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人生最後の記憶は君がいい

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人生最後の記憶は君がいい

4 - 第4話 喜びと驚きと

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2022年12月29日

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【第四話 喜びと驚きと 】

 次の日、俊介は昨日のメモを握り締め、朝美が店員をしているカフェへ行った。カランコロン、とベルが鳴り響く。朝美は、元気にいらっしゃいませ…とは出迎えなかった。朝美がいない。カフェに朝美がいない。

「…すみません、お店、間違えました」

 俊介はそうとだけ言って、店を出た。俊介は下を見ながら、涙を堪えて歩き出す。自宅へ帰ろうと、早歩きだ。下を向いていたからか、衝撃がきた。誰かとぶつかってしまった。

「あっっ!!!す、すみません!」

 走って通り抜けようとした時…気づいた。

「…朝美…さん?」

「…あっ、ど、どうも…」

 ぶつかったのは朝美だった。カフェの営業時間なのに、おかしい。

「カフェ、行かないんですか?」

「…クビに、なりまして…」

 あはは…と言う朝美。俊介は思わず「えっ、」と言った。…やってしまった。朝美の地雷を踏んだかもしれない。

「ご、ごめんなさい!!落ち込んでますよね…」

「いえいえ」

 首をふる朝美。

「あんなブラック会社、辞めて良かったですよ。厨房から罵倒が飛んでくるし…」

 俊介はびっくりした。カフェはお洒落だし、静かで、落ち着く。でも、厨房内は罵倒が飛びかっているとのこと。意外性で思わず笑ってしまった。

「…だから、良いんです。これからバイト探ししますから。…で」

 朝美は言葉を詰まらせた後、こう言った。

「あなたって、誰なんですか?」

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