テラーノベル
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夢を見た
きっと…夢を見ていたんだ
最初に視界に入ってきたのは……
親友が血塗れで微笑む姿
その姿は美しかった
でもその微笑みは幾ら時間が経とうが
崩れなかった
玩具の様にじっと動かず
ただ微笑むだけだった
次に視界に入ってきたのは
血濡れた二人の女性の写真
写真に付着した血はまだ新しくて
そっと触れてみると
指先に彼岸花が咲いた
そして最期に視界に入ってきたのは
鏡に映った まだ新しい血を”頬”につけた自分
そこで目が覚めた
“私”は すぐさま 自分の”手”を見た
手の甲の線の細部まで舐め回す様に凝視した
だが 手に血はついていなかった
「あーあ……良かった 付いてなくて」
だって現実でも付いてたら
駄目だもんね