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りょん.
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ドアが開く。
若井が立っていた。
さっきまでの空気とは少し違って、どこか気まずそうな顔をしている。
涼ちゃんは少しだけ目を上げる。
二人とも、しばらく何も言わない。
廊下の静かな空気。
若井が先に口を開いた。
少し頭をかく。
「俺も言い方きつかった」
涼ちゃんは小さく首を振る。
「ううん」
「俺も勝手に飲んじゃったし」
また少し沈黙。
でもさっきのような重い空気ではなかった。
若井が少しだけ言う。
「……腹減った」
涼ちゃんは少し驚いた顔をする。
それから小さく笑う。
「俺も」
二人で少しだけ笑った。
若井がリビングの方を指さす。
「なんか作る?」
涼ちゃんは少し考える。
「簡単なのでいいなら」
「いいよ」
二人でリビングへ歩く。
さっきまで暗かった部屋に、明かりがつく。
キッチンに立つ涼ちゃん。
若井はカウンターに寄りかかる。
「何作るの?」
「うーん…チャーハンとか?」
「いいじゃん」
そんな普通の会話。
でも、それまでの二人にはあまりなかったものだった。
フライパンの音。
若井が横から言う。
「手伝う?」
涼ちゃんは少し笑う。
「珍しい」
若井は少し肩をすくめる。
「たまには」
涼ちゃんが卵を渡す。
「じゃあこれ割って」
「了解」
カチャ、という音。
夜のキッチンで、二人並んで料理する。
言葉は多くない。
でも、さっきまでの距離とは違う。
この日をきっかけに、
二人の距離は 少しだけ縮まった。
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