コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
阿部)別れたい
〇〇)えっ…
暗闇の中に暗い表情の亮平が立っている。
阿部)もう、嫌いになったの。じゃあね。
〇〇)待って…!
私が追いかけようとすると何かが私の足を掴んで引き留めた。
驚いて下を向くと地面から何本もの手が伸びていて私の足を掴み地面に引っ張り込んでいた。
〇〇)亮平…!
亮平の姿がだんだん遠のいていく。
〇〇)りょう…へい…、
〇〇)はっ!
勢いよく起き上がるとそこは自分の部屋のベッドの上だった。
しばらく状況が理解できなかったがこれが夢であったことに気づくと私は再びベッドに倒れ込んだ。
〇〇)なんだ、夢か…
土曜日はあんなに楽しく亮平と過ごしたのにこんな夢を見るなんて縁起が悪い。
一安心して時計を見ると時刻はすでに8時を過ぎていた。
〇〇)…えっ、はっ、あーーーーー!やらかしたぁ!
急いでベッドを飛び降りパジャマを脱ぐ。
いつもなら8時10分に出ておかなければいけないのに現在の時刻は8時13分。
やばい、完全に遅刻じゃん。今まで学校に送れることなんてなかったのに!
〇〇)ちょ、お母さん!なんで起こしてくれなかったの!
大急ぎで歯を磨きながらお母さんを怒鳴りつける。
母)あれ?〇〇まだ家出てなかったの?
今日は目黒くん来なかったからもう学校行ってるのかと思ってた。
〇〇)え?今日目黒くん来なかったの?
母)ええ、いっつもくるのにねぇ。今日は風邪でも引いたのかしら。
目黒くんが来ないなんて珍しいな、と思いながら私は急いで身支度を済ませ、リュックを引っ掴んで玄関を飛び出した。
時刻は8時20分。
ここから学校まで歩いて20分ぐらいだから走って間に合うか間に合わないかぐらい。
〇〇)(やばい、やばい)
今ごろ優奈心配してるんだろうな、と思いながら私は必死に足を動かした。
ひたすら走ってなんとか学校の校門に転げ込む。
時刻は8時27分。よし、行ける。
玄関で急いで靴を履き替え、階段を2段飛ばしで3階まで上がった。
教室まではあと20メートル。勝ちを確信して階段を勢いよく曲がると思いっきり何かにぶつかった。
〇〇)わっ!
??)うわっ!
ドサドサッ
相手が持っていた書類が地面に落下し、あちこちに飛んでいった。
〇〇)あぁー!ご、ごめんなさい!
??)こちらこそーって〇〇さんじゃん。
聞き慣れた声がして、顔を上げるとそこにいたのは亮平だった。
〇〇)え?亮平?
阿部)しーっ!ここでは阿部先生って呼んで!
〇〇)あ、忘れてた…!ごめんね?亮平、
阿部)いいけど、時間大丈夫なの?随分急いでたけど、
キーンコーンカーンコーン
亮平の言葉を合図するかのように重々しいチャイムが校舎内に響き渡った。
〇〇)終わった…
阿部)あー…
〇〇)もういいや、どうせ遅れるならなら存分に遅れて行こ…
私は諦めて床に落ちた書類をかき集め始めた。
阿部)なんか、ごめんね?俺のせいで、
〇〇)先生は悪くないよ!むしろ朝から先生に会えたの嬉しいし…//
阿部)っ…!//
阿部)(反則だって…//)
プリントをかき集め終わり、先生に渡してその場を去ろうとしたら不意に先生に呼び止められた。
阿部)あっ、〇〇さん。
〇〇)?
阿部)あの…、もし良かったら…今日〇〇さん委員会でしょ?その後一緒に帰らない…?//
心がパッと明るくなる。
〇〇)もちろんです!
阿部)良かった!じゃあ、下駄箱で待ってるね?
ウキウキしながら先生に別れを告げる。
はぁ、今日はいい日だなぁ〜♪
ガラッ
先生)〇〇!5分も遅刻してるぞ!
〇〇)はっ、す、すいません!寝坊しました…、
先生)寝坊?もう学年も変わるんだから、気を引き締めろよ。
〇〇)はぁーい…
その日は最悪だった。
悪いテストの点数を見て心が折れそうになったり、地味に傷つく優奈の言葉に泣きそうになったが、放課後に亮平と帰ることを考えると全て忘れて幸せな気持ちになるのだった。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
いよいよ放課後になって私が委員会に行く準備をしていると、他のクラスの女の先生が急に私に話しかけてきた。
女の先生)急にごめんなさい。目黒君の家ってわかるかしら?
〇〇)え?一応知ってますけど…
女の先生)じゃあ、これ目黒くんに渡しておいてくれない?今日のプリント類なんだけど、
〇〇)目黒くん今日休んだんですか?
女の先生)ええ、風邪だって。
〇〇)そうなんですか…、じゃあ渡しておきますね。
女の先生)ごめんね、みんな目黒くんの家知らないみたいで困ってたのよ。助かったわ。
女の先生は少し中年太りしたお腹を揺らしながら自分の教室に帰って行った。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
おわりっ!眠すぎるので一旦切ります… 次回は目黒くんの家で、です。明日出します。
眠い… おやすみ…
ᵀᴴᴬᴺᴷ ᵞᴼᵁ ◡̈*