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#溺愛
桜咲かな
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眠狂四郎
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誕生
テル・ヴァロがルイ・ヴァロの子を宿して、3ヶ月が経った。
検診の結果、テル・ヴァロは、やはり妊娠していた。
テル・ヴァロが安定期に入るまで、ルイ・ヴァロは、1人で依頼をこなしていた。
正確には、1人ではなく、召喚された仲間と共に。
特に新しく仲間に加わった、トールが頑張りすぎて、なんと進化してしまった。
現在のトールがこちら
トール オス 3歳 シャドーザドーラ レベル50
体力80
素早さ120
固有スキル シャドーレイン(影の雨)
召喚時経験値200
スキルポイント倍加によるポイント300
普段から、テル・ヴァロに可愛がられていたトールは、彼女の為にと、奮闘していた。
今日も依頼をこなし、帰宅すると、ゼル・ヴァロがルイ・ヴァロを出迎える。
ゼル・ヴァロ[今日もご苦労さん。]
ルイ・ヴァロ[ありがとう。父さん。何作ってるの?]
ゼル・ヴァロ[これか?テルちゃんは大事な時だからな。
口に合うか分からんが粥を作ってた。]
ルイ・ヴァロ[ありがとう。僕が持って行く。]
ゼル・ヴァロ[今日の依頼はなんだったんだ?]
ルイ・ヴァロ[ブゴラ4体の討伐]
ゼル・ヴァロ[あぁ。あの蛇か。]
ルイ・ヴァロ[そう。毒蛇に噛まれなくて良かった。]
ギシッギシッカチャ。
ルイ・ヴァロ[テル?大丈夫?]
テル・ヴァロ[ルイ?おかえりなさい。大丈夫よ。]
ルイ・ヴァロ[父さんがテルにって。]
テル・ヴァロ[まぁ!卵粥?ありがとう。]
ルイ・ヴァロ[明日は検診なんだっけ?]
テル・ヴァロ[そう。もうすぐ安定期よ。]
ルイ・ヴァロ[まだ2ヶ月もある。無理は禁物。]
テル・ヴァロ[分かってる。ねぇ?ルイならどっちがいい?]
ルイ・ヴァロ[ん?子供の性別?どっちでもいいよ。元気に産まれてきてくれたらそれでいい。]
テル・ヴァロ[ルイなら男の子って言うかと思った。]
ルイ・ヴァロ[あと2ヶ月もあるんだ。今から予想しても意味ないよ。]
テル・ヴァロ[そうかしら?私はルイに似た男の子がいいなぁ。絶対イケメンよね。]
ルイ・ヴァロ[お粥冷めるよ?]
テル・ヴァロ[食べるわ。父さんにお礼言わなきゃ。]
ルイ・ヴァロ[僕が伝えておくから、テルはやすんでて。]
テル・ヴァロ[ありがとう。]
ギシッギシッカチャ。
ゼル・ヴァロ[気になって来ちまった。]
テル・ヴァロ[お粥ありがとうございます。]
ゼル・ヴァロ[口に合ったかい?]
テル・ヴァロ[はい。美味しいです。]
ルイ・ヴァロ[父さん、テル、もう休むから。]
ゼル・ヴァロ[じゃあ俺達も晩御飯にするか。]
テル・ヴァロ[すみません。手伝えなくて。]
ゼル・ヴァロ[テルちゃんは大事な時だからな。手伝わしたら俺がルイに叱られる。]
ルイ・ヴァロ[別に怒りはしないけど。まだ3ヶ月だから安心出来ないってだけ。]
テル・ヴァロ[もう、ルイったら。]
ルイ・ヴァロ[テルは僕の子供を産んでくれるんだ。依頼は僕が引き受けるから、安心して休んでくれ。]
ゼル・ヴァロ[すっかり父親の顔になったな。]
ルイ・ヴァロ[父親だよ。]
テル・ヴァロ[ルイにお願いがあるの。]
ルイ・ヴァロ[何?僕に出来る事なら何でもするよ?]
テル・ヴァロ[明日の検診、家でやりたい。]
ルイ・ヴァロ[ならアラン先生に連絡しとく。]
テル・ヴァロ[ありがとう。]
翌日
アラン[うん。順調に成長してるね。]
テル・ヴァロ[良かった。]
アラン[次の検診は7月25日。安定期にはいるから、軽く体を動かすくらいならしていいよ。]
テル・ヴァロ[はい。ありがとうございます。]
ゼル・ヴァロ[先生、ココア入れたぞ!]
アラン[僕の好み、把握されてる…]
ルイ・ヴァロ[父さん、一度見たものや聞いた事、すぐ覚えるから。]
アラン[ある意味、冒険者にむいてそう。]
ルイ・テル[同感です。]
アラン[じゃあまた2ヶ月後にね。]
テル・ヴァロ[ありがとうございました。]
ルイ・ヴァロの子供を宿して、4ヶ月。
テル・ヴァロは、少し膨らんだお腹を、愛おしそうに撫でていた。
ポコンッ
テル・ヴァロ[あ!今蹴った!]
ルイ・ヴァロ[本当?触らせて!]
ルイ・ヴァロがお腹に手をあてて、撫でていると、ポコンッと動いた。
ルイ・ヴァロ[本当だ!蹴った!]
