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ドガガガガガガ!!!
その場で、様々な色の炎が舞う
術豪外伝 獅子這・神獄は
鰄郎自信が生み出した、神の一手である
10年の歳月をかけ、習得した技だ
いかなる敵をも打ち砕き、制裁する
「ぐぅ….」
四ツ夏は多大なダメージを受けていた
いくら総長と言えど、化け物級の強さと
呼ばれた2人の同時攻撃だ
「治君、逃げよう」
その時、治の目が変わった
「え?あ!はい!」
タッ…
2人は、凄まじい速さでどこかへ消えた
「全く…」
四ツ夏はガードを解いた
「少し遅れていたら即死だったな」
四ツ夏は男に視線を向けた
「なんだ、嬢ちゃん、殺さねぇのか」
男は唯一残っている左腕で、斧を力強く
握った
「俺の人生、要らなかったから全部
てめぇにやるよ!!」
男は四ツ夏に突進した
「ふーん、素晴らしい意欲だね」
ザンッ!!!
「かっ…」
その時、男は立ち止まる
ズチャ…
男のへそより上が、ゆっくりと地面へ
落ちた
「能力者統制連合は、どのような場合で
あっても、何をしてでも異変を止める、
だからさ、おじさんはもう退場してよ」
「はは…ごめんなぁ…斗張…俺…生きて
戻れそうにねぇわ」
男は呟いた
「全く….その斗張という人は知らないけど、
きっとあなたに生きて欲しかったと思うよ」
「そう…だったらいいな…はは」
男はゆっくりと目を閉じた
「…さて、来てもらおうか、君」
四ツ夏は、中原に目を向けた
「っ!」
「君は、どうするの」
「鰄郎さん!!まだ中原さんが!!」
「治君、君は中原の目を見たのか」
「目…?」
治が、神妙な顔で聞く
「人の目で、具体的な感情を伝えるのは
難しい、ただ、場と状況において、人の
目を感じ取り、確実に実行させるという
ことは何よりも大切だ」
「…中原さんは、逃げろと伝えたのですか」
「そうだ、長年一緒にいるんだ、間違いはないよ」
「しかもさ」
「…しかも?」
治が聞く
「あんな状況で折れるほど、中原君は腑抜け
じゃないよ」
「…俺は」
「…?」
「俺は戻らなきゃ行けねぇ!!お前
みてぇなイカレ野郎相手にしてる暇は
ねぇんだよ!!」
「なん…だと?」
四ツ夏が絶対零度の視線で中原を睨む
光り輝く、途方もない数の槍が上空に
出現した
(こんなの逃げれば…!)
ズバッ!!
「っー!?!?」
中原のアキレス腱が切断された
「なんっ…で」
「この空間で、私以外、私が指名した者以外は全員、歩けなくなる仕様なんだ」
その瞬間、中原に焦り見えてきた
(なんだ…?どうすればいいんだ…これ?)
理不尽な力を前に、中原は笑みを浮かべた
「俺は…親と約束したんだ….」ボソッ
「…今、なんて」
ドッッッ!!
「来いよ、俺が抱いてやる」
中原の雰囲気が一変した
その瞬間、中原の手の元に、ひとつの
棘が収まる
「…」
「どんな武器を使おうが、私には」
…
四ツ夏は、ふと自分の足を見た
ドサッ!
「はっ….はっ….はっ….!」
自分の太ももが、凄惨な姿に変わっている
ぐちゃぐちゃで、肌色が見えない
「これは…なるべく使いたくなかった、
何よりも残酷だからな」
「何を…何をした….」
「俺の能力で、お前の太ももを殺した」
「うぅっ!!!」
四ツ夏が勢いよく腕を振り下ろす
その瞬間
ザババババババッ!!!!
上空にあった槍が、一気に地面へと降り注ぐ
ブサッ!!!
中原の肩に、1つ目の槍が突き刺さる
「がぁっ!?」
中原は、あまりの衝撃に耐えられず、
仰向けになった
ズブッ…
中原の喉と肺に、1本の黒い槍が突き刺さった
「…ダメだ」
「…?」
治が呟いた
バッ!
「治君っ!?」
治は、あの現場へと戻った
「まったく…!」
鰄郎は、治の後を追った
「…」
「中原ー!!どこだー?!」
いくら呼びかけても、中原の声は聞こえない
「ん…?」
治は、2つの人体らしいものに近寄る
「こ…これは…!!」
そこには、血にまみれた中原と、
大の字になって倒れている四ツ夏
がいた
「中原さん…!!!」
そこには、まだ鰄郎はいない
「これはどいうことですか…!」
「治君?そこで何を」
「っ!」
最悪な現場を、見られてしまった
「…これは…これはなんだ…なんだよ!!!」
鰄郎は、中原に飛びついた
「ありえない!!なんなんだよ!!!」
「くっ…!」
四ツ夏の方を見ると、太ももがぐちゃぐちゃ
にされている
恐らくショック死か、失血死だろう
「もしかして…っ!」
そこでやっと治は理解した。