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続き
雨花「うーん長旅だった〜」
桃時「あんたたちトランプで白熱しすぎなのよ」
兎白「つい躍起になってしまった」
紅蓮「一番浮かれてた人がよく言うよ」
桃時「何ですって?」
紅葉「そこ!今はおしゃべりしない。今から荷物を貰った人は空港の外で列に並んで待機していて下さい」
桃時「はいはい……全く本当に張り切ってるんだから」
雨花「桃時ちゃんのスーツケースさっき言いそびれたけど可愛いね!「ピンキーミルキーラビット」のステッカーだ!」
桃時「ふふっ!そうでしょ!」
雨花たちはスーツケースを運びながら話し出す。
桃時「あんたは……真っ黒ね」
雨花「うん!」
兎白「闇夜みたいに漆黒だな」
紅蓮「雨花さんらしい色だね」
桃時「でもステッカーとか付けたら?」
雨花「ううん!このまんまが良い。わたしにとっては」
雨花は、スーツケースを眺める。その様子は水溜まりのみえない底をただひたすら眺めているようだった。
桃時「……あんたって危なかっしいわね。ホント」
兎白「確かに……心配だ」
紅蓮「…………」
雨花「ほら!早く外行こ!」
こうして雨花たちは無事、アメリカ(ロサンゼルス)に着いたのだった。
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雨花「もうすぐ日本は夜の八時だね」
兎白「確か時差はマイナス十六時間くらいだな」
紅蓮「てことは……今は……えっとぉ……」
桃時「朝の四時でしょ」
紅蓮「それだ!すごいなぁ!桃時さん!」
桃時「いや簡単な引き算だと想いますけど」
雨花たちは、バスに乗って『TSLハイスクール』に向かっている。
雨花「わたしもできなかったからスマホで調べっちゃった!あはっ!」
兎白「圏外なのにスマホ使えるのか?」
雨花「うん!紅蓮先生がデザリングさせてくれたから!」
紅蓮「これぞデキル教師!はっはっはっ!」
桃時「そうやって自分で言うから評判が下がるのよ」
桃時は窓の節に肘をついて頬杖をつきながらぼやく。
桃時「それにしても散々飛行機で寝たのにまだ眠いわね」
雨花「日本時間だったらもう後二時間で寝ててもおかしくない時間帯だもんね。無理ないよ」
兎白「そういえば、俺たちが泊まる場所って「TSLハイスクール」の寮ですよね?」
紅蓮「そうなんだよ〜なのにさ!先生はホテルに泊まるんだと」
桃時「あなたも先生じゃない」
紅蓮「俺は生徒たちと一緒の部屋で泊まるんだよ〜!!「いつもぶつぶつデスクで言ってて気味が悪いから頼むから離してくれ!」って言われてていの良い厄介払いだよ……とほほ」
桃時「それは先生がフィギュアに向かって会話しているのが原因なので自業自得だと思うけど」
紅蓮「……ぐっ……ホテルからなら良い景色も撮れて聖地巡礼できると想ったのに……」
雨花「でも自由行動もありますし、その時できるんじゃないですか?「ルージュ兄妹」の聖地巡礼!」
兎白「そうですよ。諦めなくて大丈夫だと想います」
紅蓮「そうだよな!こうしちゃいられない!ちゃんとプロ用のカメラとドローンを後で準備して置こう!」
桃時「え?そんなに機材持ってきたんですか?」
紅蓮「そのために下着の替えとモバイルバッテリーのみに荷物を限定して、あとは機材だけをスーツケースに入れたんだ!」
雨花「服はどうするんです?」
紅蓮「今着てるこれだけだが?」
桃時「馬鹿ね」
雨花「紅蓮先生らしいね」
兎白「俺もカメラとか用意した方が良かっただろうか」
桃時「せんでいいせんでいい」
このようにして、バスは「TSLハイスクール」に到着した。
「ようこそ、「TSLハイスクール」へ。私はこの学校の生徒代表です。よろしくお願いします」
「なんかすげぇ綺麗な人」「なんかほんのり良い匂いがするー」「暖かいなぁ!」「優しそうな人!」
雨花・桃時「…………」
紅蓮「あれが天使か。しかもあれは大天使だな」
兎白「大天使って天使の中の選ばれた天使ですよね?」
紅蓮「あぁ、よっぽど成績優秀じゃなきゃあんな眩しい光の天使の輪は付けられない……」
生徒たちが大天使を褒める中、疑心暗鬼になっている桃時。それを分析する兎白と紅蓮先生。そして……
雨花「…………」
なんかやたらこっちを伺ってるな
あの大天使さん
早くも大天使の目線に気づいている雨花。
「皆様、長旅で疲れていらっしゃると思いますので、まずは寮へご案内しますね」
桃時「……あの天使。胡散臭いわね」
雨花「ずっとこっちを伺ってたよ。あの天使さん。気配がしたもん」
兎白「あの天使は、何かを考えているのか?」
桃時「さぁ?まだ断定はできないわね」
紅蓮「なぁ。あの天使にあまり関わるなよ。あいつの目をみれば分かる」
兎白「そうなんですか?」
紅蓮「いや、本当は言ってみたかっただけだ!こういう眼光の鋭いキャラのセリフ言ってみたかったんだよね〜!くぅー!」
桃時「何かこいつみてると、天使のこととか馬鹿馬鹿しく感じてきたわ」
雨花「まぁ桃時ちゃんたちは気張らず行こ!」
兎白「お前もな。雨花」
桃時「まぁとりあえず、寮に行きましょ」
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「改めまして、長旅で御足労頂きありがとうございます。こちら右側が女性の部屋。こちら左側が男性の部屋となっています。妖怪の皆様はあちらへお進み下さると部屋がございます。起床時間は現地時間で言うと、午後十二時まででございます。では、ごゆっくりおくつろぎ下さい」
「どんな部屋なんだろ?」「綺麗かな?」「絶対すげぇ部屋だって!」「早くみようぜ!」
桃時「アタシたちも行きましょ」
雨花「…………」
桃時「雨花?」
「ありがとうございます。今ロサンゼルスは、朝方なのに我々の時間に合わせて頂き……しかもご支援まで頂いて……」
「いえ、気にしないで下さい。私のモットーは「浄化」ですから。生き物の心を浄化するように、人々には優しく在らなくてはいけませんから。では、失礼します」
大天使は、去っていった。
雨花「……「浄化」ねぇ」
桃時「早く行くわよ。雨花」
雨花たちも寮へ急いだ。
桃時「ここ、シャワールーム付いてるのね」
雨花「お金かかってるなぁ」
桃時「ふぅ〜パジャマに着替えたいわね。その前にシャワー入らなきゃ。一緒に入る?」
雨花「わたしはいいや。後で入るよ」
桃時「じゃあお先〜」
その後、雨花もシャワーを浴びて、
桃時は、淡い桃色のパジャマ。雨花は、黒と灰色が基調となっているジャージを着用した。
桃時「みて!このシャンプー!」
雨花「おぉ!それって新発売の?」
桃時「そう!高いけどすごく髪なじみが良いのよ!」
雨花「でも誰かに盗まれる可能性のあるシャンプーをあえて持ってきたってことは、もしかして……?」
雨花はニヤける。
桃時「そ、そうよ!兎白とデートスポットに行くから少しでもオシャレしたいじゃない!悪い?」
雨花「いえ!大変可愛くて何より」
桃時「ふざけてないで寝ましょ」
こうして眠りについた桃時。
雨花もベッドに横になる。
雨花「…………」
面倒なことになる気がするんだよな
【続く】