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桜空

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桜🌸
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・ω・ 🐌
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🏐 岩及BL『今夜だけは、離さない』
第6話「えっ、主将と副主将ってそういう関係!?」
――翌日・青葉城西高校、体育館。
「おはよー! みんな!」
いつもどおり、爽やかな笑顔で体育館に入ってきた及川。
その後ろには岩泉。
二人は並んで歩いていた。
ただし。
昨日までと違うことが、ひとつ。
「……岩ちゃん、今日も一緒に帰ろうね♡」
「おう」
「あと、昼休みも一緒に食べよ?」
「わかったから、練習の準備しろ」
「はーい♡」
――その会話を聞いていた花巻が、ぴたりと動きを止めた。
「…………松川」
「……ああ」
「昨日、告白したばっかだよな?」
「そうだな」
「……なんか、もう熟年夫婦みたいじゃね?」
「わかる」
二人はゆっくり顔を見合わせた。
そして。
「「おはよー、ラブラブカップル♡」」
「…………は?」
及川が振り返る。
岩泉の眉間に、深いしわが寄った。
「……お前ら、朝から何言ってんだ」
花巻はニヤニヤしながら近づいてくる。
「いやー? 昨日は青春してたなーって」
松川も頷く。
「告白、よかったぞ」
「~~~~っ!!」
及川の顔が一瞬で赤くなった。
「なっ……!? なんで知ってんの!?」
「昨日、体育館の裏で見てたから」
「最初からじゃねえか!!」
岩泉の怒鳴り声が体育館に響く。
その声を聞きつけて、金田一と国見もやってきた。
「え、何? どうしたんですか?」
金田一が首を傾げる。
花巻は待ってましたと言わんばかりに、金田一の肩に腕を回した。
「聞いて驚け、金田一」
「は、はい?」
「うちの主将と副主将、付き合い始めましたー!」
「…………えっ!?」
金田一が目を丸くした。
国見は二人を交互に見て、ぼそっと呟く。
「……へえ。やっと?」
「国見ちゃん!?」
及川が叫んだ。
「やっとって何!? どういう意味!?」
「……見てればわかるじゃないですか」
「わかんないよ!?」
「……及川さん、岩泉さんのこと好きすぎるし」
「…………」
「岩泉さんも、及川さんにだけ甘いし」
「…………っ」
国見は眠そうな顔のまま、さらっと続けた。
「……付き合ってないほうが不思議でした」
「国見ちゃんんんん!!」
及川は両手で顔を覆った。
その横で、岩泉は耳まで赤くなっていた。
「……お前ら、練習前に余計なこと言ってんじゃねえぞ」
「はいはい」
花巻は笑いをこらえながら、及川の顔を覗き込む。
「で? 及川?」
「……な、なに」
「岩泉のどこが好きなの?」
「…………は?」
「聞きたい聞きたい!」
松川まで乗ってきた。
「告白されたとき、どんな気持ちだった?」
「……っ、ちょ、ちょっと!!」
「初デートはいつ?」
「まだ決めてないよ!!」
「手はつないだ?」
「…………っ!!」
及川は言葉に詰まった。
花巻の目が輝く。
「……つないだんだ?」
「…………」
「つないだんだな?」
「~~~~っ、うるさああああい!!」
体育館に及川の悲鳴が響き渡った。
金田一は顔を赤くしてあたふたしている。
「え、えっと……おめでとうございます!」
「金田一ぃ……!」
及川が感動したように振り返る。
「ありがとう……! やっとまともな人が……!」
「でも、岩泉さんと及川さんが付き合うの、なんか納得です!」
「金田一まで!?」
「えっ!? いや、いい意味ですよ!?」
国見が小さくあくびをした。
「……おめでとうございます」
「国見ちゃん……!」
「……これで及川さんが練習中に岩泉さんの気を引こうとして騒ぐのも、少しは減りますかね」
「減らないよ!?」
「……ですよね」
「即答しないで!?」
花巻と松川は、ついに我慢できなくなった。
「「あははははは!!!」」
「お前ら、あとで覚えてろよ……!!」
岩泉の低い声が響いた。
けれど、その手は。
いつの間にか、及川の背中にそっと添えられていた。
国見はそれを見逃さなかった。
「……ほら」
「ん?」
金田一が振り返る。
国見は岩泉の手を指さした。
「……やっぱり甘い」
「…………」
岩泉が慌てて手を引っ込める。
「……これは違う!!」
「何が違うんですか?」
国見の一言。
体育館に笑い声が響いた。