テル・ヴァロ[ねぇ?そろそろ私も安定期だし、軽く身体を動かしたいんだけど。]
ルイ・ヴァロ[分かった。散歩に出よう。]
ルイとテルは、夕方になるのを待って、散歩に出た。
テル・ヴァロ[久しぶりの外の空気!気持ちいいな。]
ルイ・ヴァロ[もうすぐ検診だね。性別を分かるのかな?]
テル・ヴァロ[アラン先生に聞くしかないわね。]
ルイ・ヴァロ[そろそろ晩御飯だ。戻ろうか。]
テル・ヴァロ[そうね。付き合ってくれてありがとう。]
玄関の扉を開けると、ゼル・ヴァロが仁王立ちしていた。
ルイ・ヴァロ[父さん帰ってたんだ。]
ゼル・ヴァロ[ルイ!テルちゃんはまだ完全には、安定期に入っとらん!どこ行っとった!]
テル・ヴァロ[お父さん、ルイを叱らないで。わがまま言った私が悪いの。]
ゼル・ヴァロ[テルちゃんはお風呂に入りなさい。アラン先生から、さっき手紙が来て、シャワー浴なら大丈夫だと。]
テル・ヴァロ[はい。ごめんなさい。]
ルイ・ヴァロ[父さん、心配かけてごめん。]
ゼル・ヴァロ[もういい。それよりテルちゃんの晩御飯の支度を手伝ってくれ。]
ルイ・ヴァロ[分かった。]
その日は、久しぶりに家族揃って、夕飯を食べた。
そして迎えた7月25日。
アラン[うん。元気な男の子だね。しかも双子だ。]
テル・ヴァロ[え?双子!?]
ルイ・ヴァロ[凄いよ!テル!]
ゼル・ヴァロ[孫が一度に2人(泣)]
ルイ・ヴァロ[名前考えなきゃ!!父さん、手伝って!]
ゼル・ヴァロ[よし!2人で考えよう!]
テル・ヴァロ[ちょっと!私を除け者にしないで!]
アラン[賑やかだね。次の検診は、8月25日。これから少しづつ短くなるから、今のうちに助産師を探しておく事。]
ゼル・ヴァロ[ワシの従兄弟がこの街で助産師をしとる。心配せんでいい。]
アラン[あらま。それは初耳だ。なら大丈夫だね。]
テル・ヴァロ[先生、ありがとうございました。]
アラン[うん。また次の検診でね。]
テル・ヴァロ[はい。よろしくお願いします。]
その日は、子供の名前を3人で夜遅くまで考えた。
1ヶ月後。
アラン[うーん。どうやら切迫流産の恐れがあるな。]
テル・ヴァロ[え!?赤ちゃん死んじゃうの!?]
アラン[いや、まだ大丈夫だけど、予定より早く産んだ方がいい。特に双子の場合はね。]
ルイ・ヴァロ[どうすればいいんですか?]
アラン[僕の病院に入院してもらって、様子を見てみよう。]
ゼル・ヴァロ[先生、頼むぞ!私の孫が大変なんだ。用意するもの教えてくれ!]
アラン[このチェックシートを渡しておきます。準備が出来たら病院に来てね。あと助産師さんにも連絡を。]
ゼル・ヴァロ[分かった。]
それからは、慌ただしい日々だった。
ルイ・ヴァロは、チェックシートを手に、買い出しに出て、ゼル・ヴァロは、従兄弟で助産師のノノに連絡をした。そして1週間後、テルは、アランの病院に入院した。
街の人々も、頻繁に見舞いに来る。
そして、妊娠36週目。
分娩室。
テルは、帝王切開で、双子の男の子を産んだ。
双子の兄、ゼイ・ヴァロ、双子の弟ユイ・ヴァロ。
双子は、元気な産声と共に、この世界に誕生した。
テル・ヴァロが双子を無事に産んだ話は、またたく間に街に広まった。
街全体がお祭り騒ぎ。
コンッコンッ
テル・ヴァロ[どうぞ。]
ルイ・ヴァロ、ゼル・ヴァロ[テル(泣)!テルちゃん(泣)!]
テル・ヴァロ[2人して泣いてどうするのよ(汗)]
ルイ・ヴァロ[本当にありがとう!お疲れ様でした(泣)]
ゼル・ヴァロ[孫にはいつ会える?]
テル・ヴァロ[アラン先生の話だと、1週間で退院だって。]
ゼル・ヴァロ[ならじいちゃんは、大人しく待つ。]
ルイ・ヴァロ[僕は時々様子見にくるね!]
テル・ヴァロ[はいはい。2人とも、まずは顔洗ったら?]
その日は街ではお祭り騒ぎだが、ゼル・ヴァロ一家には穏やかな時間が流れていた。
コメント
23件
おおお…双子の誕生、おめでとうございます!!🥺🤍 ルイのテルへの優しさとか、ゼルじいちゃんの過保護な愛情がじんわり伝わってきて、読んでて自然と頬が緩みました。トールが進化してるのも地味に熱い…! 切迫流産のくだりはヒヤッとしたけど、無事に産まれてきてくれて本当に良かった。街中がお祭り騒ぎになる気持ち、分かります…✨ アズさんの優しい筆致が光ってた回でした🌙🥀