テラーノベル
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太智side
「なんか最近さあ、吉田さん舜太と仲良ない?」
「どうしたの、いきなり」
「最近舜太のこと飯誘っても断られんねん!仁ちゃんと予定があるーいうて。吉田さんってそんな誘いのらんタイプやのに」
「……だいちゃん、気づいてないんだやっぱ」
「ん?何が?」
「あの2人、付き合ってるんだよ」
「……えーーーーー!?」
思わず大声が出てしまう。嘘やん!?あの2人が!?ていうか付き合うって男同士やん!
「あ、はやちゃんには内緒ね?真面目だから色々考えちゃうだろうし」
「え〜〜〜自信あらへん…え?ていうか、マジなん?その話」
「マジ。俺相談ものったし」
「相談!?」
「まあよっしーが悩んでる様子だったし、察しついたから俺が勝手にアドバイスしただけだけどね」
さらりと言う柔太郎に呆気に取られる。柔太郎の周りへの観察力は本当にすごい。けど、さらにメンバーのそんな事情を受け入れられることが何よりすごい。
「うえ〜〜〜…想像したないわぁ…」
「あはは、だいちゃんそういうの嫌そう〜」
「誰でも嫌やろ!メンバーのそんなん!ていうか、男同士やで!?」
そう言うとなんとなく柔太郎の笑顔が固くなる。
「男同士だと、変?」
柔太郎が体を傾けて俺に問いかけてくる。真面目な顔で。
「えっと…変ではないよ?でも2人って普通だと思ってたから〜…」
柔太郎の綺麗な顔で真面目に見つめられるのが珍しくて、何だか変に緊張してふわふわとした話し方になる。
「普通って何?」
「え」
いつもの柔太郎じゃない、そんな気がして少し怖くなる。えっと、えっと…と必死に説明しようとするが思い浮かばない。
別に偏見がある訳ではない。ただ、2人はそういうタイプじゃないと思っていただけで…。
俺があわあわしていると柔太郎が急にふっと笑う。
「ビックリしすぎ。今の発言、テレビでしたら炎上だよ?」
慌てていた俺がよほどおかしかったのか声を出して笑っている。良かった、いつもの柔太郎だ。
「もうー!ビックリしたやんか!柔太郎真面目な顔で言うから…」
「あはは、ごめんね。怖かった?」
「怖かった、ていうか……」
思わず自分の顔を両手でおさえる。熱い。
あれ?なんでやろ…。
「ん?」
俺の顔を柔太郎が覗き込んでくる。いつもの、柔太郎。
「…いやー!ちょっとマジで気をつけるわ!最近そういうの厳しいもんな!変な意味じゃなくても誤解されるもんやし!」
早口で捲し立てて誤魔化して立ち上がる。
「うん、気をつけてね」
後ろから優しく声をかける柔太郎の顔は見れなかった。何故か分からないが、気まずい。
「おはよー」
楽屋に舜太の元気な声が響く。ああ、助かった…なんて思って振り向くとその後ろに吉田さんがいた。
一緒に来たんや…。一気に柔太郎の言っていた内容が駆け巡る。
この2人が?本当に?
思わずまじまじと見てしまう。
「仁ちゃん何聞いてんのー?」
「ん…明日ラジオだから新曲のチェック」
ただ話しているだけなのに何故か今までと違うように見える。普段から距離の近い2人だけど、いつものそれではない。
舜太が吉田さんの方に頭を乗せて、顔をほとんどくっつけている。
「聞こえねえだろ、そんなんしても」
「ん〜ちょっとは聞こえるで」
舜太の行動を何も気にせず、むしろ寄りかかるように頭を傾ける吉田さんがいた。
あれ?こんな感じやったっけ…?この2人…。
でもその様子は何だかお互いすごく幸せそうに見えて、特に吉田さんがこんなに柔らかい表情をしてるのは珍しいような気がした。完全に2人の世界という感じでぼーっと眺めてしまう。
最近恋愛というものにご無沙汰というか、考える余裕もそれを必要に思う事もなかった。
何となく、羨ましいと思ってしまった。
「幸せそうだよね、まあちょっとやりすぎだけど…」
いつの間にか隣に立っていた柔太郎が2人を長めながら言う。柔太郎はたまに俺の心が読めてるのかな?なんて思うことがある。
もしさっきの時も、俺が何を考えているのか分かっていたら…。
「何?引いちゃった?」
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「い、いやそんな事はあらへんけど〜…あんなラブラブやったんやと思って…」
「あはは、結構前からあんなもんだよ?だいちゃんって興味ないものには鈍感だよね」
楽しそうに笑う柔太郎に変な気持ちになる。いつもの柔太郎に戻ったはずなのに、何か違和感があるような気がする。
さっき話した”普通”という言葉が頭をよぎった。何が”普通”で”普通じゃない”んだろう。
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柔太郎side
