安手英雄高等学院の見学にきた、サンズ(オリジナル)。そこで待っていたのは、AUの守護者、インクサンズだった! 彼に連れられ、まず校庭を見学することに。だが、予想外の出来事が起こりすぎる…。
だとしたら一体…
「校舎の中は…」
まぁ、別にどうってことはない。至って普通の学校である。
「あ〜良かったです!靴箱のロッカーは普通ですね!」
中にはスニーカーやローファーなどが入っている。周りにはお客さん用スリッパと、逆さまの机………。
逆さまの机?
逆さまの机!?
「え……なんでひっくり返ってるんですか!? おかしいでしょ!!」
「あ〜………ね。」
なぜだまる。やめて怖い。この学校やっぱやめようかな……
キ─ンコ──ンカーンコ──ン
「インク?」
ん?また変なのが来んのか……
「アレ?その子だぁーれ?可愛いじゃーん♡」
「ここは変なの多いから気をつけなね。ボクみたいに
可愛い子を見つけたら襲っちゃうやつがいるから♡」
「も〜。あんまり刺激与えちゃダメだよ。ラスト。」
ラスト……どんな意味だっけ。確か、性欲とかそんなような……。ん?性欲!?
やばい奴の気配がプンプンするんだけど!?
「あと、インクの本返しといたからね。今度からは自分でやってよ!」
「ありがとう!!助かるよ」
「じゃ、その子もばいばーい♡今度また連れてきてね♡」
でも、仕事はちゃんとやるんだ。いいひと……なのか?
「そういえば、なんでみんな俺に似てるんだろ……。」
「あぁ〜それはね。」
サンズ。君は、UNDERTALEという世界に住んでいる。
この学校にいる生徒達は、AUと言って、そのUNDERTALEのコピーというか。
「パラレルワールド」って言った方がいいかな?
君の仲間と立ち位置が入れ替わったり、凶暴化したりする。ここにいる生徒たちはみんな君の分身みたいなものなんだ。だから君はサンズなんだけどね。分かりずらいから…
「オリジナルって呼んでもいいかな?」
「ん……いいですけど」
「ありがと!じゃ、さっそく……オリジナル!1年生の教室に行こう!!」
「じゃあ、この前習った公式を参考に、このテストを解いてみてくれ。制限時間は10分。
成績にはならないが覚えておいた方がいいからな。」
生徒たちはみんな「えー」という顔になったが、すぐに真面目な顔になった。
「はーい!」
その様子をサンズとインクが覗き込む。学年とクラスは、1-Bだ。
「あの先生なんか良さげですね。優しそうだし。」
「あ〜、ハニー先生ね。いい先生だよ。教え方も上手くて、ちょっとおっかないけど。」
そういえば、弟に似てるような気がするけど、この学校だったら有り得そうだな…。
聞くのさえも面倒くさくなってきた。
「そうだ、もしオリジナルが入学したらここの組になると思うよ。」
「えっ?どうしてですか?」
「AとかCとかは結構怖いからねぇ。問題児が多いんだよ、今年は。」
……だからさっきから悲鳴が聞こえたり、扉壊れたりしてんのか。ヤバすぎだろ。
「ところで、オリジナルはなんでこの学校に入ろうと思ったの?」
「それは───」
中学2年生の時、父さんが亡くなった。しばらくは、父さんの貯金で食いつないでいたけど。
俺には親戚もいなかったもんだから、働かないと生活出来ないほどになってしまった。
残ったのは弟のパピルスだけだった。
パピルスにはこんな思いはさせたくない。何としてでも幸せにしてあげたい。
そんな思いで、地元から1番近い高校に入学した。でも……
社会はそんなに甘くはないと思い知らされた1週間だった。
まず制服代。最初は買わなくていいと言われたが、普通に買ったら5万ほどする。
で、交通費。地元から1番近いとは言ったが、電車でないと行けない距離だ。当然負担がかかる。
さらに校則が厳しく、中学の制服はもちろんアルバイトをするのもだめだ。
でもこの学校は校則もゆるいし、変なやつもいるけど、いいひともいる。
更には俺のドッペルゲンガーがいっぱいいるのだ。決めた。俺は──
「この学校に入学します!! 」