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事の後の熱気が肌をなぞる冷たい夜気と混ざり合って不思議な高揚感を残していた
彰人は力なくシーツに沈み込んでいる冬弥に視線を合わせた
荒い息をつきながら天井を見つめる
視界の端で冬弥の白い肩が小刻みに震えているのが見えた
「おい、大丈夫か?」
「……ああ、驚いた。彰人があんなに………」
冬弥の声は掠れひどく熱を帯びている
ゆっくりと顔を向けた冬弥の瞳はまだ潤んでいて目尻には赤みが残っていた
いつもは冷静な彼が自分によってここまで乱されたという事実に彰人の胸の奥がチリリと焼けるような独占欲で満たされる
「お前が変な顔して誘うからだ」
「誘った覚えはないんだが…………嫌いではなかった」
冬弥が重い腕を動かし彰人の手をまさぐった
指先が絡み合い、恋人同士のような繋ぎ方で固定される
さっきまでの荒々しさはどこへやら
今はただ互いの体温を確かめ合うような穏やかな沈黙が流れた
「…………彰人」
「あ?」
「俺はお前に壊されるのも悪くないと言ったが……お前にだけはおれの全てを預けていいと思ってるんだ。相棒としてだけでなく一人の男としても」
まっすぐな一点の曇もない告白
彰人は気恥ずかしさに顔を背けたが繋いだ指の力は緩めなかった
「んなこと言われなくても分かってんだよ。…俺だってお前以外にこんなこと…絶対しねぇし」
ぶっきらぼうな彰人の言葉に冬弥が満足そうに目を細める
窓の外では夜が明けようとしていた
ライブを控えた二人の関係はもはや相棒という言葉だけでは括りきれないより深く逃げ場のない熱へと変わっていた
「…少し寝るか」
「ああ………そうだな」
重なり合ったままの体温
微睡みの中で彰人は冬弥の額にそっと唇を落とした
完
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