「普通、ねえ…別に普通の反応じゃね?俺だってこうなると思ってなかった…」
目の前の定食をつまみながらよっしーが言う。あの時にした約束通り話を聞いてもらう予定を立ててもらった。
「でも、だいちゃんの中では普通じゃないって事だよね」
「ただの一般論だろ?」
「んー……」
どうしても引っかかってしまう。だいちゃんはそういうものに興味もないし想像した事もないだろう。見ていてわかる。
女の子が好きで、俺のことをただのメンバーだと思っていて、男になんて興味はない。それが”普通”だ。
舜とよっしーが特別なだけ。…やっぱり羨ましいな…。
俺も舜みたいに突っ走れるタイプだったらどうにかできるんだろうか。
そう思いながら目の前で白米を食べるよっしーに質問をする。
「よっしーが舜に惚れたのって、何で?どういう時?」
「………それ、俺が答えると思って聞いてる?」
よっしーが睨みながら俺に言ってくる。素直に答えてくれるとは俺も思っていない。
「舜太から告白された。はい、いいえ」
「アキネーターみたいなのやめろ!」
「…告白後に舜太から迫られた。はい、いいえ」
「…マジで、それやめろ」
よっしーが目を伏せるが俺はそのまま話し続ける。
「抱きしめられた、キスされた、それ以上のことをされた。」
よっしーは苦々しい顔で黙っているが最後の言葉でさらに顔を歪めた。あーなるほど。
「まあ、よっしーが告白されて素直に受け止める訳ないもんね」
「……俺、答えてないぞ」
「見てれば分かるよ」
よっしーは悔しそうに顔を歪める。ほんとそういうところ。
「だって、当たり前だろ。そういう趣味じゃなかったし、本気で言ってるなんて思わないっつーか…」
「だから本気なのを証明するために実演された、みたいな?」
「…あーお前に余計なこと言わなきゃよかった……」
頭を抱えるよっしーに苦笑してしまう。でも結構予想通りではあった。思ったよりは積極的だったけど。
「あのな、それ以上って言っても大した事じゃないからな?ちょっと触られたぐらいで…」
そうだよね。普通男が男に惚れるなんてない。それも仕事相手で、メンバーで、友達で…ずっとそばにいた人に。
いつからだいちゃんにこういう感情を持ったのか自分でもよく覚えていない。
だいちゃんといるととにかく楽しくて自然と笑顔になれる。多分自覚したのはだいちゃんがいわゆるBLドラマに出ることが決まった時だ。喜ぶべき話なのに俺の中でモヤモヤしたものが渦巻いた。
その時分かった。俺はだいちゃんが好きなんだって。
「…おい、お前人の話聞いてるか?」
「え?ああ、ごめん。なんか色々考えちゃって」
「アドバイスもらう立場かよ」
「ごめんって。でもだいちゃんも、よっしー以上に本気にしてくれなそうだなぁ」
だいちゃんはかわすのが上手い。色んな意味で。冗談のように扱われてしまうんじゃないか、と不安がある。
俯いている俺によっしーは少し悩んでから気まずそうに言う。
「真面目な話、強引にいくのが1番だと思う。あいつマジで鈍いし…」
「……強引、かぁ…」
「まあお前の苦手ジャンルだろうけど」
あの時のだいちゃんの怯えるような表情を思い出す。
嫌われちゃったらどうしよう。そんな風に思っていたけど止められなくて、それと同時に俺は、そんなだいちゃんの様子をたまらなく可愛いと思ってもいた。
いつも明るい笑顔のだいちゃんが恥ずかしそうに目を伏せて、戸惑う姿を見て内心昂りを感じた。初めての感情だった。
俺ってこんな人間だったんだ。
「そんな悩まなくても太智なら嫌だったら強引にでも逃げ出すだろ。あいつの方が力ありそうだし」
「テキトー言ってない?」
「だってそれしか浮かばねーもん」
「自分がそうだったから?あ、でもよっしーの方が力ないか」
よっしーがぎろりと俺を睨む。これ以上言うと本気で怒り出しそうだからやめとこうかな。
でも実際、だいちゃんの”普通”って価値観を壊すにはきっと強引に出るしかないんだろう。
もし、拒絶されて気まずくなったら?と頭をよぎるが、それよりも頭に浮かぶのは今日のだいちゃんの顔だった。
「…やっぱり、そういうのしかないよね」
ボソッと呟くとよっしーが固まる。
「お前、顔こえーよ…」
「ん?そう?」
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続きが読みたいと言って頂けたので!🤍💙
多分次で完結なのですが文章量が多くなりそうなので更新お待たせすると思います〜。
まだR18パート入ってなくて期待すかしてたらすみません…その分次回はがっつりなのでよろしくお願いします。
コメント
5件
やわ様の繊細な部分と、🧂さんに対して湧き上がるキューアグ感情、まーじで最高すぎます大好きです🫶🏻続き楽しみにしてお待ちしてます
あの間違えてたら申し訳ないんですけどこれって「君の笑顔が見れれば」みたいな題名の続きですか?理解力なくてすみません