⸻
💗 練習中「彼氏なんだから」
「はいっ、次! サーブ練習!」
及川がパンッと手を叩く。
いつもどおりの主将の顔。
……なのだが。
「岩ちゃん、見ててね♡ 及川さんのスーパーサーブ!」
「ちゃんと入れろよ」
「えー! 応援してよ!」
「入ったら褒めてやる」
「……っ、ほんと!?」
及川の目が輝いた。
「よーし!! 見ててね、岩ちゃん!!」
勢いよくボールを打つ。
ボールはきれいな軌道を描き、コートの隅に突き刺さった。
「よっしゃー!!」
及川が振り返る。
「岩ちゃん! 今の見た!?」
「おう。ナイスサーブ」
「…………っ!!」
たったそれだけ。
たったそれだけなのに。
及川は嬉しそうに笑った。
「えへへ♡」
「…………」
花巻がボールを抱えたまま、松川に耳打ちする。
「……なあ」
「ん?」
「今の見た?」
「見た」
「岩泉、及川にだけ褒め方が優しくね?」
「……昨日までは『もう一本!!』だったのにな」
二人はじっと岩泉を見つめる。
岩泉は気づいていたが、無視した。
その代わり。
及川が次のサーブを打つ前に、そっと声をかけた。
「……徹」
「ん?」
「無理すんなよ。手首、痛かったらすぐ言え」
「…………」
及川の顔が赤くなる。
「……うん」
「よし」
岩泉は及川の頭を軽く撫でて、コートの外へ戻った。
――沈黙。
花巻がゆっくり口を開いた。
「……松川」
「……ああ」
「これ、俺らの前でやる?」
「……隠す気ないんだろ」
「だよなぁ……」
そのとき。
「……何か言ったか?」
岩泉が振り返った。
花巻は即座に笑顔になった。
「いえ! 何も!」
松川も頷く。
「いい彼氏だなって話」
「~~~~っ!!」
岩泉の耳が真っ赤になった。
そして、コートの向こう側では。
及川が両手で顔を覆っていた。
「……もうやだぁ……」
けれど。
その口元は、どうしようもなく緩んでいた。
⸻
🌇 放課後「みんなにバレても」
練習が終わったあと。
及川は体育館の隅で、タオルを畳んでいた。
そこへ岩泉がやってくる。
「……徹」
「……なに?」
「帰るぞ」
「……うん」
及川は立ち上がったものの、どこか落ち着かない様子だった。
岩泉が首を傾げる。
「……どうした?」
「……ねえ、岩ちゃん」
「ん?」
「……みんなに知られちゃったね」
「ああ」
「……嫌じゃない?」
岩泉は少しだけ目を見開いた。
及川は視線を落とす。
「……俺たちのこと、いっぱいからかわれたし」
「……」
「岩ちゃん、嫌だったかなって……」
岩泉はしばらく黙っていた。
それから。
及川の手を取った。
「……別に」
「……え?」
「お前と付き合ってること、隠したいと思ってねえよ」
「…………っ」
「……まあ、あいつらがうるせえのは腹立つけどな」
及川は思わず笑った。
「……ふふっ、岩ちゃんらしい」
「うるせえ」
岩泉は及川の手を握り直した。
「……それに」
「……うん?」
「……お前が俺の彼氏だって、ちゃんと言えるのは嬉しい」
及川は、ぴたりと動きを止めた。
「…………」
「……徹?」
「……っ、岩ちゃん……!!」
及川は勢いよく抱きついた。
「……ちょっ、危ねえだろ!」
「だってぇ……!!」
「……ったく」
岩泉は呆れながらも、及川の背中に腕を回した。
「……好きなだけ甘えろ」
「……ほんと?」
「おう」
「……じゃあ、手つないで帰っていい?」
「最初からそのつもりだ」
及川は顔を上げた。
そして、満面の笑みで。
「……大好き、岩ちゃん♡」
岩泉は少しだけ目をそらした。
「……俺もだよ、徹」
二人は手をつないで、体育館を出た。
すると。
「「お幸せにーーー!!!」」
校舎の窓から、花巻と松川の声が飛んできた。
「うるせええええ!!」
岩泉の怒鳴り声。
及川の笑い声。
夕焼けに染まる帰り道。
二人は手をつないだまま、並んで歩いていった。
もう、誰にも隠さなくていい。
大好きな人が、恋人なのだから。
コメント
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読んだ読んだ〜!!もう最高すぎた🥀💗 花巻と松川が「おはよーラブラブカップル♡」って言ってるの、もう全部バレバレで笑ったwww でも国見の「やっと?」が一番しびれた……周りから見たらそういうことだよね、って納得しちゃう。 岩泉が「お前が俺の彼氏だって言えるのは嬉しい」って言ったところ、胸がギュッてなった。もう隠さなくていいんだって解放感と愛情がすごく伝わってきて、私まであったかい気持ちになったよ。最後の「お幸せにー!!」も含めて、チームごとあたたかい世界だなあってしみじみ。しゅぴさん大好きです🌙💌