい、辰さん!」
岩さんは俺を中に入れ、奥の方にいる紫色の衣服を身にまとった男性に手招きをした。その人は、近くで見るとかなり男前で優しそうな見た目をしていた。
辰さん「おやまあ、随分と遅かったなぁ岩さん。その隣の人が上客かい?」
岩さん「おうよ!この店の花魁付けちゃってくれ?金だけはあるんでなこいつ。」
そう言って岩さんは俺の背中を強く叩いた。しばらくひりひりが続いた。ちくしょう。
辰さん「ほほぉ、見かけによらず稼ぎがいいんだね!了解!涼太付けるな!」
そう元気に辰さんは上の階へと上がって行った。俺はあまり期待していなかった。岩さんには申し訳ないが、こんなつい最近出来たばかりの妓楼で最高級の美人を見られるなんて…そんな美味い話があるわけが無い。あと、見かけによらずは余計だ!
辰さん「涼太は上の奥の部屋にいるから、入ってくれ!」
翔太「ああ、はい。分かりました。」
俺は軽く返事をして上に上がった。床板の軋む音が俺の心臓の鼓動を早めていく。緊張する必要なんて無い。どうせ大したことない。大したことは……
涼太「…………(翔太の方を向く)」
翔太「っ……!」
……今までに見た事がなかった。その眼差しで…心を打たれてしまった。”美しい”という言葉は、この人の為にあるのではないかと思ってしまう程だった。
涼太「……翔太様?」
翔太「へ!?あ…渡辺翔太と申します!よろしくお願いいたします…えっと……」
涼太「…涼太とお呼びください。翔太様。」
いやいや、そんな軽々しく花魁を呼び捨てになんて出来ねえよ。
翔太「いやぁ…涼太…なんか恥ずかしいな……」
涼太「…でしたら、涼太花魁でしょうか…?」
翔太「あ、その方が呼びやすいです。ありがとうございます。」
俺は涼太花魁に深々とお辞儀をした。すると涼太花魁は不思議そうに俺の事をじっと見つめていた。俺は顔が熱くなるのをずっと感じていた。見つめられるだけで、心が揺さぶられてしまう。
翔太「あの……どうかなさいましたか…?///」
涼太「いえ…随分と整った顔立ちをされている方だなと…思いまして。」
翔太「そ、それ…涼太花魁が言いますか……?///」
涼太「はい、言います。」
なんだろう。俺も今まで何人かの花魁と遊んだ事はあるけど、ここまで会話を続けさせるのが下手な花魁も中々いない気がする。あと、正直過ぎない?印象的には結構謙虚な人なのかなって思ってたけど違ったのか。
翔太「りょ…涼太花魁は特技とかないんですか…?」
お互い会話が下手だが、マシな俺の方から話題を振るしかないのだ。俺は恐る恐る一般的な質問で攻めてみた。
涼太「特技…ですか………」
明らかに反応に困っている。質問を変えた方が良いだろうか。かといって、それと言った質問も思い浮かばないのだが。
涼太「特技でしたら…舌の三つ折りはいかがですか?」
翔太「し、舌の三つ折り?」
そう言うと涼太花魁は特技である舌の三つ折りを披露して見せた。俺は思わず笑ってしまった。
翔太「ぷっ…あははっ!!普通花魁がそういう事します!?笑」
涼太「失礼、あまり理解出来ていないご様子だったので、見てもらったほうが早いかなと…」
涼太花魁はそうやって俺に話した。おかげか、少しだけ緊張がほぐれた。俺は涼太花魁の事について色々と知りたくなってしまった。
翔太「じゃあ、好きな食べ物とかはある?」
涼太「ウニが好きです、あとうどん。」
翔太「へえ…うどん!今度美味しいところあるから食べいかない?」
涼太「お気持ちは嬉しいのですが、まだ翔太様のお隣にいていい人間では無いような気がして……」
俺は思わず我に返った。相手は花魁。良くも悪くも金がないと会えない人物。でも、金があった所で俺の事を本気で好きになってくれる保証もどこにもない。でも………
翔太(断られるのが…なんか嫌だ……?)
俺の心の中にこの感情が出た時点で、俺は恋してしまっていたのだろう。この男、涼太花魁に。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
岩さん「どうだったよ!翔太!涼太花魁はべっぴんだっただろ!」
岩さんが目を細めて笑いながら俺の肩に飛びついてきた。めちゃくちゃ重い。筋肉凄い。
翔太「ま、まあ…?中々美人だったじゃないですか。あんな人、どうやって手に入れたんですか?」
岩さん「あいつな…ちょいと複雑な事情があったんだよ…」
翔太「複雑な事情?なんですかそれ。」
岩さん「あいつ、親に虐待されて挙句の果てには遊郭に売り飛ばされたんだよ。」
翔太「え………?」
岩さん「あいつとの話、ちょっと上手く続かなかっただろ?あいつは昔から人と関わってこなかったり、関わったとしても殴られたり蹴られたり罵倒されたりだったから真っ当な人との接し方なんて分からないんだよ。」
翔太「そうだったんですか……」
岩さん「まあ…花魁やるってなったら礼儀も最低限覚えてもらわないとなんだけどな?」
俺は再びさっきまで自分がいた涼太の部屋の窓を見つめた。あの美しさがずっと頭から離れないでいた。そしてつい、口をついてしまった。
翔太「俺…あいつを身請けします。 」
第1話 END
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