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第10話:ユメの名前で届いたメール
金曜の夕方。ミユがスマホを開くと、未読メールが1件。
差出人:ユメ
件名:「おすすめアプリ!無料で始められます💡」
本文:「ユメからの紹介です。ポイント2倍、今だけ!」
リンク先は、知らない金融アプリ。
……でも。
(ユメ、今週ずっと学校休んでるはずじゃ)
すぐにチャットを開いて、ユメに送ってみる。
「これ、送った?」
既読にならないまま1時間。ようやく返ってきた短い返事は、
「なにそれ、ログインしてないよ?」
ミユは冷たい汗を感じた。
そのメールには、自分の名前も載っていた。
「ミユも使ってるよ」と。
しかも、メールの下には自分のNaPointレビューが引用されていた。
一言一句、投稿した覚えのない言葉で。
「“空き時間にお小遣い、すごい便利です”……?」
言ってない。書いてない。でも、名前は合ってる。
ふと、スマホの通知が震えた。
【NaPoint:あなたの紹介で2人が新規登録しました】
2人?
(……わたし、誰も紹介してないよ)
ミユはゆっくりとスマホを伏せた。
自分の名前が、どこかで“動いている”音がした気がした。