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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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悩んだ末、ワシは和泉のおばあさんに連絡することにした。理由は伏せて、和泉が小さい頃好きだったものだけ聞くことにする。
おばあさんの連絡先は知らなかったけど、緊急事態だと思うから、チビ和泉からなんとかスマホの暗証番号を聞き出して、和泉のスマホでLINEした。
『すみません、和泉じゃなくて千歳です。お聞きしたいことがあるんですけどいいですか?』
「まあ! 千歳さんともお話したいわ、ビデオ通話でもいいかしら?」
ど、どうしよう……断りにくい……。
結局、ワシは『はい』と返事してしまった。
ワシにひっつきたがるチビ和泉を『ちょっとだけあっちな』と横にやって、ビデオ通話に出る。
「どうかしたのかしらあ」
にこやかなおばあさんが画面に写った。
『あ、あの! 突然で悪いんですけど、和泉が2歳くらいの時好きだった食べ物教えてくれませんか?』
「豊ちゃん? 2歳のとき?」
おばあさんは不思議そうな顔をして、そりゃそうだよなと思った時、チビ和泉がワシに抱きついてきた。
「ちとしぇ!」
『わっダメ!』
チビ和泉が映っちゃった! おばあさんには、チビ和泉のこと隠したまま聞こうと思ってたのに!
おばあさんは、目をまんまるくした。
「え!? え!? 何その子、豊ちゃんそっくり……」
「あー! ばーば!」
チビ和泉は、ちびっちゃい手をスマホ画面に伸ばした。おばあさんは混乱しだした。
「ゆ、豊ちゃん……? い、いえそんな訳ないわよね……」
ど、どうしよう……。
どうしていいかわからなくて、口からポロッと出たのは、どうしようもなく真実だった。
『あの、この子、和泉豊だって言ったら、信じてくれますか……?』
「ど、どういうこと!?」
『あの、ワシの霊力狙う悪い霊がいて、そいつがワシらにずっとちょっかいかけてきてて、それで、和泉を役立たずにするためにチビにしちゃって』
言いながら、ワシは泣きそうになってしまった。和泉が何度もひどい目に遭ってるの、ワシのせいなんだ。ワシが近くにいなかったら、和泉がひどい目に遭うことはなかったんだ。
『ワシが近くにいるせいで、和泉をひどい目に遭わせちゃって。それで、和泉の父ちゃんが来て、怒鳴って追い返したんだけど、和泉大泣きして、ワシが大人になって守ってやらなきゃって思ったのに、ちゃんと飯食わせてやるのもまともにできなくて』
言いながら、泣くまいと思ってたのに、涙がこぼれてしまった。
チビ和泉が、心配そうにワシを見た。
「ちとしぇ、いたいいたい?」
『……ごめん、なんでもないよ、泣いてごめんな』
どうしていいかわからなくて、ワシはチビ和泉をぎゅっとした。
おばあさんが動揺しつつ言った。
「ど、どういうことなの、ご飯買うお金も困ってるの?」
『あっそういうことじゃなくて……お金は全然大丈夫です、でも、何作っても和泉がちょっとしか食べなくて……』
「あ、ああ、そうねえ、豊ちゃん少食だったからねえ……」
おばあさんは、動揺から納得の顔に移っていった。
『大人に戻してもらうまで、ちゃんと世話してやらなきゃならないのに、全然栄養とらせてやれてなくて……』
鼻をすすりながら言ったら、おばあさんはなぜかキリッとした顔をして「大丈夫よ」と言った。
「豊ちゃん、オレンジジュースならよく飲むんじゃなあい?」
『飲みます』
そっか、オレンジジュースはやっぱり和泉が小さい頃好きなものだったのか。
「牛乳も出せば飲むからねえ。水分は全部、牛乳とオレンジジュースでとらせて。それでビタミンとタンパク質とカルシウムはとれるから。後はよく煮たお野菜が好きだから、くたくたに煮たお野菜のお味噌汁とか、白ご飯を少しずつ食べさせれば大丈夫よお」
『そ、そうですか?』
「そうよ、大丈夫。そうやって育てて、少なくとも背は伸びたんだからあ」
おばあさんは、自信たっぷりに頷いた。そっか、和泉、背丈は普通程度にあるもんな。
チビ和泉が言った。
「にゅーにゅーのむ!」
『そっか、そうだな、栄養たくさんだもんな』
ワシはチビ和泉の頭を撫でて、おばあさんに言った。
『ありがとうございます、牛乳飲ませます』
「うん、がんばってねえ。それで、聞きたいことがあるんだけどねえ」
『何ですか?』
「私の息子、千歳さんのところにも来たのね?」
『来ました』
「なんて言ってたか、教えてくれないかしらあ?」
『えっと……まともに話さないで追い返しちゃったんで、わかりません。和泉がチビになった後、外出てるときに出くわして、和泉が大泣きしたんで、和泉にひどいことさせないぞって思って、怒鳴って追い返しちゃって、ごめんなさい』
「そうなのお……じゃあ、息子は借金したい理由は話さなかったのねえ」
『話す前に追い返しちゃいました』
「いいのよお、豊ちゃんを泣かせたくないもんねえ」
おばあさんはうんうんと頷いた。
「……豊ちゃんを大事にしてくれて、ありがとうね。また何かあったら、ビデオ通話してくれないかしらあ?」
『します』
「うん、ありがとうねえ」
そうか、和泉の縁者にちゃんと連絡を取るのも、大人だったらやらなきゃいけないよな。頑張らなきゃ、大人を頑張らなきゃ。
コメント
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ちっちゃい和泉かわいすぎる…!「にゅーにゅーのむ」って聞いて思わず顔が緩んだわ。千歳が自分のせいで和泉が苦労してるって泣いちゃうとこ、すごく胸に来た。おばあさんの「大丈夫よ」って一言がめちゃくちゃ温かくて、千歳もちゃんと大人してるなって思えた。オレンジジュース、牛乳、くたくた野菜…良い情報ゲットしたね🔥