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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「それではさっそく始めよう! まずはそこのお前からだ! 準備を始めろ!!」


試験官の指示に従い、受験者たちが試験を受けていく。

剣士や戦士系の者は、攻撃を盾で受け止める者が多い。


「はああぁっ! 【鉄心】ダ!!」


「おおおぉっ! 【金剛盾】ッ!!」


ミレアやレオナードがそれぞれ優れた防御力を披露する。

『鉄心』は、身体に闘気を流して一時的に身体の頑強さを向上させるスキルだ。

『金剛盾』は、闘気を盾に流して強化する技術である。

どちらもなかなかの上級テクニックだ。


「2人とも合格だ! 次!!」


「わたくしの出番ですわね」


アーシアが進み出る。

彼女は魔導師だ。

剣士や戦士系の者と比べると、防御力に欠けることが多い。


「アーシア、頑張れよっ!」


シンヤは声援を送る。

彼女のことを少しばかり心配しているのだ。

しかし、その心配は無用であった。

なぜなら――


「はあっ!! 【光天結界】!!!」


彼女が発動したのは中級の防御魔法である。

光の障壁を生み出し、敵の魔法による攻撃を防ぐ魔法だ。

この程度の魔法なら、彼女は簡単に使いこなすことができる。


「うむ、素晴らしい魔法だ。文句なしに合格とするぞ!」


「ありがとうございます」


アーシアは優雅に一礼をする。


「やるじゃないか」


「当然ですわ。防御魔法を使える魔導師にとって、この試験は楽なものですもの」


「ふむ。それは確かにな」


一般的に言って、魔法を覚えるのは大変だ。

特に、最初の1つ目や2つ目は苦労する。

習得に苦労することがわかっている状態から、人は何の魔法を習得しようとするか?

当然、攻撃魔法だ。


防御魔法や補助魔法が使えずとも、攻撃魔法さえ使えれば低級の魔物は狩ることができる。

一方で、攻撃魔法を使えず、防御魔法だけを使える者は微妙だ。

パーティを組めば多少の出番はあるだろうが、ソロではまともに狩りすらできないだろう。

そのため、最初の方は攻撃魔法ばかりを取得することになる。


攻撃魔法を数種類習得したら、次は補助魔法だ。

仲間の身体能力を向上させたり、軽い傷を治療したり、索敵したりする魔法である。

防御魔法を習得するのは、攻撃魔法や補助魔法が一通り揃ってからとなる。

だから、アーシアのように防御魔法が使える者は珍しいのだ。


「最後はシンヤ、お前だ! 前に出てこい!!」


「はいよ」


シンヤは気負わずに定位置に向かう。

そのときだった。


「グオオォッ!!!」


突如として、巨大な怪鳥が姿を現した。

そして、シンヤたちのいる場所に向かって猛進してくる。


「なっ!? ヘル・コンドルだと!? B級の魔物がどうしてここに!!」


試験官が驚愕の声を上げる。

怪鳥はシンヤに狙いを定め、さらにスピードを上げた。


「いかん! 試験は中断だ! 逃げろ!!」


試験官がそう叫ぶが――


「【イージス・シールド】」


シンヤは落ち着いて魔法を発動させた。

彼の周囲に不可視の盾が生まれる。

それが、突進してきた怪鳥の嘴を防いだ。


「ガアッ!!」


ヘル・コンドルは、そのまま勢いよく地面に叩きつけられる。

シンヤが生み出した固い障壁に勢いよく突っ込んだことで、脳震盪を起こしたのだ。


「ふんっ!」


「クァ……」


シンヤはヘル・コンドルの嘴を掴み上げる。


「なあ、こいつは処分してもいいのか?」


「あ、ああ……。そいつは乱入してきただけで、試験には関係ない。だが、B級の魔物だぞ。生半可な攻撃は通じな――」


「【ライトニング・ボルテックス】」


バリバリっ!


「クェエエッ!!」


シンヤは怪鳥を掴んだまま、強力な雷魔法でダメージを与える。

そして、止めと言わんばかりに首を締め上げた。


「これでよしっと。さてと、試験を続けようぜ」


「お、おう……そうだな……」


試験官は唖然としていた。

Bランクの魔物を、あっさりと倒してしまったからだ。

引き続き防御力試験が進んでいく。

そして、シンヤも当然のように合格したのだった。

魔法の探求者、異世界で無双する ~美少女奴隷と迷宮を探索して、何やかんやで成り上がっちゃうぜ~

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