テラーノベル
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-———————————————————-⚠️注意事項
・この物語内では実在する人物の名前をそのまま使っています。
・この物語はフィクションです。
・花魁パロディな為センシティブシーンがあります。苦手な方は閲覧をお控えください。
・舘様受けです。苦手な方は閲覧をお控えください。(2度目)
・他キャラもでます。
第2話 会えない寂しさ
岩さん「お前本気か?涼太花魁身請けするなんて…」
俺は今日、岩さんと妓楼前にあるうどん屋でうどんを食べていた。岩さんはある程度うどんをすすった後に俺にそう尋ねてきた。前妓楼で俺が遊んだ花魁・涼太花魁を身請けしたいと言った時、岩さんはあまり乗り気では無かった。
翔太「本気も何も、そう言っているじゃないですか。」
岩さん「お前、分かってんのか?花魁身請けすんのにどんくらいの金がいるのか。」
翔太「分かってます。金はいくらでも稼ぎます。」
岩さん「ああもう、分かんねえ奴だな!涼太花魁はちょっとやそっとの金じゃ買えねえんだよ! 」
翔太「ちょっとやそっとって、まだ開いたばかりの妓楼の花魁がそんなに値が付くとは到底思えないんですが?」
岩さん「あいつは…そのだな……ちょいと特殊な立場で…」
翔太「おおかたどこかの店から引き抜いてきたとかそんな感じなんでしょう?知名度欲しさに。」
俺は呆れてそう言った。岩さんはすぐに否定していたが。しかし岩さんは金金言っているが、俺が問題視しているのは金ではない。金なんて、稼げばいい。けれど…
翔太(涼太花魁が…どうしたら俺の事を好きになってくれるか…分からない。相手の気持ちを考えて一喜一憂するなんて久しぶりだ…)
岩さん「とりあえず…また知り合い価格って事で安くはするけど、今回きりだからな?」
翔太「ありがとうございます。」
俺はそう言ってうどん屋を出た。時間帯は日没。そろそろ妓楼が軒並み開店する時間帯だ。恐らく今も涼太花魁は準備をしている最中なのだろう。
翔太「会うのが、こんなに楽しみだなんて…」
俺はぽつりと呟き、妓楼の前の椅子に腰掛けた。心臓が脈打つ。今日もまた、会える。そう思っていた。が…
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
翔太「え?別の客人を取っているから今日はいない?」
辰さん「すまないね…何しろ売れっ子なものだから…」
辰さんが申し訳無さそうに頭を下げた。まあそうだ。涼太花魁は俺だけのものではない。そんな事は分かりきっていたはず。なのに何故か心がざわついた。
翔太(会えないのか…)
辰さん「代わりと言っちゃなんだけど、他の子を用意しますよ!康二!」
そう言って奥の方にいた橙色の着物を着た青年を呼び寄せた。顔立ちは整っており、とても接しやすそうな好青年だった。
辰さん「まだ禿《かむろ》なんですけどね笑
遊戯のお相手くらいなら出来ると思います!」
翔太「分かりました…じゃあよろしくね。康二くん?」
康二「よろしくお願いしますっ!」
俺は辰さんに案内されて部屋に入った。部屋に入ったとはいえ、涼太花魁の時の様な個室ではなく、何人も客人と禿達がいる大広間だった。康二はそこで茶を注ぎ、俺に差し出した。
翔太「ありがとう。」
康二「いえ!翔太様はあまり賑やかな所はお好きではないんですか?」
翔太「え…いやぁ、そういう訳じゃ…」
康二「とりあえず何かして遊びませんかっ!?俺この遊びが得意で…」
翔太「これは?」
康二「花札です!知りませんか?」
翔太「ごめん、こういうのあまりしなくて…」
そう言うと康二がなんだかしょんぼりとした顔をした。なんだか犬のようで少し可愛らしかった。しばらく見つめあっていると、康二はおそらく困っているようだった。
大介「康二っ!」
康二「あれ!大介くんどうしたの!」
そうわいわいしながら走ってきたのは桃色の着物を着たこちらもまた賑やかな好青年だった。しかし、様子としては禿だろう。
大介「康二珍しい!お客さん取ってるの?」
康二「うん!しばらく相手しとかなあかんねんけど…この人にしてあげられること無くて困っとったんよ。」
二人共会話の声量が大きいせいでかなり内容が耳に入ってくる。こちらとしても申し訳なくなってしょうがない。
大介「うーん、あ!ねえねえ、この間習った三味線弾かない?そしたらちょっとは楽しんでもらえるかもよ! 」
康二「あ、そうやな!翔太様!俺三味線弾きます!」
そう元気に言って康二は三味線を取りに行った。しはらくすると、三味線を持った康二がうきうきとした様子で戻ってきた。そして俺の前に正座し、三味線を弾き始めた。しかし…
べぇぇぇんぅぅ…べべぇぇんぅ……?
康二の三味線は、なんというか聞くに絶えない程の出来栄えだった。しかし大介は楽しそうに聞くものだから大人の俺は空気を読むしか無かった。肝心の康二も音に乗っている様子で…
翔太(これ、俺が客なんだよな…?)
そんな事を考えていると、大部屋の襖が開いた。
亮平「康二!大介!貴方達何をしているの?」
そう言って入って来たのは涼太ほどでは無いが美しく甘い顔立ちの青年だった。緑色の着物が、とてもよく似合っていた。おそらく、格好からして相当な位の…
大介「あれ?亮平兄様、お客様は?」
亮平「たった今帰られたんですよ。そして辰哉さんからお話を聞いて、貴方達が上客の相手をしてくれていると聞いて急いできてみたら……なんですかこのザマは…」
康二「俺三味線弾いてたんよ!亮平兄さんどう!?」
亮平「こら、亮平”兄様”でしょ?康二。そして大介?康二はまだお客様に三味線弾いちゃダメなんだよ。」
大介「えええ!?なんでなんで?康二上手じゃん!」
亮平「上手だけど、辰哉さんからまだいいよって言われてなくてね…?………あ、申し訳ございません、翔太様。私、亮平と申します。不束者ですが、本日は私が涼太花魁の代わりをさせていただきます。」
そう言って亮平は頭を下げた。俺は慌てて頭をあげさせた。
翔太「あ、分かりました!あの…貴方も花魁で?」
亮平「いえ、私は格子《こうし》でございます。まだ花魁と呼ばせていただくには相応しくない身でございますが、翔太様を楽しませられるように精進致します。」
格子は、確か花魁の1つ下の位だった。この人は優秀なんだろう。所作も一つ一つが丁寧で、目を引く。
亮平「さっそく、部屋に案内致します。こちらに。」
亮平が俺を部屋に案内した。涼太花魁の部屋と似たつくりだった。
翔太(この人、結構位が高いのか……そんな人を付けてもらえるなんてなんだか申し訳無いな…)
そんな事を考えている最中、亮平はとっくりに酒を注いだ。そうして酒を俺に差し出した。
亮平「どうぞ。」
翔太「あ、ありがとうございます。」
酒を飲むと、何だか変な気分になるから好きではない。しかし、代わりの格子の方に注がれたのだから、飲み干さねばと俺の心の良心が言っていた。
ゴクッ…
亮平「んふっ…美味しいですか?」
翔太「ああ、美味しいですよ。」
亮平「……涼太花魁とは、お会いになられたんですよね……?」
翔太「ええ、まあ、あまり話せなかったんですけどね。」
亮平「…涼太花魁の事、身請けするんですか…?」
翔太「へ?」
チュ……♡
俺は、気がつくと亮平から口付けをされていた。
第2話 END
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