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受け売り少女の世わたり

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受け売り少女の世わたり

1 - どこへ行こう。

♥

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2026年01月30日

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受け売り少女の世わたり


街を歩く。

笑い声、喋り声、車の音、自転車のベル、飲み物を開ける音、扉の開く音、お店のBGM、そして救急車、パトカーのサイレンにまで耳障りだと感じてしまう私は自分の世界に音楽をかけることにした。

携帯にイヤホンのプラグを指す。細いケーブルを伝って耳に伝わる振動は私を違う世界に連れて行ってくれる。


今まで騒音と化していた世界が音楽で鮮やかになる。なんて、、、そんなものは映画の中だけの話。


実際は音楽をつけたって何も変わらない。

何かの映画でやっていたことを真似事しても当たり前に私の音楽センスはなく音楽で自分の人生を表現しようなんてできっこない。

私の心はそんな簡単に踊らない。

けど音楽は好きだからとにかく聴いた。たくさんたくさん聴いた。


ふと気づいた。歳を重ねるごとに歌詞の本当の意味にたどり着いていることを。

それが心地よくて今の音楽を未来の私に託すんだ。そうすると何年後かの自分が歌詞の答え合わせをしてくれる。好きな音楽が小さい頃からあまり変わらないのはそのせいだろう。


そんな生活をしていると恋愛をしている時も歌詞の言葉を借りて彼に思いを伝えることがある。

そう。こんな私の心にも入ってくる人が居る。その人は音も立てずにずっとそばに居たような人。


彼と出会ったのは小学生の頃。

その時の彼にとっての私の第一印象は最悪だと思う。だって初めましての言葉があのさ君って絶対ガリ勉でしょ?だもの。

そんな彼とはその時から約4年間ただのクラスメイト。


なんてずっと思ってた。

中学を卒業して地元のヤンキー校と呼ばれる高校に入って私は部活に打ち込んだ。

高校1年の時、経緯は忘れたが彼が私の高校の文化祭に来た。どうやら私が呼んだらしい。

彼はお返しに私を彼の高校の文化祭に誘ってくれた。

彼の学校は地元でも頭が良いで有名で私たちとは生きてる世界が違うなんて思ったこともある。

正直、少し背伸びをして彼の学校を訪れたのを未だに覚えている。あの時は彼と同じ部活の子に言われた言葉に腹を立てて帰ってしまったけどほんの少しでも頭の良い学校見れたって嬉しく思っていた。


それからは全くと言っていいほど会えなかった。


社会人になるためにたくさん勉強して憧れの職業についた。その頃は彼のことも他の人のことも忘れるぐらい苦しくてしんどくて毎日泣いて明日目が覚めなければいいのにと祈りながら寝ていた。

その時救ってくれたのももちろん彼じゃなかった。それなのにどうしても思い出しちゃうんだ。学生の頃憧れてた彼のことを。


転職をして落ち着いた頃に彼に連絡をした。彼の事だからきっともうこの地元には居ないだろと思っていた。まだ地元にいると聞いていつか会えるかもとバスの中で探したのはきっと今の彼本人も知らない。


探したけど居なくて彼女が出来た?と定期的に話しかけていた。

できたって言われる覚悟なんてないくせにそんな連絡をしていた。


それから忙しくなって連絡しなくなっちゃったけどふと思い出して連絡すると彼は関東に行っていた。

驚いた反面、そりゃそうだよ君だもの。ってすぐに受け入れられた。

その時の私の出張先が関東だったのは君に会うための神さまのいたずらと言ってもいいかな?なんて今になって思う。


相変わらず少し素っ気ない彼は

盆に会おうと約束をくれた。

久しぶりに会う彼はかっこよくなってたんだ。かける言葉が見つからず、一言だけ、「よっ」って挨拶したのは照れ隠し。


その後、何回か遊ぶけど彼は必ず私の前を歩くんだ。けどそれが心地よくてこの人を見失わないようにこの人についていこうって頑張って都会のビルに首を痛くしながら歩いていた。


そんな彼のどこが良いのか正直なところ分からない。けどなんだか心地よくて気持ちが落ち着くんだ。

それを恋心と呼ぶならきっと彼には隠しておいた方がいいのかもしれない。

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