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待ってましたぁぁぁぁぁ!!!✨ マリーちゃん、正々堂々としててカッコいいな!勝手に奪うとか、変な企みをしてないからいい子だと見れる!! そして、藤花ちゃんはとうとう自分の気持ちに気づくんでしょうか!!?✨ この先の展開が楽しみすぎてワクワクがとまりません!!! 次回も楽しみにしてます!!投稿お疲れ様です!🍵
読んでくださりありがとうございます。作者のぬんです。 今回は恋敵である浜奈ローズマリーが登場いたしました。 紅への恋心は色褪せることなく今もなお好きなマリーと無自覚の思いを寄せて戸惑う藤花の恋バトルはどのような結末を迎えるかお楽しみください。
「好きなんでしょ?」
その一言にドキリとした。暴かれたくない秘密を言い当てられたかのような感覚が私の身体を揺るがしている。
堂々宣戦布告をするマリーちゃんに私は言いようもない複雑な感情が胸に湧いた。
マリーちゃんと言うらしい子が来るまでの間、私と葵ちゃんはお祭りのサイダーの瓶みたいな青空を見上げていた。
蝉の鳴き声がどこか遠く聞こえる。
「何でマリーちゃんは私を呼び止めたのかな?」
「分からないわ…でも」
「でも?」
普段は見せない躊躇うような表情に不穏な雰囲気を感じ取れた。
「もしかしたら…」
そう何か言いかけた瞬間、声が聞こえた。
「お待たせ!暑い中待たせたわね!」
息切れしながら紅い顔のマリーちゃんが嵐のようにやって来た。
「えっと…マリーちゃんで合ってるよね?私の名前は小町藤花」
「私の名前は浜奈ローズマリーよ!」
「じゃあ、ローズマリーちゃん?」
「マリーで良いわよ!…貴方は知ってるわ葵」
マリーと言うのはローズマリーという名前を短くした名前だったらしい。
眩しい程明るくて元気はマリーちゃんは、人気者の葵ちゃんの事も知っていたらしい…私がここに居て良いのか一気に不安になる。
「あ、えと…私邪魔だよね? 」
「そんなわけ無いわよ!」
「邪魔?そもそも目的は藤花だよ!」
二人に視線を向けられて思わず身震いする。そして浮かんできたのは目的が何故、私なのかと言う疑問であった。
「好きなんでしょ?」
「えっ…?」
「紅のこと」
急に出てきた紅君の名前に動揺して言葉が出なくなる。好き?紅君のこと?
「無言は肯定と受け取るわ」
「あ、えっ」
「今ここに宣言させて貰うわ」
話が訳がわからない方向に進んでいく。 何やら宣言するらしいマリーちゃんの表情はとてつもなく真剣な顔だ。
助け舟を出してもらいたくて葵ちゃんの方を見るとマリーちゃんと引けを取らないくらい真剣な表情を浮かべている。
当人の私は置いてきぼりであった。
「私」、浜奈ローズマリーは小町藤花に宣戦布告させて頂くわ!」
「えぇ!?」
突然の展開に頭が付いていかない。
「今日から私と藤花は恋敵よ!」
「こ、恋敵…」
何故か私とマリーちゃんはお互い紅君が好きな恋敵になってしまったらしい…
「ちょっと待って」
するとさっきまで状況を傍観していた葵ちゃんが急に口を開いた。
「どうしたのよ葵」
「お互いサポーターを付けるのはどうかしら?もちろんメインは二人よ。けれど手助けする人ぐらい居ても良いんじゃないかしら?」
「そうね…採用!言い出したからには葵がサポーターでしょ?」
「えぇ、勿論」
一応当事者?である私が口を挟みづらい状況が続いている。何もかもが想定外…こんな時紅君と朔君が居てくれればと心から思う。
「じゃあ決まりね。私も今度はサポーター連れてくるから!」
「う、うん。分かった…?」
「時間がマズイから今日は解散!また部活終わりにね!絶対よ! 」
「じゃ、じゃあね…」
ほぼ一方的に告げてマリーちゃんは駐車場へ走り去ってしまった。
「大変な事になったわね…協力を要請しないと」
「あ、葵ちゃん…?」
「でも時間が遅くなってるのは事実だから、この件はまた後でよ?」
「う、うん」
そう言って歩き始めた葵ちゃんにつられて私も歩みを進めた。
外とは打って変わって涼しい空気が充満する帰りの車の中で言われた言葉について考える。
この宣告は、そもそも前提としてどちらも紅君が好きであるという事になる。
紅は嫌いじゃない。むしろもっと一緒に居たいって最近はよく思うようになった。
…もしかして、私は。